はじまりは突然に・・・・
アクセスありがとうございます。
懲りずにまた幼馴染寝取られ系シリーズを始めました。
「マジ・・かよ」
久しぶりに会うのを楽しみにしていたのに待ち合わせの駅のホームを歩いている時に届いたメッセージは、ドタキャンを告げる内容だった。
ショックのあまり返事ができず足の力が抜け切る前に近くのベンチに座り背中を頼りない背もたれに預け、届いたメッセージの画面をただ眺めて過ごす。
家の最寄駅の始発に乗ってこの駅に2時間かけて来たからまだ朝の8時前だと言うのに、久しぶりの生まれ育った街で俺は目的を完全に失ったんだ。
このまま帰ろうと考えるもここまで来た電車賃がもったいないと思い、街をフラついて帰ろうと決めて立ち上がり改札を抜ける・・・・けど、その先の待ち合わせにしていた噴水前に彼女の姿が無い事に意気消沈し無意識に駅前の公園にあるベンチに座っていた。
「はぁ・・・・」
何もしたく無い俺は昼飯も食べず陽が沈みかけた夕方にやっと、家に帰ろうと思う気力が出てくるほどのレベルまで心が回復した気分になる。
「・・・・帰ろっ」
力なく吐き出す言葉が抜けていく風に拐われ消えて行くのが見えるのを見送り背を向けて駅に近い公園出口から通りへと出た視線の先の車道を挟んだ歩道で信号待ちをする男女に視線が釘付けになり足が止まる。
「結衣・・一哉・・なんで?」
2人は楽しそうに恋人繋ぎをして身体を寄せ合い、信号待ちの退屈な時間を笑顔で過ごしキスまでしていた。
「そんな・・・・」
彼女の結衣が幼馴染で親友の一哉にあんな笑顔を向けていることにショック過ぎて、俺は気持ち悪くて一気に吐き気が込み上げ近くの自販機裏で吐き出す。
滲む視界の原因が結衣なのか吐いた苦しさからなのかゴチャゴチャな頭の中で今から追いかけ、一哉をボコボコにしてやろうと決めながら口を拭い、歩道を渡りきる頃の2人の姿を探す。
「・・・・・・いた」
少し離れた場所を歩く結衣と一哉の後ろ姿を見つけ、距離を保ちながら周囲の人の気配が少なくなったところで声を掛けて振り向き様に無警告で殴り飛ばそうとタイミングを伺っていた俺に追い打ちをかける光景が・・。
人の気配がが駅前より格段に少なくなった路上で、そろそろ一哉をブッ飛ばす絶好のチャンスだと思っていた俺の視野は狭くなっていたようで、ここがラブホ街だと気づいたのは2人が急に路地の角を曲がり姿を消した時だった。
「・・・・」
全てを見せつけられてしまった気分の俺は、この悔しい気持ちを吐き出すやり方がわからず再び駅前公園のベンチへと戻り寝転がり空を見る。
綺麗なオレンジ色に染まっている空に1本の白い線を描く飛行機雲を少しずつ滲む視界の中でずっと追っていた。
久しぶりに楽しみにしていたデートのため懐かしい街に戻って来た駅でドタキャンされた理由は、お父さんから受験生だから勉強しなさいと・・・・なのに実際は、親友と思っていた一哉とデートしていた。
「・・遠距離恋愛は長続きしないってホントなんだな。せめて、好きな人ができたって俺を振ってくれたら良かったのに。結衣、どうしてだよ・・・・」
暗くなっていく闇の世界に街の眩い光が照らされ、公園でさえ普通に過ごせる環境だからこのまま一晩寒い公園で過ごそうかなと考えてしまった。
さすがに失恋で公園に野宿して警察に補導されるのはダサくて親に迷惑がかかると思い諦めた俺は、懐かしい街並みを見て歩く事もなく今朝に失意の中で降りた駅へと思い足取りで向かう。
「・・・・先輩? 悠人先輩ですよね?」
駅前のコンビニ前で腹が鳴り、食べる気がなかった昼飯を食べようとコンビニでオニギリとお茶を買ってビニール袋を揺らしながら改札口を前に背後から呼び止められ振り返ると瞳がクリッと大きく見覚えのあるポニテ少女だった。
「・・・・咲希ちゃん?」
振り返った先には1つ下の後輩ちゃんで幼馴染でもある中学2年の咲希ちゃんだ。活発な妹キャラでポニテ以外の髪型を見たことが無い気がする。
「はい! やっぱり悠人先輩だ!! お久しぶりです」
「そだね・・咲希ちゃん、元気そうだね。それじゃ・・」
「へ? ちょっ・・ちょっと待ってくださいよ先輩!」
「咲希ちゃん、もう電車が・・」
乗る電車なんて決めてないのに咲希ちゃんから逃げようとするも、ズボンをギュッと掴まれ動けない。
「だから待ってください悠人先輩! お願いですから、こっち向いてください」
「いや、そろそろ電車が・・・・」
「先輩が乗る電車がまだ来ないこと知っていますから嘘つかないでください! ですから、私の顔を見てくださいよ先輩!」
「・・・・でもさ」
咲希ちゃんがグイッとズボンを引っ張りながらグルッと前に来て、正面から見上る彼女と俺の視線が重なると不安そうな顔をするのはなぜだろう。
「悠人先輩、やっぱり悲しい顔してます・・・・」
「そ、そうか? ただ疲れているだけだと思うよ?」
「そんなことありません・・わたし、ずっと小さい頃から見ていたんですから。結衣先輩と何かあったんですか?」
「それは・・」
「そうなんですね。後輩でも、私は女です・・お話ぐらい聞けますよ先輩?」
『ヴーッヴッヴッヴー』
咲希ちゃんのスマホが震えて電話がかかってきたようだ。
「咲希ちゃん、電話だよ?」
「・・親からの電話です。今は目の前の悠人先輩が優先です・・ほら、諦めて止まりました」
粘り勝ちした咲希ちゃんに今日ここに来た理由と落ち込んでいた理由を教えた俺を見上げて静かに聞いていた彼女は、背伸びをして俺の頭を優しく撫でてくれた。
「先輩、よく頑張りました・・」
「なんか、ゴメン・・ありがとう咲希ちゃん」
「いいんです。悠人先輩とクリスマスを一緒に過ごせないですが、高校受験応援しています」
「ありがとう咲希ちゃん。実は、向こうの高校入試は推薦で受けて、もう合格内定通知もらってるんだよ」
「おめでとうございます!」
「ありがとう」
咲希ちゃんの純粋に見せる笑顔が嬉しくて、凹んでいた気持ちは無くなり少しは俺も笑顔を取り戻せたような気がする。
「悠人先輩、私は学力が足りなくて先輩と同じ高校へは行けませんから地元の前崎高校を受験します・・・・本当は、高校でも先輩後輩の仲を続けたかったんですからね?」
「ゴメンね・・それじゃ、そろそろ帰るよ」
「はい、お気を付けて・・悠人先輩、寂しくなったらいつでも可愛い後輩に会ってくださいね?」
「またな、咲希ちゃん」
改札口で咲希ちゃんに見送られながら俺は電車に乗り2時間かけて家に帰り、中学3年の冬は家族以外と連絡を取らず静かに過ごして終わり春を迎え、高校1年生としての新たな生活が始まり友達も作れ楽しく過ごしていた梅雨の終わりに仕事から帰って来た父さんから聞かされた言葉に耳を疑ったのだった・・・・。
悠人達のこれからをお楽しみください。




