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己 呂 武 反 而   作者: https://youtube.com/kusegao
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編者注:以下に示す下書きのごときは、原本の体裁を検索画面に反映させるのが最も困難なところ。スミツキ括弧【▼○△○】は、今までと同様に、ミセケチを意味するが、ここではそれとは別に、挿入句が用いられる。ヤマ括弧<☓○△☓>の中に入れるとしよう。但し、挿入句の中に更に二次的な挿入句がある場合、初めの一次的な大挿入を二重のヤマ括弧《☓▼○☓》であらわし、その中へ二次挿入<☓○△☓>を入れるものとする。(天野)

【ヒロオキ】ひろおき君

   昨日は【とまりに】来てくれてありがとう。【寝苦しくなかった?】<眠れなかったんじゃない?>実は【私】<わたし>も。いやだったでしょう?【お姉さん二人と】<お姉さん一人、おばん一人と>ひとつ屋根の下で寝るなんて。何事も経験よ!僕【ちゃん】も知らない女の人に付いて行っちゃ駄目よ?可愛い坊やをかどわかす悪い女<の人>が沢山いますからね。なーんて。<怒った?>ひろおき君、【私】<わたし>のこと、変なおばんだと思っているんでしょう。何て品のない困ったおばんだろうって。そんなふうに思わないで<?>【頂戴、】お願。【本当】<ほんとう>は、こう見えて、けっこう優しくて上品なお姉さん【なのよ!】<なんですよ!>That's right, こう見えてのとおり、<まだ>お姉さんなのです、【まだ、】わたしは。《としを言っちゃおうかなー。【貴方】<ひろおき君>だから【言っても】<教えてあげても>いいかな。でも、当ててみて?いいえ、I am no longer a teenager, needfully said.【貴方の】<ひろおき君の>むっつ上です。おばんですね、もう、きっと、貴方から見れば。だから、【もう少し】行儀よく<しているつもりなのに、>【しなければいけないのに。】》【それが】どうしてでしょう、<貴方の前、いえ、>ひろおき君の前だと【わたしのいけないもの】《悪い<ところ>【もの】ばかり》が【出て】<あらわれて>しまうの。そうだからといって、わたし【まで】を【いけない女と】<悪く>思わないでくださいね。これに懲りずにまた遊びにきて下さい。<どう ぞ、どうぞ、>また近いうちに。<今度までに上品なお姉さんに戻って見せます。>

   ひろおき君、<ありがとう>【有難う】。【昨日は。】<きのうは。>【優しくしてくれて。】連弾のとき【に背中に手を回してくれた】<の>ことです。ああいうことはよくあるの。【だから心配しないで?】そうです!こんなにでーっかい図体をしていても、じつは、か弱い乙女なのです、なーんて。【もう、私、連弾は貴方としかできませんね。ああして起してもらわなかったら、】そのまま気を失うことだってあるのよ?実は。【本当にうれしかった。】<だから、助りました。>貴方の【手の優しさ】<お心遣>を、わたし、【ずーっと】<決して>忘れません。

   ひろおき君、<あのね、>ひとつお願があるの。これはわたしからするお願。由加里ちゃんは何も知らないこと。由加里ちゃんと、<一回だけ>デートしてやって頂けないかしら。迷惑に思わないでね?【それから、】決して、<決して、>こんな押しつけがましいお願をするために泊ってもらったんじゃないのよ?それは、絶対そうじゃない。わたしは心からひろおき君と【仲良く】<友人に>なりたかった。音楽の話をしたり、連弾したり、レコードを聴いたり、それから、毒物精製に凝ったりする愉快なお友達の話を聞かせてもらったり、貴方となら【本当に】楽しい【ことが】<思出が>沢山【できそう】<つくれそう>。本当に、本当に、わたしそう思っている<。>【のよ?】だから、これからも、しょっちゅう遊びにきてくださいね。《由加里ちゃんと【滋子お姉さん】<しげ子>がお待しております。》

   それで、デートのことなんだけれど、【ぜひ】ぜひ承諾して頂けないかしら。話せば長くなるけれど、由加里ちゃんは本当にいじらしくて、あんなに素直で良い子なのに、生立が幸ではなかった。あの子、修学旅行に行ったこともなければ、男の子と話をしたこともないの。あんなに可愛いのに、十九才になって、男の人とデートをした【り、手をつないだ】こともないのよ?【そして、ここだけの話だけれど、ひろおき君に恋しちゃっているらしいの!どうか助けて。】<素敵な夢を見せてやって頂けないかしら。>一回でいいから、【手をつないで】<一緒に>歩いてやってほしいの。

   それからね、あの子、【貴方が好きなんだけれど自分からは言出せない。分るでしょう?】<とても内気なの。分るでしょう?>だから、貴方から誘ってやって?どこまでも勝手なお願でしょう?でも、貴方だから、わたし、<わたし>貴方を<心から>尊敬しているから<。だから>お願【するの】<してもいいと思ったの>。【おばん】<【しげ子】おばん>の図々しい要望を聞入れて<やって>【下さらない】?そして、貴方【の方から】も何でも<仰ってね>【言ってください】。わたし、どんなことでも聞くわ?<ほんとう>【本当】よ?

   この一件、我等両名が間、些なる秘め事と致しましょうね!いっぺん会ってくださる?由加里ちゃんのいない所で<、できたら段取を決めておきたいから>。【お電話ください。】<電話をくだ【さるわね】さいね。>待っています。


                             Yours  <ever>

滋子の手書き原稿に忠実な翻字は以下で

https://db.tt/dzwCgRcb


目次はこちら

http://db.tt/fsQ61YjO

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