「馬鹿ね、お姉ちゃんと坊では違うでしょう。坊は、これから大きくなるんでしょう?お姉ちゃんみたいに、おっぱいの大きい人が取って寝たら大変よ。それこそ、十年後には、誰にも見せられなくなっちゃう。じゃ、パンツも試していないの?」「はい。出掛けるときに。」「じゃ、さっき、工場に行こうとしたときは?」「作業すると、油で汚れたりするので、安いのを着けていきます。」「駄目よ。大体、安い下着なんか着けるものじゃないわ?レイディーが。捨てちゃいなさい?そんなの。かわりは、いくらでもあるんだから、お姉ちゃんのを着けなさい?汚れたら、いつでも新しいのを買ってきてあげるから。そんなに高い物じゃないのよ?あの下着ね、お姉ちゃんのと同じ物なの。姉妹になった記念に、同じ下着を着けようと思って、大雨の日、買いにいったのよ?お陰で、坊は、雨の中で待坊けだったけれど。でも、あの下着のために、坊も熱を出す羽目になったんだから、高い代償を払っているのよ?だから、どんどん使いなさい?今までのなんか捨てちゃって。物々交換しましょう、下着も。気に入らないなら別だけれど。正直に言ってほしいの。別のを探してきてあげる。」「いえ、気に入らないなんて、飛んでもないことです。ただ勿体なかったものですから。」「じゃ、物々交換しましょうね?油に汚れるって、じゃ、作業着を着て仕事するの?」「はい。普段着では、すぐ駄目になりますから。」「じゃ、作業着を持っていらっしゃい。洗濯してあげるから。」「有難うございます。」
5/18(水)の記事は続きます。[編者]
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