part/seven ロケット花火最強説浮上?!
イッヤッホウ!
「……お前誰?」
「俺はお前の左手だ」
「は?」
何言ってんのか分からん。
しかし大事そうなのでもう少し聞いてみる。「お前、ここで何をやってんだ?」
「もちろん、雑誌ゲフンゲフン、あなたの左手の管理だ」
「嘘は体に良くないぞ」
「おほん!ともかく、私は貴様に、ヒントを教えてやろうと思っている。貴様は魔法は使えるか?」
「使えるわけねぇだろ考えろカス!」
「ウギァァァァァァ!!!!」
「使えたら今にでも空飛んでるよ!」
「こうなったら、そこに落ちてるロケット花火を使え!火は……頑張って付けろ!じゃあな!」
ポワン。
軽い音とともに、俺の左手?は消えた。
そして夢が覚めてゆく。
「ってて、ここは?ってナノア!」
大声で叫んでみるが聞こえた様子はない。「そう言えば左手がなんか言ってたな、確かロケット花火がどうのこうの……これ、ロケット花火だよな?」
とてつもなく古びていたがまだ使えそうだ。
問題は「どうやって火をつけるか、だな」
俺は周りを見渡す。そして見つけたのが「肉だ!これでおびき寄せて、打っ放す!」
そして俺はドラゴンのいる方向へ肉を投げた。
すると、グォォォォォォォ!!!というとてつもない咆哮を発し肉を拾いに行く。
「今だ!」
俺はそう叫び、ドラゴンに必死に近づく。が、俺はどうやって火を付けるか、を、考えていなかったのだ。
「ん?確かドラゴンって火を吹くよな?おれはそれにやられたわけだし。てことは──」そう、火を吹いてもらえばいいのだ。
「さっき吹いた時は俺が剣を向けたから、なら!」そう言って剣を取る(厨二病患者のポーズで)するとグギャァァァァァァァ!!!!
お見事!警戒してくれたようだ。
「これで火を吹いてくれれば!」
俺はロケット花火の導線をのばしドラゴンの口に出来るだけ近づける。
それを見たドラゴンはこの導線を呑み込もうとする。それを見た俺は今だ!と言わんばかりに神器の技を使った。
「神器解放技!ヴァニッシュオブロード!」これに当たるとその物体は自ら消滅の道を歩む。
まさに今ドラゴンに向かって……あ。
何?あのドラゴンの大軍?
俺、無理だお。
帰る!
俺は足をバタバタ動かし、逃げた。
「はぁ、はぁ、振り切れたか?」
汗だくのシャツを煽りながら後ろを見る。
どうやら警戒しているようだ。
しかし、ゆっくりしている暇はない。
一刻も早くナノアを救わねばならない。
その為にはまずロケット花火に火をつける必要がある。
そこで一旦、ナノラに通信をとる。
「おい!ナノラ!お前、チャッカマルみたいなの持ってるか?!」
「え、えぇ、持ってるけど」
「今すぐここにおろせ!俺の場所は降下地点のすぐ横の草むらだ!」
「わ、分かったわ!けれど、何をしたらこんな大軍に襲われるのかしら?」
「いいから早くしろぉ!」
俺は、落ちてくるチャッカマルをキャッチした。
「36、いや、37はいるな。真ん中の一際大きいヤツがボスだとすると、最短ルートでロケット花火を飛ばさないと避けられるだろう。
でも、これ以外に方法はない。
「やるしかない!」
俺は覚悟(物理)を決め、草むらから駆け出す。その瞬間草原にいたドラゴンがいっせいにこっちを向いて火を吹いた。
「あっつ!っ!幾ら何でも多すぎやしねぇか!?」
俺は、ボスまでの最短ルートを走る。
ボスまで後少し。
「今だ!」
チャッカマルのスイッチを押し、ロケット花火に火を付ける。
そして花火の進行方向をボスへ向ける!
「行っけぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
ボゴォォォォォォンンン!!!!!!!!!!!!
凄まじい爆音とともに周りのドラゴンが一斉に驚き逃げ出した。
しかしボスドラゴンだけは、目線をしっかりとロケット花火に向けている。
「当れぇぇぇぇ!!」
俺はロケット花火のスピードを後押しするようにそう叫んだ。
するとグェェェェェェ!!!!!!!!!!!!
ドラゴンの腹に当たり、大爆発を巻き起こした。その時、ナノラから通信が来た。
「どうした?」
「……ナノアが、ナノアが」
「?」
「ナノアが死んだ!」
「この人でなし!馬鹿野郎!やめろ!俺達も消えるだろ!」
「まぁ生きてるの知ってるんだけどね☆」「俺の心配を返せ!」
この後、ナノアを見つけたが、服がボロボロで見れば見るほど、いやらしい気持ちになった。
「ナノラ、このドラゴン、どうすればいいんだ?」
「手なずければ?」
「出来るかなぁ」
「さぁ、やって見ないとわかんないんじゃない?」
なんつー人任せな?!まぁいい。
「じゃあ、まず、グリムクレイツに乗せろ」「うーん、乗るには乗るんだけど、格納庫に載せるしかないわね」
「それでもいい。
乗せてくれ、このドラゴン、スゲェ気に入った。俺の相棒にしてやる!」
そう言ってドラゴンの手当を施した。
「それとさ、次はどこに行くんだ?」
「カクヨムかな、あそこに強い反応があったから」
「カクヨム?!って事は!」
「どうしたの?」
「いや、カクヨムで最強キャラ決定トーナメントをやるから出たくて」
「へ~、なら出てくれば?」
「サンキュー!ナノラ!」
俺達はグリムクレイツにドラゴンを乗せ、カクヨムへ向かった。
続く
最後まで読んでいただきありがとうございます。次話かで次第また読んで欲しいです。