お茶会―1
「ふわぁ〜」
起きなきゃと思い重たい瞼をゆっくりと開く。
(うぅ、眠い。あとちょっと…だけ…)
トントン
睡魔の誘惑に負け寝ようとしたらノック音が聞こえる。
「だ、れぇ」
「おはようございます。お嬢様、まだ寝ておられるのですか? 今日は楽しみにされていたお茶会ですよ。」
「楽しみすぎて寝れなくて今眠いんだけど、」
「何か仰いましたか? 支度するので入りますよ?」
ボソボソ呟いた声は聞こえてないのか返事する間もなく扉を開けて入ってきた。私はベットに寝そべったまま挨拶する。
「侍女おはよう。いつも以上に可愛くしてね、よろしく」
「はい…可愛くしましょう」
ウララは私専属の侍女。
フワフワの黒髪ミディアムヘアーが似合う少しクールな顔立ち
可愛いというよりかは美人って感じだ。見た目や年齢は若いけど仕事は一流で皆から頼りにされてるって聞いたことがある。
私は、いつも怒られるし厳しいから正直好きじゃない。でも服とかのセンスはあると思うし、その辺は全部任せてる
(だって自分で選ぶのが面倒なんだもの。それに私は何を着ても似合うから自分で選べないわ。まあ、文句言われないし良いわよね?)
私、ローゼリア・カリアスはカリアス公爵家の長女。兄弟は弟が1人、弟が生まれてからお父様もお母様も弟ばかりで私を構ってくれなくなった。だから弟とは仲良く出来る気がしない。
…まあもし将来、弟が王子殿下と仲良くなるんだったら、仲良くしてあげても良いけど?
「お嬢様、準備が整いました。」
「えっ、もう?」
どうやら色々考えてるうちに優秀なウララが何もかも用意してくれたらしい。
「王子殿下に好かれるため、いや殿下の婚約者候補になる為に張り切って行くわ!」
言うのと同時に立ち上がり家の外で待機している馬車へと自信満々に向かう。
「はぁ……6歳であんなんだったら先が思いやられるわ…」
思いため息とともに吐き出された声に気づかないまま。