Part/Eleven お前を...殺す!
無!
神殿の作りはとてつもなく神秘的で、そのうち輝き出すのではないかなどと思ってしまう。
「おい、ここのどこに向かえばいいんだ?」「神殿の奥よ!」
「はいなのです!」
所々に不自然な凹みや、黒い跡があるが、あまり気にせずに進む。
「お、あれか?」
「あれなのです!」
先に見えるのは恐らく、ホール的なものだろう。
そのホールの中央には小さい武器が五本刺さっていてそれぞれ別の形をしているようだ。
「よし、神器の素を……無い?!」
「ウソ言わないでほしいのです」
「バレたか」
軽く冗談を言いながら神器の素をはめていく。
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2
3
4
5
「よし!これで全」
部、俺が言い終わる前に奴は行動を起こしていた。
「は?」
俺は胸元から一直線に伸びる1つの剣を見る。
「グハァ!ッアァァ!」
身動きが取れない俺に奴はこう言った。
「死ね」
こんなにも単純でわかりやすい言い方があるだろうか。
俺は聞いたことなかった。
だがしかし、何故か俺は死んでたまるか、と言わんばかりに動く体を起点に、剣を引き抜こうとしていた。
「フッ、抵抗するか、ならばそれ相応の殺し方をしてやる」
「…んで…死んで、死んでたまるかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
そう叫ぶとすぐに振り返り、手から生成したヴァニッシュすぐに突き立てて、相手の攻撃を凌ぐ。
しかし、相手の方が1枚上手だった。
「グハッ!」
「残念だな、お前はここで終わりだ」
「終わって…たまるか!クッ!」
攻撃しようにも、手足に力が入らずヴァニッシュを落としてしまう。
奴はその隙を見逃さなかったのか、落ちたヴァニッシュを蹴り飛ばし、俺を吹っ飛ばした。
「お前は死ぬ運命だ!いやぁ、愉快愉快!こんなに清々しいことはあるかね?」
身の危険を感じたのかすぐさま隠れたナノアに、逃げろ!と伝えようとしたが、喉が掠れて声が出ない。
「そう言えばもう一人いたな、確かここに隠れたはず」
「ひっ!」
「ナノ…ア!逃…げろ!」
かすれた声を精一杯出すも、ナノアに聞こえなかったようだ。
「ふーむ…殺すか☆」
ザシュッ!
1突きで心臓を貫いた、そんな音だった。
「がぁぁぁ!うぅ!」
ナノアは息を吸えずに、ずっと喘いでいた。
「あぁ、はぁ、うぅ、かはぁ、うぁ」
「ナノ…ア?!」
どうやらナノアは、何かを言おうとしている様だ。
「ナノア!」
「……ルト、一緒に旅が出来て……かった、のです、だから……ないで、ほしい、のです、私は、……の事が……だよ……」
そう言って首をがくりと落とした。
俺は、とてつもない怒りが心の底から湧き上がった。
「よくも、よくもナノアを!殺す!絶対に!コロス!」
そう言うと遠くに蹴り飛ばされたヴァニッシュを一瞬で引き寄せ、左手でキャッチする。さらに右手の武器、コンべーションを生成し、二刀流になる。
「お前を殺す!例え刺し違えてでも殺す!」
神殿の鐘の音が高らかに響いた。
続く
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