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酷評

ジリリリリリリリリリリ

大きな音の目覚ましで目を覚ます

目を覚ました俺は家族と朝食をとりリビングでテレビを見る、が心はずっとソワソワしている


(凛さんからの返事遅いな…)


そう思いながらダラダラと過ごし

昼を過ぎた頃にブーブーとスマホが鳴った


「来たっ」


凛さんからは見えないだろうが俺は正座した


「先生、お疲れ様です。」

「凛さん、お疲れ様です。」

「先生が昨日送ってくださった原稿、拝見しました。」

「どうでしたか?」

「前半の勇者が国を裏切る所はよかったです。」

「おお!ありがとうございます!」

「ただ…」

「ただ?」

「ここからは一緒に原稿をみていきましょう」

「分かりました」


俺はPCを付け原稿に目を通す


「まずはここ、勇者が魔王の服を脱がす所です。」

「ここからですか!?」

「はい」

「どこかおかしい所ありました?」

「では見ていきましょうか」


---俺は魔王の服を脱がすと同時に胸を鷲掴んだ---


「先生はムードという言葉をご存知ですか?」

「ここそんなに悪いですか?」

「ええ、服を脱がされた瞬間いきなり胸を鷲掴みにされると正直引きます。」

「えぇ…」

「次はこの胸を揉まれた魔王のとこです。」

「変なとこあります?」


---俺に胸を鷲掴みにされた魔王は甲高い声で喘ぐ「うわーすごいなこれ、これすごいわ、うわーこれすごいこれすごいわ」---


「なんですかこれ?」

「かわいい魔王が気持ちよくなってる所です。」

「私がこの台詞から想像できるのはかわいい魔王ではなく電気風呂に入ったおじさんです。」

「えぇ…」

「次は魔王が喘いだ後の勇者の所です。」

「そこもですか!?」


---魔王の喘ぎ声を聞いて俺はこう続ける。

「ソイヤソイヤまだまだ終わらんぞ〜ソイヤソイヤソレソレソレソレ」---


「祭りですか?」

「え?」

「この男はは祭りをしているのですか?」

「いえ、魔王が気持ちよくなってるので勇者にまだまだ行くぞ的なセリフを言わせただけです。」

「そうですか、先生は今後ソイヤ禁止でお願いします。」

「わかりました…」

「次は最後のところです」

「これは最後のとこなので気合を入れましたよ!」


---「あ〜これなんか出るわなんか出るわ」


魔王が言う


「ソイヤいいぞ出しちまえ!我慢は体に毒だからなぁ!」


俺も続く


「あ〜〜〜〜〜」


ドドーーーーーン!!!!


「でやんでいい!!!」---



「花火でもあげたんですか?」

「いえ、最後どうなるか分からないんで取り敢えず派手に終わらしました。」

「派手の方向を間違えてます。」

「すみません。」

「先生、これを見てエロと感じる人は一人もいません。」

「一人もですか!?」

「全てが並以下です。」

「そんな…」


膝から崩れ落ちる


「先生がここまでエッチな描写が下手だとは思いませんでしたよ。」

「面目ないです。」

「これではヒットは無理ですね。」

「そんなぁ」

「……しましょう」

「え?」

「修行しましょう、先生。」

「は?」


電話越しなので確信は持てないが、凛さんがニヤリと笑った気がした。

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