プロローグ
私はいつもこの部屋で一人だった。
今から四年前、私、明石 香蓮は長年の夢だった警察官となった。
私は昔、柔道を習っていたのでこれを活かすために捜査四課(通常、暴力団等の取り締まり)に入りたかったのだが、結果は捜査一課(殺人や強盗)に所属することになった。
更に私が部屋で一人なのは理由がある。この警察署は他の警察署に比べ特別な部分があるのだ。11階建てで部屋も沢山あるため、担当する事件で部屋が分かれるようになっている。
私が今担当しているのは約八年前の事件だ。私が警察官になる前にこの事件が報道された。とても凶悪な事件で半年間はこのニュースで持ちきりになる位だった。それから一年後に犯人は捕まり事態は収束に向かった。
しかし、私が警察署に入ったあとこの事件の調査調査資料を見ると矛盾する点が色々あった。
私は、この事件の真相を確かめるために自ら上司にお願いをしてこの事件をもう一回、たった一人で担当することになった。
初めは張り切って頑張ったが昔の資料だから限られた情報でしか考えることが出来ない。
そんな日が早1ヶ月過ぎようとしていた。
しかし、そんなある日私のとこにある人が入ってきた。
「初めまして、今日からここに担当になりました、葉山と申します。よろしくお願いします」
「は、はぁ。こちらこそよろしく。」
見た目は若くチャラい感じの男だった。
しかし、こんな彼が事件の真相を解明するエキスパートとは未だ私は知らなかった。