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美少女モデルは男子高校生!?  作者: 片霧 詩悠
8/8

モデル初心者~8~

10月8日に手直しを致しました。

まだ読んでない方には関係ありませんがもう読んだよ!という方はもう1度確認していただけると嬉しいです。

トイレを済ませ携帯で永井に何処にいるかを聞くと食堂にいると返金が来た。

食堂は一旦靴を履いて移動しなければならない。

一応、廊下となっているが靴は履いた方がいいだろう。

凛は下駄箱に靴を取りに来ていた。


「えっと……中条くん?だっけ。ステージ、似合ってたよ」


ちょうど巻乃さんも靴を取りに来ていたようだ。


「あ、ありがとうございます。ま、巻乃さんも凄かったですね」


そう言いながら凛は顔を逸らして靴を取り出す。

だが上履きはしまわない、廊下を渡ったらまた室内だからだ。


「ああ……正直言うとちょっと困るんだよね、私はみんなのアイドルみたいなキャラじゃないし……」


「そうですか?巻乃さんもあの2人も凄かったですよ」


「あ、ありがとう。あの二人は凄すぎて届かないよ……。それより呼び方だ。巻乃って呼び捨てで構わないぞ……同級生なのだし……」


巻乃さんの耳が少し赤くなっていたが強引に話題転換して誤魔化そうとしていた。

まぁ、凛はそんな事には気づいていなかったが……


「……分かりました。えっと、巻乃……」


(何これ!?めっちゃ恥ずかしいんだけど……正直、今まで女子とあんまり話したことなかったし、名前で呼ぶなんて……顔が、熱い)


「お、おう。何だか照れるな……」


巻乃さんも耳が赤くなっていた。


「あの……僕の事も名前でどうぞ……」


「分かった……り、り」


「あーいたいた!凛、遅いぞ〜って、なんかまずかったか?」


巻乃さんが名前を呼ぼうとした時に永井が気を配って様子を見に来てくれたのだろう……

結果的には邪魔する感じになっちゃたけど……


「何でもないぞ!それではり、中条くん、また次の機会に」


「はい、決勝頑張って下さい」


巻乃さんは食堂に向かう。


(あっ、靴忘れてる……)


「あっ、あの!巻乃さん、靴」


巻乃さんはピタッと止まるとこちらに戻ってきて無言で靴を取ると「では、」と言って食堂に行ってしまった。


顔が赤くなっているのが見えた。

凛が気づくのだから相当恥ずかしかったのだろう……


「おい、凛。お前って巻乃さんと仲良かったっけ?」


「え?いや別に……さっき会ったばっかりだけど?」


「そうか……気をつけろよ、巻乃さんのファンクラブの人に襲われないように……冗談だって」


「こ、怖いこと言うなよ……」


永井はふざけて笑いを誘い、凛はそれをまじで受け止めて深刻そうな顔をしていた。


◇◇◇


食堂につくと華巫女さん達が先に座って昼ごはんを食べていた。

華巫女さんは手作り弁当を食べていた。


「先に食べちゃった……ごめん」


橋野さんが謝ると永井は、遅れたのはこっちだし、気にしなくていいよ。と安心させるように言い聞かせた。


「華巫女さんは手作り弁当ですか……自分で?」


凛は華巫女さんにこう質問した。


「ええ、私の手作りよ……食べる?」


「いえいえ、普通に気になっただけで……服、似合ってますね。ステージも凄かったです」


「あ、ありがとうございます……」


華巫女さんは顔を逸らして弁当を食べ始めた。


「そう言えばさ、うちのクラスって華巫女と橋野がいるじゃん。1クラス1人が決勝へってことはどっちかしか行けないのかな?」


永井が唐突にかなり答えにくい疑問を提示した。


「確かにそうね……」

「うーん」

「えっと……」


華巫女さんと橋野さん、凛は同時に黙り込んでしまった。

すると、放送が始まる前のスイッチの音がした。


「生徒会からお知らせです。コンテスト決勝リーグへの出場は各クラス男女1名ずつとなっていますが一年一組のみ例外とし2人出場とします。なお、反対意見や反論などは生徒会室で聞くので生徒会室まで。以上」


ちょっどその話をしている時だったので気まずい空気になる前に終わってよかった。

と凛は心の底から思うのだった。


「良かったね。2人とも決勝だって……俺は出れないしなぁ」


「どうしたの?長井くんも出たかったの?」


橋野が空気が悪くなる予感がしたのか明るい声で会話を弾ませようとしていた。


「そうでもない。決勝いったらまたステージ上がんなきゃいけないし……ただ、凛に負けたのが、ね」


「ちょ!何それ!なんか含みあるよね!?酷くない?」


凛が反撃する。

これを周りの人が見たらどういうふうに写っているのか……

それは、美男2人と美少女1人、女装1人(そこまで酷くはない)

でワイワイやっているのだ。

多分、リア充に見えるのだろう……

少し視線が痛かった。


(みんなはこの視線気にしないのかな?なんか俺だけめっちゃ寒気したんだけど……)


今、凛の腕は寒くもないのに鳥肌が立っていた。


(そう言えば、決勝に出る人のところには生徒会役員が迎えに来るとか言ってた気がする……来ないってことは出なくていいのかな?……やべっ!)


