表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

ティーチとは?

華やかな音楽が流れる。

きらびやかなレストラン。

私、水原音琴は警察官である父が招かれたパーティーに来ている。

ウエイターが料理を運んでくる。

「こちら、ヴィシソワーズスープでございます。」

「ヴ、ヴィシソワーズスープ?」

聞いたことのない単語に、思わず聞き返してしまう。

「フランス語でヴィシー風冷製クリームスープと言うそうだ。」

と父が説明する。

特に興味が無いのでへーと頷く。

1口飲んでみると、

「え?暖かくない、これ冷めてるじゃないの?」

あははと父が笑う。

「さっき言っただろ。これは冷製スープなんだって。」

あ、そう言えば、さっきそんなこと言ってたっけ。

あははと笑いながら、もう一度スープに口をつける。

「冷たいけど、じゃがいもの旨みが出てておいしい。」

「それは良かった。」

父も満足そうだ。


レストランから出ると辺りは真っ暗だった。

父と2人夜の道を歩く。

父と2人になると、いつも母のことを思い出す。

私の母は、私がちょうど4月から小学生になる春休みに亡くなった。

事故だった。

買い物帰り、公園から出たところの交差点に赤信号にも関わらず飛び出した私と同い年の女の子を助けるために、自らその交差点に飛び出したと聞いた。

もう、あれから10年以上経った。

だから、今も母を亡くした悲しみに浸っている訳ではない。

ただ、たまに思い出して悲しくなるだけだ。

父の携帯が鳴る。

「分かった。今、行く。」

電話を切ると、

「悪いな音琴、さっき帰って寝ててくれ。父さん今から仕事だから。」

「分かった。」

そう言うと父は急いで、さっき来た道を戻って行った。

よくある事だ。

父は警察官であるため、なかなか家に帰ってこない。

私が寝た後に家に帰り、私が起きた時には、もう仕事に行っている。

だから、顔を合わすことは、ほとんど無い。

だからといって、別に寂しい訳ではない。


家に帰り、お風呂に入り、部屋に戻ると電話が鳴った。

電話の主は前田翔太。

翔太とは昔からの幼なじみ。

私よりはるかに高い背、流行遅れの丸メガネ、運動はダメだけど、頭だけはよく、都内の偏差値の高い成績優秀校、星蘭学園に通っている。

ちなみに言うと、私もその星蘭学園に通っている。

とは言っても頭が良いわけでもなく、成績は圧倒的に後ろから数えた方がはやい。

昔から柔道を習っていて、今は柔道3段を持ってる。

そのおかげか、見事推薦で合格できた。

電話に出る。

「音琴、明日は水やり当番だからな!忘れんなよ!」

あ、そう言えば、頼んでたっけ。

私が忘れっぽいから、水やり当番の前日に連絡してって。

すっかり忘れてた。

「大丈夫だよ。しっかり覚えてたよ。」

「それなら良いけど、じゃ、おやすみ。」

危なかった。

翔太が教えてくれなかったら、完全に忘れてた。

そう思いながら、目覚ましを6時にセットし、寝た。


ピピピピーピピピピー

アラームが鳴る。

だが、起きたくない。

ピピピピーピピピピー

また、アラームが鳴る。

ゆっくり体を起こし、時計を見ると目が点になる。

「え?え?え?やばーーーーー!!!!!」

時計の針はとっくに6時を過ぎ、7時を指している。

急いで制服に着替え、家を出る。

朝ごはんなんて食べてられない。

せっかく翔太に連絡してもらったのに。

そんなことを思いながら、ぎりぎりセーフというところで学園に着く。

「ま、ま、間に合った。」

あとちょっと遅れてたら危なかった。

ずるずると床に腰を落とす。

机の横に鞄をかけ、水やり場所に向かう。


目の前には大量の花たち。

眠い目を擦りながら、その花たちに水を与える。

ぼーっとしながら、ホースを左右に向ける。

すると視界の端になにやら昇降口に見知らぬ男が大きな紙袋を手に校門へと走っている。

その姿を見て、私は昨日先生がHRで言っていたことを思い出す。

「今日の朝、何者かが学園に侵入し、生徒たちの上靴を盗んだという情報が入っています。皆さんも誰か見知らぬ人が学園に侵入していたら、ただちに先生に教えてください。」

もしかしたらと思い、その男の後を追いかける。

回り道をし、その男の前へと出る。

そして、その男が怯んだ瞬間、得意の背負い投げ。

バーーーン。

男を地面に叩きつけた。

そして、その男が手にしていた紙袋を見ると、予想通り、たくさんの上靴が入っていた。

