第二十一話:永遠の誓い
美しく晴れ渡った、どこまでも澄んだ青空が広がる朝が訪れた。
前日から、エデンヴァルトは国中がお祭り騒ぎだった。
王都の通りという通りは、色とりどりの花と祝祭の旗で華やかに飾り付けられ、人々は皆、とびきりの晴れ着を身に纏い、この日を心待ちにしていた。
それは、かつて「悪役大公」として恐れられたルークスと、「予言書の乙女」として国を救ったアイラの婚礼の日だった。
小高い丘の上に立つ荘厳な大聖堂には、多くの貴族や市民がその瞬間を見届けようと集まっていた。
彼らは皆、悲劇の運命を覆した二人の愛を、心から祝福していた。
やがて、金と銀の装飾が施された馬車が大聖堂の前に静かに止まる。
恭しく御者が扉を開けると、黒と銀の礼装に身を包んだルークスが先に降り立った。
彼の氷青の瞳は、穏やかな光を湛え、差し出された手を取ったのは、純白のドレスを纏ったアイラだった。
ドレスの裾には、『予言書』を象徴する銀の刺繍が施され、彼女の髪には、エデンヴァルトに咲く最も美しい花々が飾られていた。
人々の感嘆の声が上がる中、二人は祭壇へと向かう。
祭壇の前で、ルークスは愛おしむようにアイラを見つめ、誓いの言葉を口にした。
「アイラ、君の光は、私の暗闇を照らしてくれた。君を、永遠に愛し、守り続けることを誓おう」
アイラは微笑み、ルークスの言葉に応える。
「ルークス様、あなたの強さと優しさが、私に勇気を与えてくれました。この愛が、未来永劫、エデンヴァルトを照らし続けるでしょう」
そして、二人の唇が触れ合った、その瞬間だった。
ゴオオオオオン……
大聖堂の鐘が、荘厳な音を響かせた。
まるで、天が二人の愛を祝福しているかのように。それは、人々に知らされる合図だった。
希望の鐘の音は、エデンヴァルトの隅々まで響き渡り、人々の歓声と拍手が、永遠に続くかのように鳴り響いた。
ヴァルターとゼノンは、誰よりも二人の幸せを喜んでいた。
カール公爵の悪事を知った貴族たちも、今やルークスとアイラを心から祝福していた。
ルークスとアイラは、幸せに満ちた笑顔で、その祝福を一身に浴びていた。
彼らの幸福な物語は、ここから本当の意味で始まるのだ――。




