表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
~八年の歯車~今動き出す  作者: 辻野海夜
6/7

最終話

手紙から3日後。

八代さんは出所した。八代さんの目の前には車があり、中には男性が乗っていた。


「やあ、八代久しぶり。元気にしてたか?」


「ああ、長かったよ。まあ、お前が裏切ったことは忘れてないからな」


「まあ、俺はとりあえずサツから逃げることにしとくわ」


といい男はアクセラを踏み出発しようとした。

しかし、その瞬間車の前に2人の男女が立った


「あ!?おい!そこのカップル邪魔だどけ!」


しかし、その2人はそこから退こうとしない。そして、その後ろには八代さんの担任だった人、事務員の人が後ろにならんだ。


「これはどういうことだ?」


「まさか君からこっちに来てくれるとはね」


目の前にいた女性が話し始めた。


「私達は真犯人のあなたを捕まえに来た。ねぇ?そうでしょう?真犯人の神谷のお兄さん!」


後ろの人たちがざわつき始める。

「え?」

「あの?神谷さんが?」

そして、車の運転席から男性が降りてきた。やはり、神谷のお兄さんだった。


「いやー、心外だな。僕は元々彼と仲良くて今日は迎えに来ただけさ」


「それも、建前ですよね?私達があなたが真犯人と言う証拠を持ってきました。それをお見せしましょう。」


そして、明石と葉山は鞄から沢山の証拠を出した。


「事件の花についてです。これは、最初何を表してるか分かりませんでした。しかし、今は便利ですね携帯があるのですから。調べたところ、これは全て花言葉でした。

まず、一つ目の牧野さんの事件の『赤色のアネモネ』の花ですが、あれは『君を愛す』でした。しかし、牧野さんがなくなる前、あなたの妹さんは付き合っていましたが、別れていますよね?仲が良かった新田さんに聞きました。このアネモネですが全体の意味としては『見捨てられた、見放された』と言う意味があります。妹さんはショック受けたんじゃないでしょうか?そして、あなたはこの事件を計画した。

そして、二つ目の『ムスカリ』ですが、これは『失望』です。秋田さんはあなたの妹の担任でした。しかし、いじめを対処せず妹が亡くなった。それに対してあなたは秋田さんを殺した。

そして、最後のマリーゴールドは『友情』の意味がありますが、これも反対に『別れの悲しみ』と言う意味もあります。あなた、この後、八代さんを殺そうとしたんじゃないんですか?自分が犯人と口外する前に」


「確かに辻褄が合う。それでも、僕が殺したと言う証拠は無いでしょう」


「八代さんの誘拐」


「くっ...」


「それが何よりもの証拠です。この事件の2ヶ月前空き巣がありました。それも、仮面を被った。私達は新田さんの所にもう一度会いに行き、八代さんが仮面を被っている写真をもらいました。

その後、資料捜査に残っていた仮面の似顔絵と照合しました。結果は99%一致しました。

昔、中国の催眠に面白いものがありました。人間の心理で軽い犯罪から始め、それを段階的に上げても罪の重みがなくなると。それを利用し何回も空き巣をし、八代さんを洗脳した。

そして、何よりの手がかりがあなたの妹さんの死でした。このおかげで当時のあなたの家を見ることが出来ました。その中にあなたの靴底と事件に残っていた靴底の跡を照合したら、結果一致しました。これで、言い逃れはできませんよ」


「はあ、全部サツのお見通しか。俺の敗けだ」


そう言い高笑いする神谷さんの手にそっと手錠をかけた。

後に話を聞くと、私達の推理は合っていた。当時、親が共働きで帰りが遅く唯一の支えが妹だった。その妹が死んでしまい恨みをもった神谷の兄は殺人を始めた。八代さんの逮捕も計画通りだったと。いわゆる捨て駒だと言うことだ。元々あのまま放って置くつもりだったが、私達が再捜査を始めたせいで八代さんも殺す計画を立てたらしい。

そして、花を送った理由は妹の花好きだったので、その証としてしたことらしい。


それから1週間、2人の捜査本部は解体となった。


「何か悲しいね。短いようで長いような」


「そうですね。明石さんの推理があってこそでしたね」


「あら?よく言うじゃない。私が詰まっていたときヒントをくれたのはあなたでしょ」


「そうでしたっけ?」


その通りだ。あたしたちが一週間色々な証拠をあさっていたが、壁にぶつかることが多かった。それでも、葉山は事件の真相が見えてるかのように私にヒントをくれたのだ。だから、この事件は解決できた。


「僕はまた明石さんと同じ捜査ができることを楽しみにしています」


「その時はもっとこき使ってやるんだから」


「それは大変ですね」


と、笑顔で葉山は言う。

そして、小さな2人の本部は閉館となった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