男はびっくりしてぽかんとしていた。

「今から学園行くから。」

と言うと、その男はこくりと頷いて、素直に学園まで戻ってきた。

職員室の扉を開けると、先生達は皆びっくりしていた。

「先生!犯人捕まえて来ました!」

「えーーーーー!!!!!」

先生に犯人を受け渡した後、昇降口に上靴を返しに行くと、

「音琴すごい!犯人捕まえちゃうなんて。」

「水原やるな!」

口々に皆が私を褒め称える。

ここまで褒められたの人生で初めてだわ。

「どーも。どーも。」

なんて言いながら、笑顔を見せていると、はっと気がつく。

「あ!水やりーーー!!!」

大声出して、急いで水やり場所まで戻る。

また、さっきと同様に水をかける。

ぼーっとしながら、ホースを右に左に。

すると、いきなり声をかけられた。

「あの、、、」

びっくりして思わず、持っていたホースをその人に向けてしまった。

ビシャーーー。

「あっ、、、すみません!!!クリーニング代をお支払いします。なのでどうか許してください。」

焦って、頭を下ろしながら、そう言うと、

「あの、顔上げて。」

そう言われたので、言われた通りにすると、そこには教頭先生が立っていた。

「君が水原音琴くんかね?」

「はい、、、」

と恐る恐る返事をすると、

「後で校長室に来なさい。」

と言われ、私は顔を青ざめた。

どーしよ、きっとスーツをべたべたにしたことに怒っているのだ。

退学だったらどうしよう。

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴る。

とぼとぼと下を向きながら、教室へ向かう。

教室に入ると、

「音琴、犯人捕まえたんだって。さすが、運動神経抜群!」

「警察から感謝状とか貰えるんじゃない!」

皆が興奮気味にそう言いながら、私を囲む。

だが、私は教頭先生のことで頭がいっぱい。

ガラガラガラ

先生がドアを開ける。

「はーい、席に着いて。今からHR始めるよ。」

私を囲んでいたクラスメイトはぞくぞくと席に着く。

それと同時に私も席に着く。

自分の席に着いてため息をつくと、

私の前の席に座る萩野夏美が私に声をかける。

萩野夏美は中学からの友達で今では大親友だ。

私のことを1番に理解していて、面倒見も良いだから、つい頼ってしまう。

「おはよ、朝から大変だね。」

「まぁね。はぁ、、」

「なんかあった?」

「実はね、教頭先生に水かけちゃった。」

「えーーー!!!」

夏美の声に一斉にクラスの皆こっちを見る。

「いったい何があったの?」

「いきなり話しかけられて、ついびっくりしてホースごと先生に向けちゃった。このHRが終わったら、職員室に来るように言われてる。」

「まじか。やっちゃったね。」

「もしかしたら退学かも。」

「なわけないでしょ。水かけたくらいで。ほんと音琴は心配症だな。」


朝のHRが終わり、私は職員室へ向かる。

あっという間に職員室に着き、入る前に一呼吸。

すーはー、よしっ。

と気合を入れてドアを叩く。

「失礼します。2年7組水原音琴です。」

「、、、」

返事がない。

恐る恐るドアを開けると、そこには身を覚えのある顔があった。

「音琴、、。」

「翔太、、。」

「え?なんでここにいるんだよ。」

「そっちこそ、なんで?」

「俺は教頭先生に呼ばれたんだよ。」

「私も。え?もしかして、翔太もなんかやらかした?」

「はぁ?」

「もしかしてもしかして、昇降口にある高級な花瓶割ったとか、それか中庭にある銅像に落書きしたとか、それかそれか、、、」

「そんなことしてねぇよ!どんだけ問題児なんだよ!」

「はぁ、ついに翔太も退学か、、。」

「お前何言ってんだよ。」

トントンとドアを叩く音がする。

すると、職員室と校長室を繋ぐ扉から、教頭先生が現れた。

やっぱり退学かも、、。

どーしよ、どーしよ、

教頭先生が椅子に私たちの向かいの椅子に座り、話し始めた。

「えーと、君たちに話がある。単刀直入に言う。この星蘭学園の不祥事を解決して欲しい。ティーチして欲しい。」

「ティーチ?」

翔太と声が被る。

「この学園には教師に関するたくさんの不祥事がある。今まではどうにかお金で解決していたが、もう危うい状況まできている。どうにかして、お金の力ではなく、言葉の力で不祥事が表沙汰にならないように解決して欲しい。それには、君たち、生徒の力が必要なんだよ。教師は時に生徒の言葉に心を動かされるからね。」

