モデル初心者編〜2〜
今日は木曜日、昨日の雨とは打って変わって澄んだ空気に雲一つない青空、太陽の光を浴びた桜が綺麗に輝いて見える。こんな日はどこかに出かけたいものだが入ったばったかの高校をサボるのは気が引けたので仕方なく登校することにした。
別に普段からサボっているという事実はない……
◇◇◇
高校に入ってから1ヵ月、髪も順調に伸びてきている。
(そろそろ切った方が良いかな…?)
今の髪型は、腰まである髪を3等分にして毛先をピンで止めそれを丸め込んでショートボブのようにしている。
肩上ぐらいの長さだ。
後ろから他校の女子の会話が聞こえてきた。
少しだけど……
(どんな話をしているんだろう……)
凛は後ろの女子高生の話を考えていた。
女子高生の笑い声がしてきた。
ここだけ見るとただの変態の様だが本来の意図は、
(何を笑っているんたまろう……俺を見て笑っているのかな、なんか変なとこあるかな?)
後ろで誰かが笑っていると何でも自分が変なのかなと気になるこの気持ち……ぼっちにはわかるであろう気持ちだ
(早く学校に行って友達にあって今の自分が変なのか聞こう)
そう思った……
しかし……
(そう言えば、まだ学校で先生以外と話したことないんだった………)
何とも寂しい高校デビューでした。
◇◇◇
学校に近づくとだんだん同じ制服の学生が見えてきた。
楽しそうな笑い声がいろんな所から聞こえてくる。
ここは私立東京聖蘭高校、校舎は去年改修され中は綺麗な場所だ、校庭は人工芝と陸上トラック、野球やテニスなどのコートがあり東京の中では校舎と校庭が綺麗で大きな高校という話がまわっている。
勿論、その分学費が高い……
何故、お金がない凛がこの高校を選んだかというと、場所が東京なので行ってみたいという気持ちがあったのと、友達がそこに行かないかと提案されたからだ。
それなら、何故学校で先生以外と話したことないのかというと、友達は凛に単願で行こうと誘ったが友達が親にいきなり併願にしろといわれ併願になった。その日が公立受付最後の日だったので凛は併願できず、そして友達は公立高校に行ってしまった。
一言でいうと、裏切られた感じだ……
………
……
(やっと着いた……早く教室行って本でも読もう……)
本を読むのは大好きだ……理由は周りのことを気にせずゆっくり出来るからだ……
席につくとすぐに一限目の授業の準備を整え本を読み始めた。
だが、すぐに至福の時間は終わりを告げる……
「よっ!中条 凛君、ちょっとこの議題に意見を貰えない?」
彼はこのクラスの学級委員、人当たりがよく友達も多いい。
彼が見せてきたのはこの学校の例年行事、新入生を迎える会的なものの新入生のだしもの、このクラスで何をするかという議題についてだった。
「びくっ!……僕ですか?」
自分を震える指でさしながら聞き返した。
「そうだよ、君とあまり……いや、話したことないなって思って、どうかな?何かいい意見ある?」
「えっ、あっ、はい……いいえ、すいません無いです……」
(あ〜終わった、もうこの人と喋ることないんだろうな〜)
こんなことを考えていると
「そっか〜、みんな思いつかないんだよね……ちょっと良いかな、僕で良かったら仲良くしよ?君ってあまり喋るの得意じゃ無いでしょ?僕と一緒に練習しない?」
思いがけない提案をしてきた。
特に断る理由はないのでとりあえず首を縦に振った。
(多分、みんなにも同じようなことを言っていると思うけど、高校で初めて話した人なら仲良くしても良いかな……)
こうして凛とクラス委員長、永井と友達(?)になった。
信頼関係はこれから築けば良いよね……
……その後
結局クラスのだしものは決まらなかった。
しかし、聖蘭高校の生徒会は新しく斬新なしんアイデアを企画しクラスのだしものは無くなった。
これは、クラスにとっていい事なのかもしれないが凛にとっては大変な企画だった。
◇◇◇
翌日、学校に登校しクラスに入ると大きなざわめきが走っており凛が席につくと委員長の永井が近づいてきた。
「生徒会の新しい企画のこと聞いたかい?」
突然話しかけられてびっくりしたがこれは慣れるしかない。
「ううん、まだ聞いてない、どうしたの?」
「生徒会が新しい企画を提出してそれが通ったらしいんだ。そのおかげでクラスのだしものは決めなくても良くなったんだけど……その企画がちょっと、ね」
永井は、生徒会の新しい企画の詳しい説明の載っている宣伝ポスターを見せてくれた。
「ありがとう」
「いえいえ、あとで席に置いといて〜」
そう言うと永井はどこかへ走って行ってしまった。
(どんな内容なんだろう……)
凛は企画の説明欄を見た瞬間絶句した。
理由はその内容だった。
内容は、
クラス対抗男装・女装コンテスト!
