4/17(日)
My Raymond
今日は、朝の八時過から、由加里が来ました。大雨で外には出られませんでした。おまけに肌寒くて。昨日は、雨でしたけれど暖かったので、又、体の調子が変になりはしないかと心配です。もん君、また看病してね?
今6:04。少しだけ疲れました。由加里は、三十分位前に帰りました。一緒に、朝食と、午後のお茶と、夕飯を食べました。昨日も、雨で、買物に行け なかったので、ボルシチは、又々お預になりました。喜久家もお預です。昨日は、今日ほど降っていなかったので、買物位、出掛けようと思えば出掛けられたの ですけれど、病気が治ったばかりだし、あなたにも、又心配させたくないし、大人しくしていました。そしたら、二時頃に、突然、パパがやってきて、ホテルの 方に用事があったんで寄ってみた、どうや、元気かといって訪ねてきたので、結局、出掛けなくて良かったのです。
津軽の雨は、平野に降れや。酒田の雨は、集めてどっと、最上川。これ、何だと思いますか。由加里のために作った早口言葉です。このあいだから練習さ せているのです。それは、先週の日曜日、十日のことです。その日が第一回目のレッスン、今日は第二回目でした。第一回目は、彼女が、私の病みあがりに遠慮 して、三四十分でおしまいになりましたけれど、今日は、一日やりました。創世記の前半で、アブラムが、ファラオに嘘をつくところまで、ゆっくり朗読しまし た。あなたは、「へー、あんなのを?」と言うでしょうね、特に、新改訳がきらいだから。でも良いのです。舌を噛みそうな名前が、沢山沢山出てくるので、今 は、それで読んでいるのです。その方が練習になるでしょう?全部振仮名がしてあるし、つっかえずに読める。彼女は、母音がおかしいので、難しい名前を、沢 山言わせて、正しい音が出せるようにしたいだけなので、内容は、別に、何でも良いと思ったのです。ところが、どうでしょう、途中で、「これ、本当のことで すか。」と尋ねるのです。神、その形の如くに、人を作り、これを、男と女に作り給へりの所です。目を皿のようにして尋ねるのです。始めるときに、「この本 は、聖書といって、神様の御言葉よ?」と言って渡したので、本当にしたのですね。それで、「本当と信じる人には本当。私のように。」と言いましたら、 「じゃ、本当なんですね。」と言って、また読始めましたけれど、おやつのときも、夕食のときも、ずっと床しそうにするので、ヨセフやモーセやヨシュアなど のことから始めて、サムソンとか、サウル、ダビデ、ソロモンのこととか、ヨブ、ヨナなどの話をして、それから、救主のことも聞かせるあいだにも、「それ も、全部、聖書に書いてあることですか。」と、何度も尋ねます。「ね、その聖書、坊に上げるから、うちで読んでみる?」と言いましたら、彼女はとても嬉し そうでした。
それで、今日は、聖書に明暮れました。帰に、送っていこうと言いましても、一人で大丈夫ですと言って聞入れません。ドアを閉めてしまって、傘を差し て、すたすたと行ってしましました。「お姉さん。」とは、まだ、あれきり言いません。「坊、坊。」と、しきりに呼掛けるのですけれど、ばつが悪くて、言い にくいのです。
次のレッスンは土曜日です。今度こそ、必ず、ボルシチの材料を買っておいて、それから、キクヤも。あさもよしキクヤのネオンともすらむ山手は雨とけぶりくれつつ、なーんて。けぶるなんてあるかしら。今宵の雨は、静かに降れや。
My Raymond's
Shigeko
滋子の手書き原稿に忠実な翻字は以下で
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