聞いてしまった雨宮さんと一哉の秘め事
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数人のクラスメイトからの視線からにげた俺は廊下に出るも雨宮さんを追いかける理由がないため、とりあえず朝のSHRまで時間潰しに彷徨い歩き偶然曲がった角の先にある階段に近づくと、男女が喋る声が聞こえた。
「こんな誰も通らなさそうな階段で誰がいるんだ?」
人目のつかない場所にいるのは誰だろうと好奇心で足音を消して近づくと、2人の声が雨宮さんと一哉だとわかり階段下にある倉庫の死角に潜んで会話を盗み聞きしてみた。
「・・・・どうだった? 結衣ちゃん。悠人の反応は?」
「うん、やっぱり見られてたみたい」
「そっか・・ゴメンね結衣ちゃん。あの日、俺が声を掛けていなかったら良かった・・」
「ううん、一哉は悪くない。私が悪ノリで一哉と手を繋いじゃったから」
2人の会話を聞いてどう言うことなんだと考え、2人の話の続きが気になる。
「これから悠人とどうやって関係を修復させるかだね?」
「うん・・でも、今のままじゃずっと拒絶されると思う・・昨日、ファミレスでハッキリ言われちゃったし」
「キツイな、結衣ちゃん・・」
「我慢できず、泣いちゃった」
雨宮さんと一哉の話を聞いている限り俺が完全に勘違いして彼女を拒否っている感が半端ないけど、あの光景を見てどうやって勘違いできるのだろう。
「結衣、今は俺がずっとそばにいるから」
「一哉くん・・わたしは、この学校に来た悠人が好きなの。別れたくないの・・・・」
「わかってる・・アイツがこの学校に来た日に感じてた・・悠人を好きな結衣ちゃんのことは理解してる」
「ありがとう、一哉くん・・ゴメンねこんな私で」
「大丈夫。今は1番じゃなくても・・結衣が初めてを悠人じゃなくて俺にくれた・・・・それだけでも嬉しいんだ。俺が結衣が大好きなのは変わらない・・悠人が好きな結衣でも」
「もう、それは恥ずかしいから言わないでよ一哉くん・・あの日に優しくシテくれたの嬉しかったんだよ? でも、最初は痛かったんだからね?」
「ゴメン、結衣。俺も初めてで・・もう悠人とシテたと思ってたからさ。まさかアイツが手を出して無かったのを知ったら我慢できなくて・・・・」
2人の会話を盗み聞きしていた俺は、間違いなく結衣を一哉に寝取られた事実を突きつけられてしまった。それなのに結衣がまだ俺に好意を向けている意味が理解できず気持ち悪い。
「・・・・そこまでお前らの関係が進んでいるなら、俺を巻き込むなよ」
知らないところで結衣と一哉の関係が深まっているんだろうなと想像で終われば良かったのに、現実に2人から聞かされた感じになった俺は、多少なりともダメージを受けていたことを自覚する。
校内に設置されているスピーカーから予鈴のチャイムが鳴り響いたところで、結衣と一哉が階段を急いで降りて来て死角にいる俺の存在に気づくことなく廊下を走り過ぎ教室へと戻って行く。
2人が去ってからしばらく時間をあけてからゆっくりと教室へと戻り席へと座る直前の視界の隅で、窓際席にいる雨宮さんが見ている気がして顔を向けると、笑顔で小さく手を振る姿に苦笑いしながら手を振りかえした後は1回も窓際席を見ることなく今日の授業を乗り越えた・・・・。
「悠人くん」
「一条さん?」
「一緒に帰ろ?」
「俺と? 部活は?」
「今日は、なんかやる気しないから休みにしたの」
「そっか・・まぁ、別に用事無いし一緒に帰ろっか?」
「うん!! 一緒ににかえろー!」
予想外の展開で一条さんに帰るのを誘われた俺はカバンに荷物を押し込んでから立ち上がり、教室から出たところで何処かに行っていた雨宮さんが戻って来て鉢合わせになる。
「きゃっ・・悠人?」
「おっと、ゴメン・・それじゃ、雨宮さん」
「結衣ちゃん、バイバ〜イ」
「えっ? 葉月? 帰るの? 部活は?」
「部活は休むよ! だって、悠人と一緒に帰れるから! 結衣は、一哉くんと部活頑張ってー」
一条さんと雨宮さんはすれ違いながら言葉を交わす姿を見ながら、俺はあえて一条さんを名前で呼ぶ。
「葉月〜帰るよー」
「うん、今行くね悠ちゃん!」
一条さんを名前呼びすると彼女は中学時代によく見せていた笑顔を俺に向けて歩み寄ると、さりげなく左手を握る仕草に驚きながらも受け入れそのまま廊下を歩くと、教室のドアが叩かれた音が背後から聞こえ振り返ると雨宮さんが不機嫌そうな顔で立っていたのだった・・・・。
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