「話は分かりましたが、どうして僕達なんですか?生徒はこの学園に1000人以上います。どうしてなのですか?」

確かに、それは気になる。

どうして私たちなんだろう。

「それは、まずは前田翔太を選んだ理由としては定期テスト学年1位の成績であるから、その優れた頭脳で不祥事を解決して欲しい。そして、水原音琴は、ついさっき決めた。あの上靴泥棒を捕まえる程の度胸があれば必ず力になるって。」

なんか頼りにされてる感じで嬉しい。

「あ、の、そう言えばティーチってなんですか?さっき言ってましたよね?」

「あぁ、あれはいわゆるこの作戦の名前だよ。」

「なるほど。なんかいいですね。私、気に入った!」

「それはよかった。では、ティーチしてくれますか?」

どーしよ、いきなりそんな事言われても、なんか面倒くさそうだし。

「やります!!!」

「えっっっ!」

「どしたの?翔太、こういうのあんまりやりたがらないじゃん!」

「何言ってんだよ、人のためになるだろ、それならやるよ!」

いきなりどうしたんだろう、変なものでも食べたのかな。

「音琴くんはどうする?」

「えぇっと、わ、私もやります!!!」

「よしっ!決まりだ!これからよろしくね、翔太くん、音琴くん」

「はいっ!」

翔太がすごく元気に返事をする。

気合い入ってるな。


「失礼しました。」

廊下を出ると最低最悪なやつにあった。

その名は矢木。

一応、ここ星蘭学園の教師だ。

だが、同時に私の遠い親戚でもある。

矢木はなにかと私をからかい、話のネタにする。

それが嫌で、私はあいつを嫌いになった。

「なんでお前がここに?」

「水原どうした、校長室に呼ばれるなんて、なんか悪い事でもしたのか。まさか赤点取りすぎて退学とかか。」

嫌味なやつ。

「なわけないわ!ちょっと頼まれごとをね。」

「へぇ~、水原に頼まれごと、もの好きなやつもいるもんだね。」

「あんたこそ、こんなところで何してんのよ。」

「ティーチの件、誰になったのかなってね。」

え?なんで矢木がティーチについて知ってるの。

「実はティーチの件、俺も相談されてて、誰になったのか聞きに来ただけ。でもまさか、水原とはな~。」

「なによ!私で文句があるの。」

「いや、別に。せいぜい頑張って。」

本当に嫌なやつ。


キーンコーンカーンコーン

7時間目の終了のチャイムが鳴った。

私は習い事の柔道で忙しいので帰宅部、そして翔太は勉強熱心なため帰宅部。

勉強で部活に入らない人なんて翔太くらいだろう。

「翔太ー、帰ろー」

「おう。」

なので、だいたい毎日一緒に帰る。

家も隣だしね。


校門をでると、すぐさま私は質問した。

「ねぇ翔太、どうしてティーチの仕事受けたの?」

「決まってるだろ。大学推薦貰うためだよ。」

「はぁ?」

「音琴は知らないだろうけど、大学の推薦の鍵を握っているのは教頭先生だ。」

「校長先生じゃなくて?」

「俺も最初はそう思ったが、実は内申書とかチェックして判断しているのは教頭先生らしい。校長先生はただ許可を出すだけ。」

「ふーん、それで?」

「だから、ティーチの仕事すれば大学推薦してもらえる確率上がるだろ。」

「あいかわらず、ずうずうしいね。」

「うるさい。」


ピピピピーピピピピー

目覚まし時計が鳴る。

いつものように顔洗い、制服に着替え、朝のニュース番組の占いを確認してから、家を出る。

すると、家の前に翔太がいた。

実は朝もほぼ毎日一緒学園へ行っている。

「音琴おはよー」

「おはよー」

昨日のテレビのこととか話しながら学園へ向かう。


学園に着くと教頭先生が私たちを呼び止めた。

「音琴くん、翔太くん。」

「はい。」

校長室に入ると、

「早速、今日ティーチだ。」

「え?今日から?」

まさか、今日からなんて。

「実はある生徒がストーカーにあっている。」

「そのある生徒というのは?」

「2年7組の萩野夏美だ。」

「え?夏美が?」

「塾の帰りにストーカーにあっているらしい。」

「でも、そういうのって普通、警察に言いますよね?どうして僕達に?」

「実はその犯人がこの学園の先生なんだ。」

「え?」

「どうして分かるんですか?」

「この学園の先生のジャケットには学園バッチをつけるのが義務付けされている。」

「だから、萩野夏美はそれを見てこの学園の先生だと言うことが分かったのですね。」

「その通りだ。」

