その美しい一回ですんでしまった。そのあとで、学校で、同じことを、何遍も何遍も、酷く分りにくく教えた。先生は、絵を使って、難しい言いかたをして、皆にひやかされながら、照れたり、ニヤニヤしたりしたけれど、子供心に、何て変な教えかただろうと思った。気の所為かしら、性教育を受ける度に、皆は、自分の体が悩の種になってゆくように見えた。きっと、下品で馬鹿らしい教えかたが災するのだ。私は、絶対に誤魔化さない先生についたから、全然悩まなかった。学校では、オナニ、オナニと言って、ひとり空想して、自分の体を弄ぶ癖がついている子もいれば、ボーイフレンドと、現に活動している子が何人もいて、しょっちゅう、ひそひそ話をしていた。そうなるのも、下品な性教育を施したからに違ない。そして、そういう子が、一番、私を変態ポリーと言ってからかった。私には、オナニ祥子さん、オナニ登志子さん達こそ、変態者に思えてならないのに。
6/27(月)の記事は続きます。[編者]
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