「ボーイフレンドは結構です。お姉ちゃんだけで十分です。」「駄目よ。ボーイフレンドと、上手に交際ができて一人前よ。好きな人が出来てご覧なさい、きっと、自分でびっくりするような、良いことがあるのよ!」「何ですか。」「出来てからのお楽しみ。でも、今まで、一人も、男の子の友達がいなかったの?」「放ってけ坊です。」「見ていらっしゃい、今に、よりどり由加里だから。このパジャマ、どう?気に入ってくれた?」「有難うございます、こんなに良い物を。着心地が良くて、本当に有難うございます。」「良かった。下着はどう?サイズは合った?」「勿体なくて、まだ着けていません。とても高そうな品物で。」「上よ。ブラジャー。」「寝込むときに着ける物ではありません。傷めてしまいますから。自分の安いので十分です。」「でも、青リボンの、着けて寝ていたでしょう?きつくなかった?」「どうして知っているんですか。」「だって、洗面所に置いたじゃない。あれを着けて寝たんじゃないの?」「はい、でも、勿体ないと思って、朝、自分のに着替えました。」「馬鹿ね、勿体ない勿体ないって。使うためにあるんでしょう?ほかにもあるのよ?全部、リボンの色が違っているの。取敢えず六枚買ってみたんだけれど、合うようだったら、又買ってきてあげる。だから、どんどん使っちゃいなさい?どうだった?着けてみて。きつくはなかった?」「今まで着けていたのとは随分違いました。出掛けるときに着けます。寝るときに着けるのは、やっぱり勿体ないので。」「馬鹿ね、寝るときにブラジャーをする人が何処にいるの。寝るときは外すものよ。心臓に悪いわよ?」「滋子お姉ちゃんは取らないんですか。」
5/18(水)の記事は続きます。[編者]
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