なるほど。

「なので早速、萩野夏美に話を聞き、事件解決へと向かって欲しい。」

「分かりました。」

「あと、くれぐれも内密に。」

「了解です。」


「いや~、初っ端からすごいの来たね。」

校長室を出た後、改めて任務の重さを実感する。

「あぁ、思ってたよりすごかった。」

「とりあえず、夏美に話聞かなくちゃね。」

「そうだな。」


教室に戻るとすぐさま、

「ねぇ、夏美。放課後、時間ある?」

「うん。あるけど。」

「ちょっと話したいことあるから教室に残ってくれない?」

「分かった。でも、なんで?」

「それは放課後話すから。」

「うん。」

夏美はとても不思議そうな顔してた。

でも、夏美がストーカーされてるなんて全然知らなかった。

どうして毎日一緒にいるのに気づかなかったんだろう。

なんだかすごく申し訳ない気持ちになった。


昼休み。

私の唯一の楽しみな時間。

「先生これ、受け取ってください。」

「あぁ、ありがとう。」

「どうですか?美味しいですか?」

「あぁ、とっても美味しいよ。」

女の子は嬉しそうに顔を真っ赤にしている。

「先生、肩に髪の毛付いてますよ。」

「ほんとだ、ありがとう。」

長浦先生の手にはチョコ。

なんでだろうと首を傾げる。

長浦先生は私たちのクラスの理科の先生である。

学園の教師の中でも顔がかっこよく、いわゆるイケメンだ。

生徒からの人気も高いのだが、えこひいきをするので私はあまり好きではない。

長浦先生のお気に入りはたいがい顔の可愛い生徒ばかりだ。

例えば夏美とかね。

廊下にぼーっと突っ立っていると夏美が話しかけてきた。

「どうしたの、音琴。こんなところで突っ立って。」

「いや、なんであの子、長浦先生に手作りチョコなんて渡してるのかなって。」

「それは、もちろん好きだからでしょ。」

「えぇ?」

「音琴、今日なんの日か分かってる?」

「2月14日、、、バレンタイン!!!」

はっとした。

ティーチの事で頭がいっぱいで、すっかり忘れていた。

「はい、友チョコ。」

「ごめーん、夏美。すっかり忘れてて。ホワイトデーにお返し渡すね。」

「だろうと思った。分かった、楽しみにしてる。」

ここ最近、好きな人もいないから忘れてた。

「でも、うちの学園はほんとに先生にあげる子多いよね。長浦先生に、野中先生に、飯島先生。」

「やりとイケメン多いからね。」

「あ、矢木先生とかも。」

「え?あいつ?あの人のどこがイケメンなの?」

「イケメンじゃーん。音琴は親戚だから分かんないんだよ。」

「遠い親戚ね。」

「はいはい。」


キーンコーンカーンコーン

やっと7時間目の授業が終わる。

誰もいなくなった教室で、4つ机をくっつけて夏美の話に聞く。

「夏美、今誰かにストーカーされてる?」

「え?なんでそのこと知ってるの?」

「教頭先生から聞いたんだ。」

「夏美ごめん!」

耐えきれなくなって、私は謝った。

「え?なんで音琴が謝るの?」

「ストーカーされてるなんて気が付かなくてごめん。」

「そんなこと、、。」

「萩野さん、いつストーカーされてるですか?」

「火曜日と木曜日の塾の帰り、10時頃かな。」

「夏美、いつストーカーされてるって分かったの?」

「一週間前、犯人が気になって、そっと後ろを向いたら、この学園のバッチが見えて。」

「このこと両親には?」

「まだ、両親に言う前に教頭先生に廊下で話しかけられて。」

「先生は?」

「このことがばれれば学園の信用に関わるから警察には言わないでって。その代わり私が事件を解決するって言ってくれて。」

「それでOKしたの?」

「うん、どうやって両親に言えばいいか悩んでた時、廊下で声掛けてくれて、困っているのに気付いてくれたのが嬉しくて、ついね。」

「そっか。」

「でも、どうして音琴たちがそのこと知ってるの?」

内密って言われてるけど夏美にはいっか。

「実は私たち、学園の不祥事の解決をお願いされてて今回この事件の解決をって教頭先生が。」

「そんな大役任されてるんだ。音琴すごいね。」

「いやいや、それほどでも。」

「嬉しいくせに。」

「うるさいよ、翔太。」

「あ、てか今日火曜日じゃん!!!」

あ、そういえば!!!

曜日なんて全然気にしないから忘れてた。

何か犯人を捕まえるいい方法ないかな。

今日を逃せば木曜日になっちゃうし。

うーんとうーんと

あ!

