w 宝探しは大人こども関係なく時間を使ってしまう
旧校舎の中は何十年間使われていないことを思わせないような綺麗さを保っていた。
渡り廊下の窓から見た校舎の暗い木材の色と、内側の白色と樺の木の色を基調にした明るい色はの取り合わせはシックで、私立の中学校と比較しても遜色ないほどの存在感を発揮している。
これまで旧校舎の前を通ったときに、壁や窓に傷やささくれが見えていたから、校舎内も壁が剥がれたりしていると想像していた。だが、見える限りの場所にはそのような箇所は見当たらないし、校舎としての機能が果たせなくなり使わないようにしているというわけではなさそうだ。
「来たのはいいものの、なにか目的を作っていたわけではないからな。噂話もろくに内容を知らないし、どうしたものか」
そう。ある程度目星をつけて来られれば良かったのだが、あいにく流れできてしまったからな。このまま手当たりしだいに教室まわりまくって遊ぶしかないか。
幸い、旧校舎はもう使われることはないだろうから、やりたい放題して遊ぶこともできる。さらに、軽く見た感じ机と椅子はそのままになっいるので、どこかにその時の生徒の忘れ物があるかもしれない。宝探し気分で教室を回ろう。
時間は無制限にある。というか、ただ授業をサボっているだけだが。
この後は、特筆すべき点はない。
ただ二階の教室を端から見て回り、ときに机の上に乗ってアスレチックのように走り跳び、ときにまっさらな黒板に残っていたチョークで意味もなく線を書いたりして、すべて回ったら三階へ、四階へ。後半は教室の中にはいるだけになった。
だらだら回っていたせいか、あと一つの教室を残して二時間近く使えた。
最後に回る教室の室名札は『二ノ四』と書いてある。東西に伸びる校舎の一番西ということもあって昼あとのこの時間は一番日光があたり、締め切られた教室はさぞ暑いのだろう。少し見たら反対側、一階の東側の教室でも行って涼むとするか。
そう考え、思いっきり扉を開ける。
音を立てて扉が横にずれる。直後、熱風とともに後悔が吹き付けた。
扉を開けなければよかった、と。
だって扉の先には、ばらばらに折れたり分解されたりした机と椅子が天井や壁の至るところに突き刺さり、床はまるで荒くれた波の動きを止め、そこにタイルを貼り付けたように波打った見た目をしている。ここまででも異常だが、まあ旧校舎が使われなった理由だとか、俺と同じように遊びに来たやつが荒らしただとかの説明をされたなら、完全ではないが納得できていただろう。
だが、目の前のこれは納得ができない。理解ができない。
立てるところが殆ど無いほど荒れたこの教室の中で、平然と佇む女子生徒が居るなんて。
落ちがつく場所が少ないので今回はだいぶ短めです。おそらく次が長くなるので楽しみにしておいてください。
前回、本文中に誤字&脱字&伝わりづらい文章を書いてしまうだけでなく、あとがきにまで誤字をしてしまって申し訳ないです。
今回もあるかもしれないので、その時は頑張って読んでください。
続きが読みたい! という方は、ぜひブックマーク等をお願いします。
批評もお待ちしております。




