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夢幻、戦えゆうしゃち○こ

 絶世の美人、それも金髪、褐色、赤毛、銀髪、ありとあらゆる男の好みを揃えたであろうその空間で僕は勃たせることができなかった。

 でも、そんなの当然だろう……!? 誰だって初めては好きな人とが良いはずだ、それを種馬のように孕ませろだなんて!


 だが、彼女たちはそんな僕の葛藤をお構いなしにおったてようとしてそれができないと知るや

 役たたずと罵って去っていった。

 こんなに悲しいことはない。


 僕に自由はない、裸にひん剥かれた上で椅子に縛り付けられたからだ。両腕も後ろ手に縛り上げられ、大事な所を隠すこともできない。

 僕はそんな体勢の中、首を傾けて自分の息子、勇者チンコに話しかけた。

「なあ、お前も初めては好きな人とがいい……、そう思うだろう?」


 勇者チンコが僕の意を解したかは分からない。ただ、横にうなだれた勇者チンコは肯定したかのように見えた。


 何時間か経ったであろうか、やはり美人が僕の前に現れひざまずいた。

「勇者チンコ様のご尊顔に拝謁の栄に浴し、真、光栄の極みに存じます」

 新たな美人は僕の方に近寄ると勇者チンコを思いっきり引っ張り上げた。

「いだあだだだだだあだ!! とれる!! とれてしますます!!」

 だが、勇者チンコはうんともすんともいわず、巌のように頑として立たなかった。

 勇者チンコ……、彼も無理矢理こんなところに連れてこられて腹が立っているのであろうか?


 美女たちは肢体が露な服装のまま集まると何かひそひそと相談し合っている。

 何か結論が出たのであろうか?

 一人の美人が進み出るとこう述べた。

「勇者チンコ様、手荒な真似をして申し訳ございません、かくなる上は我々一同、奮って勇者チンコ様を勃たせたいと存じます」


 勇者チンコは語らない。ただくにゃりとうなだれた姿勢に彼女らはどう感じたかはわからなかった。

 ただ、勇者チンコを勃たせるために彼女たちは様々な魅惑的なポーズを取り始めた。

 ただし、僕はそっぽを向くことは許されなかった。

「お前も見るんだよ! 勇者チンコ様に失礼だろうが!!」 

 横っ面を張られてしまった、ひどい。


 だが、何十人もの美人たちによる蠱惑的な舞いやしぐさにも勇者チンコは沈黙を守った。

 その様はお前たちなどでは勃たぬ!!と言わんばかりである。

 僕も苦戦する彼女らに対していい気味だと笑顔になる。また打たれた、ひどい。


 彼女らは試みを変えた。

 僕の拘束を解き、何か円柱の物体を僕の後ろの方へと入れ始めたのだ。

「痛い痛い痛い! そこは出すところだからやめてええええ!!」

 僕の叫びを美人たちは一向に気にも留めなかった。ただ、ずぶりずぶりと僕の尊厳汚されてしまった、こんなのひどすぎる……!!


 それからも美人たちの試みは続いた、が勇者チンコはがんとして勃たなかった。

 僕は憔悴しきっていた。

 限界を超えたある日、勇者チンコはとうとう目覚めた。

 23センチを越える雄雄しき姿を美人たちに見せつけたのだ。


 ごくり、誰かのつばを飲み込む音がする。

 それは誰のものであったであろうか。

 美人たちの一人が勇者チンコを飲み込むべくにじり寄ってきた。


 途端、勇者チンコは意思を持ったかのように動き、美人の頬を横薙にした。

「きゃあ!」

 吹っ飛ばされた美人は信じられないような顔をする。

「うそっ……、勇者チンコがどうして私たちを拒むの!?」


 すると、今まで何も語らなかった勇者チンコが語り始めた。声が頭の中へ直接語りかけてくる。

「この男、山田勇気は我が半身、我が半身を粗末に扱うものにどうして我が力をさずけようか!?」

 勇者チンコは怒っていたのだ。

「勇気、ここまでよくぞ耐えしのいだな、その胆力は如何なる者にも打ち破れまい」


「勇者チンコ……」


「さあ、勇気、帰ろう、そして、このふらちな女共を蹴散らすのだ!!」

「ああ、分かったよ!」


 振り回される勇者チンコに美人達はおののいた。

 あるものは勇者チンコで叩かれ、なぎ払われる。

「勇者チンコ様! お静まりを!!」

 だが勇者チンコは聞く耳を持たなかった。

「黙れ! 私は貴様らの成すことを全て見ていたのだ!!」


 勇者チンコと僕はそのまま女達をけちらすと空間を勇者チンコで切り裂いた。


「お待ち! 勇者チンコ様! どうかお戻りを!!」


 僕はさっとその空間を抜けると空間の裂け目は僕が通った段階で閉じられてしまった。

 僕は元の6疊の自分の部屋にいた。僕はあの空間から帰れたのだ。


「勇気……、励めよ」

 勇者チンコは最後にそう語り、それっきり言葉を発することはなかった。

「勇者チンコ……、僕頑張るよ!!」

 そう決意を露わにした山田勇気の眼前には見上げるような青空が広がっていた。


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