食材集め
ログインしていつものメンバーがログアウトしているのを確認してから路地裏から南門へ進む。
今日はレベリングついでにサブジョブのための食料を集めをしよう思う。
というわけで、狩りのお時間だ。南門を通過し食糧系のモンスターや素材が豊富なトゥールの草原で獲物を探す。
わいわいとパーティで討伐したり立ち止まって何かをしている人たちを横目に人気のない辺りまで歩きながらメニューを開いた。
前回、サブジョブがきちんと表記されていることは確認したがコカトリス討伐後のステータスを見ていなかったのだ。
名前:ナーリア
レベル:6
種族:獣人 ラビィ族
サブジョブ:料理人
スキル
ナイフ術 Lv.4
回避 Lv.5
火魔法 Lv.5
光魔法 Lv.2
鑑定 Lv.6
獣の本能
脱兎の心得
火魔法が既にカンストし、全く使ってない光魔法が自身のレベルアップに底上げされレベル2になっている。そして、新たに"ナイフ術"と"回避"というスキルが増えていた。コカトリス戦より前に増えていたようだが火魔法のレベルしか確認していなかった為見落としていたのだろう。ひとまずレベルアップ報酬のボーナスポイントはDEXに全て注いでからスキル詳細を読む。2つのスキルはその名の通り、ナイフ術は短刀の区分にある武器で使える攻撃スキル、回避は回避行動の補助として自動発動するパッシブスキルのようだ。
とりあえず、カンストした火魔法を進化させるとレベル1の炎魔法へと置き換わった。基本的に初期魔法系はレベル5で、パッシブ系はレベル10で進化させることが出来るのだ。今日は光魔法を育てることにする。草原では延焼があるため炎魔法は使えない理由もあるのだが。
ステータスを弄ってアイテム欄を整理していると草原の草を掻き分け疾走してくる音が聞こえた。
サッとUIを閉じ腰に下げていたナイフを引き抜いて直感に従い首元に構えると重たい衝撃が走る。
[バニット Lv.5]
鑑定により名前とレベルが表記される。どう見ても兎だが二本足で立っており踵あたりには鋭い鎌の様なものが付いている。衝撃の正体はどう考えてもあの鎌だろう。初撃を防がれたバニットは草陰に飛び込み隠れた。
「ラティア」
左手に光魔法を出し草陰に放つ。目測で放ったからか簡単に避けられ、飛び上がって心臓のあたりを狙って足を振りかぶってきた。今度は受けず片足を引いてギリギリを狙い避けナイフを振り上げ切り裂くと、短い悲鳴をあげ地に落ちる。手の内でナイフを回転させて持ち替え、ナイフ術を発動。バニットの首を狙い突き刺すとクリティカル判定が入り倒れ伏した。
「首が弱点か」
サクッと解体ナイフを使ってからアイテム欄を見るとバニットの肉がひとつ入っていた。バニットはとても素早いと聞いていたが幸いDEXはこちらの方が高く感知も出来たため複数体でも対応可能だろう。周囲を見回しながら鑑定をすると幾つか採取ポイントも見受けられる。この辺りで狩りと素材集めをすることにしよう。
暫く狩りを続け兎肉が20個以上集まり薬草や香料、木の実、キノコ、レアドロップの上質なバニットの肉もそれなりに手に入ったのでそろそろ場所を変えることにする。草原の奥にはバニット以外のモンスターの報告も上がっていたからだ。
歩きながらステータスを開きスキルレベルを眺める。
ナイフ術はLv.6、回避もLv.6。光魔法はLv.4へと上昇しているので少し減ったHPを回復しておく。
「レラッセ」
アイテムボックスから携帯食料を取り出し齧った。相変わらずあまり美味しくない。
無心で食べながら暫く歩いていると草の匂いに海の匂いが混ざり始めた。僅かに波の音も聞こえる。トゥールの海辺が近くなってきたのであろう頃に鹿のモンスターに出会った。
[エステーナ Lv.7]
[エステーナ Lv.5]
大きなツノの生えた方がレベル7、耳の大きな方がレベル5。恐らく番だと思われるが、蹄で土を掻き威嚇してきた為ナイフを構えて向き合う。
ツノを使い突進してきたのを大きく避け左手に光魔法の準備をしながらその後ろ背を切りつける。
「レラッセ。…ッ!?」
準備できた魔法をもう1匹の方に定めて発動すると同時に足元へ出現した魔法陣から蔦が生え胴体まで絡みついてきた。すぐさまナイフで切ると簡単に抜け出せたが背後からツノで突き飛ばされる。
「ごほっ。ラティア。…なるほど、良い連携じゃん」
回復をしつつ体勢と呼吸を整え2匹の後ろへ回り込むように走る。バインドの魔法とツノによる物理攻撃。突進や詠唱による初動の遅さがデメリットだろうと予測し狙いをつけられないよう常に動き回ることにした。背後を取った時にはナイフ術で攻撃、他は威嚇を兼ねた光魔法で足を止めず耐久戦に持ち込む。こういう時は欲張らず、慎重に。
「…ふぅ。ラティア」
そこそこの時間を掛け無事に削り切った。解体ナイフを突き刺してから回復をし、アイテムボックスを見るとエステーナの肉が4つ手に入っている。モンスターの大きさで入手個数は変動するようだ。
「炎魔法を使えないのはきついな…」
辺りを見回すも大体のエステーナは2体で連れ添っている為、毎回先程のように時間を掛けることになるだろう。対策が必要だ。こちらから攻撃しない限り敵対しないようだし、戦い方を決めるまではエステーナにちょっかいを掛けるのは止めて兎狩りメインで採取しながら移動しよう。
ちょうど時間も日が落ちてきた頃でもあるし、夜にしか出現しないというボスモンスターの様子を見てから帰還することにする。
と、方針を定めたところでメッセージが飛んできた。
『未名称』
ウィル:暇なら奴等で狩り行こ〜!
ロウ:良いぞ。何処居る?
ハカセ:判断が早い。俺は生産中だからパス
アリス:今はギルド
ナーリア:南の草原
ザキ:じゃあ行ける奴は南門集合だな
ウィル:おっけー、15分後〆で!
時間まで決まったのでさっさと踵を返し街へ向かう。それなりに深くまで来ていたのであまり時間がないのだ。
若干早足で歩きつつ携帯食料を齧りながらステータスを確認しておく。光魔法がLv.5になっており進化出来るようだ。他の魔法とは違い光魔法は聖魔法と雷魔法の2ルートがある。どちらを選んでもスキルポイントを多く支払うことにはなるがもう一度光魔法を取得することは出来るので両方とも取得しようと思えば出来るが…よく組むパーティメンバーにはヒーラーもいることだしステータスはDAX振り、獣人なのでHPの伸び率も高めとなれば聖魔法を捨て攻撃一択というのもアリだろう。
ということで雷魔法へ進化。光魔法Lv.5が雷魔法Lv.1へと置き換わったところで南門へ到着した。




