鏡台の前に立って、手鏡を持ち、体を、前に倒したり、屈んだり、色々な角度から、どう見えるか調べた。まったく、正気の沙汰ではない。でも、そうすることで、そのときに、初て、自分が、いかに思慮のない女であったかを思知らされた。私という女は自信過剰で、意識こそしていなかった(?)けれど、浅ましい心の奥では、見せびらかす意図があったのだろうか。それは、これから、時間を掛けて悔いれば良い。当面の問題は坊だ。あの、ぺらぺらなのを、何度着たのだろう。まだ、ほかに、何枚持っているのだろう。あれでは、人前で屈んだ回数だけ、秘密を知られた恐がある。サイズだて、彼女のサイズではないではないか。私でさえ、危くて着られない。それを、昨日、又着てきた。今度は黄色いの。あれで、タクシーに、荷物を運んだりしたのだ!ポーチを上ってくるときから、案の定、大開に開いていた。私にお辞儀をして挨拶をしたときも。「今日からお世話になります。」と言いつつ、一瞬、乳房を現した。テテマロとじゃれているときも。私は、不機嫌を、顔に出すまいと苦心した。どうして取上げるか考えなければ。
5/16(月)の記事は続きます。[編者]
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