波に暮れる
モンスターなんて言い方をするのはその動物が人の命を脅かすものである事を耳に分かり易くする為という話だけれど、却ってその危険性を薄れさせてしまう向きがあるのではないかと思い、受付嬢に尋ねた事があった。彼女は常の営業的な微笑みを一瞬途絶えさせ、声を潜めて囁いた。生死に係わる稼業である事を誇張すれば、若者が冒険者になりたがらなくなります。それでは都市の運営が立ち行きませんから、彼らには遊戯感覚でいて貰わなくては困るのです。冒険者になったばかりの私であるが、別に騙されたとは思っていない。ただ、もし同じ道を志す者がいるなら忠告したい。これより先、私達の生存は保証されていないのだと。
一幕 鉄の香りを選り分ける。
2025/05/10 14:23
二幕 嘘を付く日は飾らない。
2025/05/10 14:24
三幕 暁の境へ飛んでゆく。
2025/05/10 14:25
四幕 闇の中にも影が這う。
2025/05/10 14:25
五幕 靴が鳴ったら目を伏せる。
2025/05/10 14:26
六幕 羽を拾って筆にする。
2025/05/10 14:27
七幕 風に靡いた髪を留める。
2025/05/10 14:28
八幕 火が移る前に水を持つ。
2025/05/10 14:29
九幕 蝶が舞うなら花を差す。
2025/05/10 14:30
十幕 陽が暮れても波を打つ。
2025/05/10 14:31