確、病気になる前にも書きましたように、彼女は、訛を気にするところから、気おくれがして、ろくに、挨拶ひとつできない自分を情なく思って、私に相 談したくて、実は、今日は、それで伺ったのだと言います。そして、又、顔を真赤にして、お金は払いますから、正しい話しかたを教えてもらえないでしょう か、お話のなさりかたをうかがって、お言葉のお綺麗さに感心致しました、どうぞ、私にもお教頂けないでしょうかと、耳まで赤くなって、涙ぐみながら絞出す のを聞いて、ますます、この子が愛しくなりました。私は、喜んで教えてあげるけれど、そんなことは、教えたり、教ったりするものじゃないと思うわ、こうし て、一緒にいれば、自然と身につくものよ、それより、私からお願するわ、このあいだも言ったことだけれど、私、友達がいないから、由加里ちゃんが来てくれ て、話相手になってくれたら、本当に嬉しい、だって、こうして、誰かと、ご飯を食べるの、お正月以来よ？だから、いつでも、好きなときに来て頂戴。私、い つでも待っているから。んん、言いかたが変ね、由加里ちゃんとは、もう、お友達なんだから。他人行儀はいけないわね。話しかたレッスン、いつから始めよう か。」と言いましたら、「あのー、今度の日曜日は・・・。」と、まだ遠慮するので、「ね、由加里ちゃん、今度の日曜日、暇かしら。」と尋ねましたら、「は い。」と言うので、「由加里ちゃん、今度の日曜日にデートしない？鎌倉か、東京か、何処かに行きましょうか。」と言いました。
けっきょく、横浜を見ることにしました。彼女は、まだ、山下公園にも行っかことがなかったのです。そして、その日は、とても良い日でした。雲ひとつ なくて、会話も弾み、お互の話もできたし、あなたのことも、ちょっと話しましたら、酷く真剣になって聞いていました。だって、あの子にばかり、気の毒な話 がさせられないもの。良いデートをして、帰はエノキテイに寄って、うちでスチューを作って、本当に良い日でした。
実は、明日も、朝から来る約束なのです。明日といって、もう２：４４ですから、６時間もありませんね。眠れるかどうか分りませんけれど、今日は、もう、そろそろ寝ます。今日、パパが来ました。愛しています。貴方のことよ？
My Raymond's
Shigeko
滋子の手書き原稿に忠実な翻字は以下で
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