「翔太!交換しよう!」

「はぁ?」

「私と夏美!」

「え?どうゆうこと、音琴。」

「制服とか鞄とか髪型も真似て、私が夏美になるの。」

「そんなことしたら、お前が危ない目に遭うかもしれないんだぞ。」

「教頭先生も言ってたでしょ?犯人に立ち向かう度胸が必要だって。」

「そうだけど。」

「いざとなれば背負い投げ出来るし。そしたら、みんなで犯人を一斉に捕まえればいい。」

「ほんとにいいのか?音琴。」

「大丈夫、私に任せて!」


という訳で

「先生いいですか?」

「ほんとに大丈夫かね、音琴くん。」

「はい、全然大丈夫です!」

「それならいいのだけれど。音琴くんが背負い投げしたら、みんなで捕まえに行くから。」

「はい、お願いします。」

ってことはストーカーのストーカーをするってことか。

うまく行きますように。

「あの、1つ問題点が、」

「どしたの、翔太。」

「音琴、、。そのがに股を治さない限り絶対ばれるぞ。」

「はぁぁぁ???」

「確かに、音琴がに股だもんね。」

夏美までっ、、

「分かりました。治しますよ、治せばいいんでしょ!」

校長室のドアが開く。

「役者は揃っているみたいですな。」

矢木だ。

「なんであんたがここに。」

「言っただろ。俺も一応ティーチの一員なんだよ。」

はぁ、ほんと最悪。

「水原ー、今日バレンタインだろ?俺にチョコはねぇーのかよ。」

「あんたにあるわけないでしょ。」

「だろーな。」

「分かってるなら聞かないでよ。」


そんなこんなで1時間みっちり内股の指導を受け、

決戦の10時になった。

作戦内容はこうだ。

まず、音琴は夏美の変装をして塾から夏美の家まで向かう。

犯人が音琴の後を追いかけるのを見計らって、翔太、教頭先生、夏美、矢木がその後を追いかける。

犯人が音琴に接近を試みた時、音琴が得意の背負い投げをする。

その瞬間、全員で犯人を捕まえる。

というような感じだ。

いかにも手薄な作戦だが、これで仕掛けてみる。


私は、夏美のふりをして塾を出る。

その後を皆が追いかける。

私は、黙々と歩いた。

すると、だんだん私の後ろから足音が聞こえ始めた。

犯人がついてきたのだ。

よしっ、作戦通り!

心の中でガッツポーズをする。

すると、足音がだんだん私の耳から遠ざかっていった。

え?なんで?

歩くの速すぎた?

そんなことを思いながら、犯人がついて来ているのを信じて歩く。

その時、いきなり肩に何かが触れた。

慌てて振り向くと、翔太や皆がいた。

私は首を傾げる。

「作戦は失敗だ。」

「え?なんで?」

「犯人に俺たちが後をつけているのがバレたのかもしれない。」

まじか。

「でも、1つだけ気になることがある。」

「なに?」

「萩野さんは犯人が学園のバッチが付いていたから、犯人は星蘭学園の教師だということが分かったのですよね?」

「えぇ。」

「だけど、今日はそんなもの付いていなかった。」

「え?どうゆうこと?」

「犯人は我が学園の教師ではないということかね?」

「でも、私は確かに見たんです。」

夏美の言うことが正しいのなら、今日はたまたま付けてなかったということも考えられる。

「いや、付けていなかったんではないんです。」

「どういうことかね?」

「付けているように見えなかったのです。」

???

