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~八年の歯車~今動き出す  作者: 辻野海夜
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第四話

私達は新田さんの話を聞いたあと、警察署に戻った。

今回の聞き込みでも得た情報は少なからずあった。それでも、事件の真相にはたどり着くことが出来ない。

それから、私達は八代さんの事件が起こった日に近い事件を探し、この事件と何等かの関係性がないか調べることにした。

結果、この事件が起きる前に2つの事件が近くであった。

一つ目は八代さんの事件から4ヶ月前、近くで当時大学生になり始めた女性が風呂の中で死体となって見つかった。

名前は神谷 七海。八代さんの大学の近くに在校している生徒だった。当時神谷さんは学校内でいじめを受けており、その結果うつ病となった。何回か自殺を試みて、縄で首を絞めたりしたが兄によって失敗することが多かったらしい。

しかし、その日は家族も残業で兄も家にいなかったときに浴槽で自殺したのを兄が発見し通報した。

そして二つ目は事件から2ヶ月前、近くの住宅街で空き巣が発生した。

被害にあったのは4件、被害総額は300万円だった。最後の家で空き巣をしていたとき、家主が帰ってきたその現場を目撃した。2人は男性の体つきで仮面を被って顔を隠していた。

この二つが事件の真相に近づけば良いのだか。


「そういえば、先輩。この二つ目の事件の仮面ってあの八代さんのに関係してるんじゃないですか?お面被ってますし」


「確かに、そう言われればそうだな。でも、そんな2人が手を組んで空き巣をすると思うか?」


「僕は絶対嫌です」


「なら違う可能性が高いな」


まあそう推測するだろうが、彼女にも疑問があった。八代さんはあの監禁の間に性格が変わった。それなら、犯人と手を組みこのようなことをするかも知れない。それでも、彼女は信じたくなかった。


「それと、この一つ目の事件のお兄さん、あの学校にいましたよ」


「え?誰なの?」


「僕が話した後先輩トイレ行きましたよね、その後に僕と同い年くらいの人見つけて少し話してたんですよ。凄かったですよ、まじのシスコンでしたから

明石は口を開けて呆然とした。

(まさか、あれがお兄さん?え?嘘)

頭が追い付かない。それでも、偶然とはいえそれはラッキーだった。その後、2人は日が昇るまで部屋で事件の真相を掴むため沢山の話をした。

しかし、事態が急変したのはその1週間後だった。警察署に一件のメールが届いた。マリーゴールドの花と共に。

そして、手紙には

「八年の歯車が動き出す」

とだけ書かれていた。つまり、あの事件がまた動くという証拠だ。

その日から警察署は慌ただしくなった。しかし、今さら彼らに出きることは無い。この一週間彼らはただただ平凡に過ごしていた訳ではない事件の真相を掴んだのだから。

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