~blood of taboo~
他者を支配し、その血を啜り、肉を喰らって生きる残酷無情の存在。
征服することでしか己を満たすことが出来ず、壊すことでしか己を表すことが出来ない哀しく儚い存在。
望まぬ力と他者から向けられる恐怖の視線に押し潰されそうになりながら、人形のように玉座に座り続ける存在。
本当は普通のままで友達と遊んだり、喧嘩したり、泣いたり、笑ったり、そんな当たり前のことがしたかった。
だがその血を注がれ生を受けたが為に、他者を蹴落とさなければならなくなる。
怒り、悲しみ、恨み、苦しみ、恐怖、絶望、嫌悪、軽蔑――負の感情で飾られた空虚な王は問う。
――どうして流れる血が違うだけでのけ者にするんだ、と。
王の問いは誰にも届かず、嘆き続けた王は知らず知らずのうちに屍を積み上げる。
いつの間にかそれが当然のことのように感じるようになり、王は血に濡れた手を眺めた。
またやってしまった、しかしこれが存在意義だから仕方ない。王は自ら答えに行き着いた。
王が求めた問いの答えは簡単なこと、屍を積み上げることに抵抗を感じないことが解答だ。
魔を支配する者の根本には違いがなく、どれだけ優しい人間でも本能は皆同じ。
阻む者は何人たりとも存在を許さず、蹴落としては喰らい、屍を積み上げる。
決して同格の者はおらず、誰かの上にしか存在出来ず、故に孤独。
孤独故に誰もその者の隣には立とうとせず、同格なる存在は産まれない。
王は求めた、良き理解者を。何気ない友達を。いるはずもないのに。
王は孤独故に王であり、王である故に孤独だ。
だがそんな王にも、唯一心を開き理解してくれる存在が、たった一人いた。
それこそが同じ力を持ち、その血の原点でもある死神だった。
死神は言った。お前が己の血に苦しむのならば、その血を根絶やしにすればいい、と。
自分と同じ血の流れる者をこの世から排除すれば、もう誰も苦しむことはない。
例え自分が死ぬまで苦しみ続けたとしても、その苦しみを子孫にまで継がせるな。
呪われた血でまた誰かが嘆く、これ以上自分と同じ苦しみを他の誰かに味わってほしくない。
我は己の命が燃え尽きるまでに、責めて自分が積み上げてきた屍くらい弔おうと、呪われた剣に二つの願いを唱えた。
一つは六つの宝石を見つけ出してほしいと言う願い。
もう一つは絶対的な力がほしいと言う願い。
呪われた剣は屍の血と引き換えにその願いを果たし、我をシナリオ通りの役者にしてくれた。
我ながら勝手な幕引きかもしれない。でもそれしか、償う方法が浮かばなかった。
許してくれとは言わない、責めて見ていてくれ。
これが己の血にすべてを奪われた、無様な契約者の姿だ。
我は必ず終わりを紡いで見せる。それが我に出来る弔いで、償いで――




