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前世の記憶-2

説明多めです


「おねえさま!つぎは?」

ギア-チョ(凍れ)

花瓶に飾られた一輪の薔薇を目掛けてローゼリアが魔法を唱えると、色も形もそのままの状態で薔薇が凍った。その瞬間赤い薔薇が窓から差し込んだ光を受けてルビーのように輝く。

「わぁ〜!きれー」

「おねえさま!つぎはなんですか!?」

「…ちょっと待ってね、ロンド」

(はぁー。何でこんな事になってしまったの…)


― ― ― ― ― ― ― ―


サネス王国建国史《建国後~初代聖女》

国が建国した当初は王族や建国に貢献した3代公爵家などに反発する人も多く、各地で紛争が起き国は荒れていた。そこから数十年が経ちやっと国が安定し平和になった頃、魔物の邪気が強まって凶暴化した。次は魔物の被害が国を襲うのであった。

魔物は邪気と言うものを持っている。それの強さと魔物の強さは比例していて、邪気が人間に触れると特有の病気になって最悪の場合死に至ることもあった。

普段の魔物ならば邪気が弱い。近くにいたり倒しても人に害はなく自然に浄化される。もし触れたとしても風邪をひく程度である。

しかし当時凶暴化した魔物の邪気は凄まじく国民にあらゆる被害をもたらした。

魔物から滲み出る邪気が漂って病気になったり理性を失って暴れる人もいた。又魔物に襲われ倒しても自然と浄化されないので、邪気が広がる悪循環。そして邪気を操れる『魔王』も現れて邪気は国中に広がり、国内は荒れに荒れて建国時の状態に戻り果ててしまった。

そんな中状況が一変する出来事が起こる。

カリアス家の初代公爵の娘が光属性から派生した聖属性魔法を使い邪気、魔物を浄化したのだった。そして聖属性魔法を使い『魔王』を追い詰め森の奥深くの塔に封印したのである。そして国中の邪気を浄化して回った。

最大の脅威だった『魔王』が封印され、邪気が消え国は平和を取り戻したのだった。

聖属性魔法はカリアス公爵の娘しか使えなかった為、人々から賞賛を浴びることとなった。

そして聖女と呼ばれることとなる。

ここに初代聖女が誕生したのだ。


それから約200年に1度魔物が凶暴化するのでその度にカリアス家から聖女が現れ浄化するのだった。


― ― ― ― ―― ― ―


魔法には火属性・水属性・風属性・氷属性・土属性・光属性の6属性がある。大体は1人につき1属性で稀に何種類もの属性を持つ人もいる。

その中でも光属性は数が少ない。ほとんどがカリアス公爵家の人だ。そのためカリアス家は代々聖女を輩出してきたのだ。


前世のローゼリアも伝統通り聖女となり魔王を倒し浄化するはずだった。しかし、何故が魔王を倒す前に返り討ちに会い死んでしまった。その後どうなったか、なんて知る由もない。

(私の他に前世の記憶がある人がいるのならどうなったのか、是非聞いてみたいものね)

そんな起こらなそうなことを思いながら魔法について考える。

聖属性魔法発現の絶対条件に光属性魔法を駆使して使いこなすことが求められる。そのため前世では光魔法の勉強に力を注いできた。

ならば光魔法を極めなければ聖女にはならない。

(そうだわ!確か私は光属性以外で使える属性があったはずよ)

ギアー(氷よ)

唱えると氷の結晶が手から溢れた。


その人が持つ魔力が強いと何種類もの属性を持つことがある。特に光魔法は攻撃魔法には向かないので光属性が多いカリアス家は光属性以外と、その他の属性を持つ人が多い。

(良かったわ。やっぱり氷属性の魔法も使えた!前世ではまったく必要なかったけど、氷魔法を光魔法より使えるようにしたら聖女は免れるはずよ)

魔力が多くないと2つの属性を持てないので氷属性も使いこなせるようになるだろう。などと考え氷魔法を唱えていたら、私の部屋を訪ねてきたロンドに見つかってしまった。魔法に興味を持ったロンドからおねえさま!もっと!とせがまれ今の状況に至る。

(それにしても、ロンド()を見ると本当に時間が戻ったことを実感する。髪と瞳が前世と同じ紫でエメラルドグリーンなんだもの)

お母様と同じ瞳だけどそれよりも真ん丸で可愛らしい。

(ロンドごめんね…今更なのは分かってるわ。今世ではいじめたりなんか絶対しない。だってお母様とお父様に心配して貰えて少しだけど愛されてるのが実感できたの。それになんと言ってもあんな死に方は嫌!

だから…可愛らしいあなたを好きになれるように頑張るわね)

ローゼリアの魔法を見てキャッキャッと楽しみ瞳をキラキラさせて私の方を見上げる可愛らしい小さな弟に今までの謝罪とこれからの意志を掲げながら前世では向けられることが無かった、純粋な満面の笑みを向けた。




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