「あのバッチは光沢があり、夜になると街灯の光を反射して少し光るのです。」

翔太が矢木のバッチを指を指して説明する。

確かに矢木のバッチは少し光っている。

「だから、萩野さんはその少しの光から犯人が学園の教師だということを見抜いた。」

なるほど。

「だとしたら、どうやってその光沢を消したのかが問題よね。」

「一体どうやったのだろうか。」

「とにかく今日は1度家に帰りなさい。もうこんな時間だし。作戦はまた立て直そう。」

「分かりました。」

皆がそれぞれ帰って行く。

「音琴、行くぞ。」

「あ、うん。」

翔太が歩き始める。

「あのさ、どうして犯人に翔太たちが後つけてることバレたの?」

「あ、あ、それはな、」

「うんうん。」

「俺が道に落ちてた缶を蹴飛ばして、その音でバレたんだ。」

そんな事があったなんて。

「てか、なにそのマンガみたいなバレ方。」

「しょうがないだろ、気づかなかったんだから。」

翔太が顔を真っ赤にして、そう言う。

「とにかく!早くあのバッチについて調べないと!」

「だったら、今から翔太ん家でやろうよ。」

「また、俺の部屋来んのかよ。」

「いいでしょ、別に。」

「分かったよ。」

「やっほーい。」

半ば強引の翔太の家での作戦会議が始まった。


「おっじゃまっしまーす。」

「いらっしゃい音琴ちゃん。今日もお父さん帰り遅いの?」

「はい、あいかわらず忙しいみたいで。」

「そうなの、大変ね。後でお飲み物と今日はバレンタインだからチョコも持っていくね。」

「はい、ありがとうございます。」

と言って翔太のお母さんに頭を下げる。

翔太のお母さんは翔太が中学生の時に夫と離婚し、今はシングルマザーとして女で一つで翔太を育てている。

小さい頃から翔太とは仲いいので、もちろん翔太のお母さんとも家族みたいな存在だ。

翔太のお母さんは本当に優しくて自慢のお母さんだ。

「あいかわらず作らずに音琴は貰うんだな。」

「なにー?翔太欲しかったの?」

「なわけないだろ、行くぞ。」

「はーい。」

部屋に入ると、翔太はパソコンをつけだし、なにやら難しいことを調べている。

「酸化、、?」

「金属を曇らせることをいう。」

「バッチが曇ってたから、光を反射しなかったってこと?」

「そういう事だと思ったのだけど。」

「だけど?」

「それをどうやって確認すればいいのか。」

確かに、ジャケットは常に羽織っているし、先生全員のバッチを調べるのには時間がかかる。

それにそれだけの証拠では犯人を捕まえるのは困難だろう。

「それに酸化の原因がいまいち分からない。」

「酸化ってどうやったらなるの?」

「例えば、化粧品が触れるとか。」

「でも、化粧品だったら犯人が女の先生になっちゃうよね。」

「まぁな、ストーカーで女の先生は考えにくい。」

二人で頭を抱えて悩み込む。

「とりあえず、今日は帰って一旦休もう。」

「そうだね。」

気づけば時計は11時を指していた。

じゃ、おやすみ。と言いながら、コートを着る。

部屋から出ると、ちょっど階段から上がってきた翔太のお母さんに会った。

「あれ?音琴ちゃん、もう帰るの?」

「えぇ、また明日ってことで。」

「なら、これ持ってて。」

翔太のお母さんが私にチョコを差し出した。

「ありがとうございます、美味しそう。」


家に帰ってから夏美と翔太のお母さんに貰ったチョコを食べる。

絶対太るだろうな、なんて思いながら。

金属製の腕時計を見ると、もう11時を過ぎていた。

はやくお風呂に入って寝ないと、明日も忙しいのに。

私は急いでお風呂場へと向かった。


今は4時間目の授業真っ只中。

あと5分で授業終了だ。

キーンコーンカーンコーン

はぁ、やっと終わった。

「音琴、購買行こ。」

「うん、行こ行こ。」

私たちは急いで廊下に出る。

人気の揚げパンは授業終了のチャイムが鳴ってから10分すれば無くなってしまうからだ。

急いで購買へ向かう途中、教頭先生に会ってしまった。

「音琴くん。」

あぁ、揚げパンがぁ。

「あのぉ、先生。」

「どうかね、なにか作戦は決まったか。」

今はそれどころじゃ。

「いや、実はまだでして。あのバッチが曇っていたのは酸化ではないか、というところまでいったのですが。」

「そうか。なかなか行き詰まっているな。」

「はぁ。先生、ちょっと急いでいるので。」

「あぁ、すまん。足を止めてしまって。」

「いえ、それでは。」

大丈夫かな?間にあうかな。

10分経っていないか気になって腕時計に目をやると、私はびっくりして足が止まった。

「どしたの?音琴、急がないと。」

「曇ってる。」

「え?なにが?」

なんとお父さんが私の誕生日にくれた大切な時計の金属部分がいつものような輝きはなく、白く曇っていた。

なんでだろう。

もしかして、酸化?