凛は心の中でも言ってから気づいた。

『これは、フラグを建てたわ……』


案の定、


「すいません、生徒会のものです。華巫女さん、橋野さん、中条さんは決勝リーグに出るので昼休憩が終わる十分前、つまりあと5分したらステージの控え室へ来てください。それでは」


(やっぱり来るのか……)


「分かりました、すぐに行きます」


華巫女さんが代表して返事をしてくれた。


「あと5分じゃ急いだ方がいいんじゃないの?」


永井は時間を心配しているようだった。


「分かったわ。もう食べ終わったし行きますか」


華巫女さんがそう言うと橋野さんが立ったので凛も便乗して一緒に行くことになった。


「それじゃ長井くん、行ってくるわね」


「いってきまーす」


「行ってくるね」


3人がそう言うと、


「ああ、行ってらっしゃい!優勝して来いよー、あと準優勝」


3人は食堂を出てステージの控え室に向かっていった。


◇◇◇


決勝リーグ開始の十分前、会場には早めに戻ってきた人たちが少しずつ座っている。

数はまだ少ない。

さっきは勢いで出ちゃったけどこの席数を見てからステージに乗るのはちょっと心細かった。

観客席は、1000席と生徒が全員座れるようになっている。


「はーい、注目!全員いる?」


生徒会の顧問である先生が生徒会役員に人数を確認する。


「分かったわ……ありがとう。ここにいるのは決勝に出る人たちですね……これから決勝開始までここを使って準備をしといて下さい。外に出る時は生徒会に一言かけるように。皆さん頑張ってください」


生徒達が返事をする。

まぁ、している人は真面目な人ぐらいだが。


(どうしよう、準備って言っても服ぐらいしか直せるところないしな……座って待ってるか……)


凛は周りに知っている人がおらず、とても心細かった。

凛がビクビクしていると先輩から声を掛けられた。


「ねぇ君、さっきめっちゃ女子みたいって言われてた人だよね?」


「そ、そんなふうに言われてましたね……」


(話しかけないでよ……)


凛がビクビクしながら答えると先輩は、


「凄いな、どうやってるの?本当に女子みたいだな!」


「は、はぁ……」


(こういう人は流すのが1番だな……)


凛は苦笑いをして時間を過ごすのだった。

少し時間が経つと会場の席の方から音が聞こえ始めたのでもうすぐ始まるんだなと気がついた。


(華巫女さん達は大丈夫かな?まぁ、俺みたいに弱くはないし大丈夫か……相変わらず先輩はうるさい。名前なんて言うのだろう?)


向こう側で髪をセットしていた背の低い先輩がちょっど名前を読んでくれた。


「佐藤くん、多分その子困ってるからその位にしといて上げてよ」


(このうるさい人佐藤って言うのか……それより背の低い先輩ありがとうございます!)


凛は心の中で感謝するのであった。


佐藤先輩から解放されたので髪にブラシを掛けているとステージの方からスピーカーの音と観客の大きい声が聞こえた。

どうやら男装コンテスト決勝が始まるようだ。

決勝と言うだけあって盛り上がりのレベルが予選の比じゃなかった。


(うわぁ、出たくねぇ……)


それが凛の率直な感想だった……


◇◆◇◆◇


このステージの両側には広い準備スペースがある。

女装コンテストに参加する男子や男装コンテストに参加する女子もこの部屋で準備する。

ステージに出るには奥にあるドアを出なくてはならないのだがステージを見る分にはこの部屋からのモニターで大丈夫であった。

この部屋にあるモニターにはこのステージを真ん前から見たようになっている。

女装コンテストに参加する男子がみんなモニターに集まっているので凛も便乗することにした。

人垣の端でひっそりとモニターを見ると少しづつ男装した女子が出てくる。

会場はモデルが歩くランウェイのようにセットが直されていた。

3年生が終わり2年生の中盤になる段々自分たちの出番が近づくにつれ鼓動が早くなり腹筋のしたが変な感じになる。

言葉では表しにくいわかる人には良くわかる緊張が凛を襲うのだった。






ここまで読んで下さってありがとうございます。

もし続きを書き始めたらまた読んで貰えると嬉しいです!

こんな小説を読んで下さった方、本当にありがとうございました。

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