・クラス全員参加、けが人や何か事情がある人は除外(生徒会に説明必須)
・男子は女装、女子は男装で出場、審査員は生徒会とクラス委員達、先生がたが行います。
・優勝したプリンセス男装、プリンス女装のいるクラスには食堂のメニュー全品半額(一年分)をプレゼント
・最後に、どんな人が女装や男装していても笑わないようにしましょう。
以上を守って楽しい新入生を迎える会を楽しみましょう!
これがポスターの内容だった。
本当はもっと詳しく書いてあるが今はそんなのを読むことより、自分がどうやって女装しないかを考えるので精一杯だった。
生徒会に理由を話せばいいんだろうけど、モデルの事は広めたくなかった。
◇◇◇
6限目、クラスでは新入生を迎える会のコンテストについて決めようとしていた。
その中心はやっぱり永井だった。
もう一人は家の都合で休んでいると言っていた気がする。
興味がないのであまり聞いていなかったが……
「では、生徒会が出した企画について詳しく説明して行きます。今配ったプリントを読んでおいてください」
プリントが回っていきた、後ろの席にウザいと思われないようにプリントを両手で渡してからもう1度プリントを読んだ。
内容はさっきとほぼ同じだった。
「それでは、作戦会議を始めます!」
(この企画って作戦たてても意味無い気がする……)
「何か意見がある人はいますか?」
………
誰も話さなくなり教室が静まり返った。
「何でもいいぞ、服装とか髪型とか」
そういうと、窓側の真ん中らへんに座っていた女子が手を挙げた。
「はい、どうぞ」
静かだった時間が終わった……
「男子にウィッグを付けるのは大丈夫なのですか?」
「えーと、プリントには女装としか書いていないし特にダメって訳じゃないと思います。確認しときますね、他に質問や意見はありませんか?」
今度は廊下側の後ろに座っている男子生徒が手を挙げた。
(休み時間うるさいやつだ……)
「男子は女子の服持ってないと思うんだけどどうするんだ?」
「すいません、分からないんですが、多分女子から借りることになると思います」
教室には喜びの歓声(主に男子)と避難の声が上がっていた(主に女子)
その後は、色々話したが男子と女子でぶつかって話し合いにならなかった……
「はーい!ここまで、とりあえずおしまい、また今度ね〜時間もないし、気おつけ!……礼!」
「ありがとうございました!」
クラスの3文の1くらいしか聞こえなかったが仕方ない……
(勿論、挨拶はしっかりとしなきゃな!……すいません、してません……)
◇◇◇
放課後、永井が席にやってきた
「どうしたの?」
そう聞くと永井は語り出した……
「どうしよう、この企画自体は面白いんだけど作戦も立てようがないし、男子と女子で対立しちゃうし、あの後生徒会に聞いたんだけど女子から制服を借りてくれって、もう高校入ってすぐに壁にぶつかっちゃった……」
うわ〜苦労してんだな……
こういう時って励まするだって?
とりあえず、
「お疲れ様、大変だったね。これからも頼りにしているから頑張って!」
こんな感じかな?
励ましたことないからわかんない……
「ありがとう!俺、頑張る。頼りにしてくれる奴がいるのに倒れるわけには行かないよな!」
大袈裟じゃないか?
とは口にしなかった。
(感謝されるのは別に悪くない。)
永井は嬉しそうに返事をすると、
携帯を出して女子達にメールを送り始めた。
話しかけても反応しないくらい集中しているから置き手紙にーー先に帰りますね。お疲れ様でした。ーー
と書いて置いといた。
クラスを出て、学校の正門を出ると携帯がなった。
(この音はメールだな……誰だろう)
ずっと使ってなかったな……
差出人は加宮さんだった。
内容は、次の雑誌の発売日が決まったよ〜5月1日ね〜、編集部に来てくれたら無料で上げるから発売日の日に会社に来てー。その時、正式に契約しましょ〜。
お楽しみに〜。
この人は社会人として大丈夫なのだろうか……
俺はこんな大人にならないようにしよう
でも……こんなふうに喋れたらいいな。
そんなことを考えていたら校門横にある掲示板の新入生を迎える会の開催日を見つけた。
5月3日。
(えっ?)
雑誌の発売日の2日後が新入生を迎える会の日になっていた。
もし新入生を迎える会で女装したらバレるかもしれない……
どうしよう。
こんな思考が頭の中でグルグル回っていた。
家につくと現実逃避気味にベットに潜りそのまま、寝てしまった……
しかし、夜ご飯とお風呂は大事な髪を綺麗に残すために必要なのでしっかりと食べて、洗った。
バレたらどうしよう……
シャワーを浴びてもこの思考はグルグル回り続けた。
雑誌発売日まであと5日後。
新入生を迎える会まであと1週間だ。
今日は時間があったので早く投稿できました。
明日からも時間があったら投稿したいと思います。
書き方のアドバイスや書き方が変なところを見つけたら教えてください。
感想も書いて貰えると嬉しいです。




