完成!
凛さんとの打ち合わせの結果、俺の新作のタイトルは「異世界転生者して勇者になったので、魔王討伐のため旅に出ました、しかし魔王様が超絶可愛かったので国を裏切って魔王様を気持ちよくさせる仕事に就いちゃいます」になった。
「えっと…どこまで書いたっけ?」
俺は下書きに目を通す
ちょうど勇者が初仕事を行うため魔王の服を脱がせたところまで書いていた
「ああここまで書いてたのか、我ながら感心だ」
俺は続きを書こうとキーボードへ手をやるが
ひとつ大きな壁にぶつかった
「困ったな、女子に触れる時、最初はどこを触るんだ?」
女性経験が無いため俺の手は一文字も打たずに止まってしまった
「まあとりあえず胸でも揉んどけば大丈夫だろ」
カタカタカタカタカタカタ
書いている途中またひとつ大きな壁にぶつかった
「まいったな、胸を揉まれた時女子はなんて言うんだ?」
女性経験が無いためまた俺の手は止まってしまった
「まあとりあえず喜ばせておけばいいか。」
カタカタカタカタカタカタ
また大きな壁にぶつかった
「うーん、女子が喜んだ時男はどんな言葉をかければいいんだ?」
俺の手が止まる
「まあまだまだ行くぞ的なこと言わせとけばいいか。」
カタカタカタカタカタカタ
大きな壁にぶつかった
「あーこれ最後はどうすればいいんだ?」
手が止まる
「まあ凄いことになるんだろうし凄い感じにしとけばいいか。」
カタカタカタカタカタカタ
原稿が完成した時には夜になっていた
「時間は掛かったけど完璧な仕上がりだ…!これはいけるぞ!」
早速凛さんに完成したものを送る、後は返事を待つだけだ。
バァン!と勢いよく扉が開く
「お兄ちゃん朝ごはんも昼ごはんも食べてないけど大丈夫なの!?」
「未来!だからノックしろって!」
「ごめんね!でもご飯食べてないから心配してたの」
「そう言われたら怒れないな…時間は掛かったけど今終わったよ」
「じゃあ夜ご飯食べよ!お母さんも心配してるよ!」
「わかった、すぐ降りるから先降りてて」
「うん!!」
バァン!と勢いよく扉が閉まる
「さてと」
俺は降りる前にPCの前で祈った
「いい結果が返ってきますように」
きっと明日返事が来るだろう、俺はワクワクしながら部屋を出た