でも、化粧品はしないし。

すごく大切に使っていたものでもあって、つい驚いてしまった。

一体何によって曇ったのか記憶の跡を辿る。

「あっっっ!!!」

「え?なに、、?」

「チョコだぁ!チョコ!」

「へ?チョコ?」

そうだ!昨日の夜、夏美と翔太のお母さんのチョコを食べたままの手でその腕時計を触ったんだった。

私としたことが。

チョコに釣られて、大切な時計にそのままの手で触れていたなんて。

「夏美!教室戻ろう!」

「え?揚げパンは?いいの?」

「今日はいいのー!」

はやく翔太に伝えないと。


急いで2年7組の教室に向かおうと階段を上がっていると矢木に会った。

「矢木、、。」

「おぉ、どうした水原。」

「バッチの曇の正体が分かった!」

「はぁあ。それで一体なんなんだ。」

「チョコレートだよ!」

「チョコレートか、、確かに金属は曇るかもな。」

「この学園は生徒からチョコを貰う教師がいるだろ。」

それに昨日はバレンタインだったし。

「あぁ、確かに。長浦先生、野中先生、飯島先生とかな。」

「だから、その先生たちが生徒達から貰ったチョコを食べたままの手でバッチを触ったことが考えられる。」

「なるほどな~。とりあえず俺は他にもチョコを貰ったやつを調査してみるよ。」

「ありがとう。助かる。」

矢木との会話が終わった後、急いで翔太の元へ向かう。


「なるほどな。確かにチョコは考えられる。」

翔太に私の推理を話すと納得してくれた。

「ただ、それをどうやって確認するかだな。」

「矢木がチョコを貰った先生を調べてくれるって言ってたけど。」

「でも、矢木先生の調べた中にその人物がいるとは限らない。」

確かに、てか矢木はあんな性格上、人とあまり喋らない。

そんな人が全員に確認が取れるとは限らない。

教頭先生に頼みたいところだけど、教頭先生が聞くとなるとだいぶ怪しまれるし。

私たち生徒が聞くなんて、そもそもそんなこと教えてくれないだろう。

なにか方法は。

その時、ふと時間割表が目に入った。

7時間目全校集会。

これだ!!!

「翔太、全校集会抜け出そう!」

「はぁぁぁ?お前また何言い出すんだよ!」

「全校集会中って職員室ががら空きになるでしょ!」

「あぁ、全校集会は全校生徒と学園全員の教師が集まるからな。」

「だから、体育館の暖房を壊れたことにして、ジャケットがいらないくらい暑くなった設定にするの。」

「体育館の暖房の温度を最高温度に設定するってことか?」

「そういうこと!それで体育館の暖房の故障のため薄着で集まってくださいという放送を流すの。」

「そうすれば、教師全員ジャケットを職員室に置いていくってわけか。」

「そしたら、私たちはそーっと体育館を抜け出して職員室に向かって一人ずつジャケットと確認していく、チョコが付いて曇っていないか。」

「いかにも馬鹿らしい作戦だな。」

「いいでしょ、別に!」

「まぁ、音琴らしいな。」

「職員室に行って教頭先生に伝えよう。」

私たちは職員室へ向かう。


「分かった、ちょうど5、6時間目は体育館を使わないので暖房で暖めておこう。」

良かった、、。

「それにしても、すごい作戦を考えたね。さすが音琴くん。」

「いや、それほどでも。あと放送もお願いできますか?」

「分かった、くれぐれも見つからないように体育館を抜け出すんだよ。」

「はい!」

翔太と声が被る。

これが上手くいけば犯人を捕まえられる。

それに夏美を助けることが出来る。

私は気合が入る。

ついこないだまでのやる気の無さが信じられないくらい。


5、6時間目。

私がいつも通り眠い目を擦りながら授業を受けている中、教頭先生は体育館に行き、暖房で体育館を暑いくらいに暖める。

そして、6時間目終了のチャイムの後、体育館の暖房の故障の放送が入る。

皆聞きなれない放送に、

「なんだこの放送は?」

「暖房壊れたら薄着ってなにそれー。」

馬鹿げているが、私たちは真剣だ。

私と翔太が目を合わせて頷く。

ついに来た。

ぞくぞくと体育館に行くための列が廊下に出来上がる。

しれーっと一番後に並ぶ。

先頭から順に歩き始めた。

体育館に向かう途中の美術室のところでこっそり抜けて職員室に向かうという作戦だ。

体育館に向かうに連れて心臓の鼓動が速くなる。

美術室に着いた。

そーっと列を抜けると声をかけられた。

「おい、お前達何をしている?」

イケメンの野中先生だ。

「いや、別に。」

「さっさと列に戻りなさい。」

「はい、、。」

渋々翔太と列に戻る。

作戦失敗。

どうしよう、いつ体育館を向けだそう。

考えているうちに、体育館に着いてしまった。

学級委員が整列させ、皆を座らせる。

作戦失敗なのかな、、。

後ろにはなぜか野中先生がいる。

ほんとついてない。

さっきの私たちの行動に警戒しているのだろう。

すると教頭先生がこちらに向かって来た。

「水原くん、前田くんちょっと話が、、野中先生よろしいかね?」

「あぁ、どうぞ。」

教頭先生に連れられて体育館を出る。

「教頭先生ありがとうございます。助かりました。」

「ほら、急いで行きたまへ。」

「はい。」

翔太と急いで職員室ヘ向かう。

急がないと全校集会が終わってしまう。


職員室に入ると案の定椅子にはジャケットがかかっていた。

翔太と手当り次第バッチを確認していく。

中高一貫校というだけあって教師の数は多い。

黙々とバッチの光沢があるか調べていく。

その時、廊下に足音が。

とっさに近くの机の中に潜り込む。

入ってきたのは飯島先生。

音一つ立てないように気をつける。

これでバレたら終わりだ。

どうやら忘れ物らしく、机のものを持っていったら、すぐに職員室を出ていった。

「危なかったー。」

翔太と笑い合う。

そしてまた、ジャケットを一つ一つ確認する。

すると、一つ金属光沢のないバッチを見つけた。

白く曇っている。

これだ!!!

「翔太見つけた!!!」

「ほんとか!」

翔太がバッチを手に取る。

「これだ!」

あまりの嬉しさにハイタッチ。

このバッチの持ち主は、、、!

その人の机の上にはある物が置かれていた。

バタバタバタ

たくさんの足音が聞こえる。

先生たちが帰ってくる。

私たちは急いで職員室を出た。

そして、あることを教頭先生に聞くために。


帰りのHRが終わった。

私は翔太、夏美を連れて教頭先生、矢木の元へ向かった。

もちろん、犯人をティーチするためだ。

職員室の扉を勢いよく開けた。

先生達は皆ビックリして固まる。

私は大きく息を吸い込んだ。

「皆さんにお話があります!!!」

「ここ一週間前からストーカーに苦しむある生徒がいました。その生徒は塾の帰りにここ星蘭学園の教師にストーカー行為をされていました。」

先生たちが皆動揺した。

「そして今日、その犯人が分かりました。夏美のことをストーカーし、彼女を苦しめていたのは、、」

皆が私に注目する。

そして私は犯人に指を指す。

「長浦先生あなたです!!!」

一斉に職員室にいる全員が長浦先生のことを見る。

「え?君は何を言っているのか?私がそんなことするはずないだろ!」

「えぇ、そうでしょうね。生徒達からはイケメン先生の象徴。そんなことするはずがない。」

「だったら、、」

「でも、あなたの学園バッチにはなぜか他の先生達にはある金属光沢がないのです。」

「それは事件となんの関係がある。」

「彼女はあなたの光るバッチを見て、この学園の教師が犯人だということが分かった。」

「それがどうかしたのか。」

「でも昨日バッチは光っていなかった。」

「そんなのでたらめだ。嘘つけばそのくらいどうってことない。」

「そうです。それだけじゃ私たちが犯人があなただということが分かっても、あなたが犯人だという証拠は一つもない。だから言葉で訴えに来ました!!!」

「はぁ?」

「あなたは萩野夏美のことをえこひいきしてますよね?」

「別に、そんなこと。」

「じゃあ、質問です。あなたの机に置いている写真立ての中に写っているのは一体誰なのですか?」

翔太がその写真立てを持ってくる。

「なんだか若干、萩野夏美に似ていると思いませんか?」

「確かに、ちょっと似ているな。」

「目とか口とかそっくり。」

口々に先生たちが言う。

「別に全然似ていない。」

「この方は長浦先生の亡くなった妹さんです。ですよね、教頭先生?」

「あぁ、そうだ。勝手に話してすまんな、長浦くん。」


実は職員室を出た後、教頭先生に聞きに行ったのだ。

写真立てに映る少女が夏美にそっくりだったからだ。

一体あの写真が誰なのか。

気になったからだ。

そしたら、3年前に亡くなった妹だということを聞いた。


「あなたは夏美とその亡くなった妹を重ね合わせているのではないのですか?」

「、、、あぁ、そうだ。1年前入学式の日、昇降口で受付をしていると彼女がやって来た。あまりにも妹に似ていて、びっくりした。それから彼女が妹みたいに見えてきて、密かに見守り続けた。」

そんな前から、、。

「そしたら最近見守るだけでは足りなくて、いつの間にか後をつけていた。本当にすまん。」

「そんな、、。」

夏美も驚いていた。

「事情はよく分かった。だが、あなたのした事は犯罪です。たとえどんな理由があろうともしてはならないことだったのです。結局はそれで彼女を怖がらせてしまっていたのですからね。」

私は長浦先生に指を指す!

「私はあなたをティーチします!どんな以下なる理由があろうとも犯罪には決して手を染めてはならない!」

「はい、すみませんでした。」


職員室を出ると、

「音琴本当にありがとう。」

夏美がお礼を言ってきた。

「全然いいよ、事件が解決してよかった。」

「音琴のティーチ素敵だったよ。かっこよかった。」

別に、そんなこと。


なんて心の中で思いながら校門へと向かう。

するとそこに翔太がいた。

「やるじゃん、音琴。」

「まぁね。」

隣からの光が眩しい。

二人は校庭の夕日目を向ける。

そして私は思った。

「これから先どんなティーチがあろうとも私は絶対解決に向かうよ!」

「なんだよ、急に。」

「なんか夕日に誓ってみたくなっただけ。」

「なんだよ、それ。」

そう、まだ私たちの物語は始まったばかりなのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