パパは、それを、美しい思出のひとつにしてくれた。なぜ、私の胸が膨んできたのか、私が、これから、どんなに綺麗になってゆくのか。近いうちには、下から血が出るようになるけれど、何にも心配することはない、痛いかもしれないけれど、悩むことは全然ないよ、滋坊が生れてきた日から、パパは、それを、ずっと心待にしているんだから、その日はお祝しよう。体の変化は、ひとつひとつが、滋坊を、美人にしていくんだから、喜びなさいと。パパのちんちんを、ちょっと触ってごらんと言って、滋子は、一番初、パパの此処から出てきた。だから、此処は、ちっとも汚い所ではない。パパの此処がなかったら、 滋子だって存在しなかった。だから、おしっこは、少しも汚い物ではない。うんちだって汚くなんかはない。汚い汚いというのは嘘をついて、皆を騙しているだけだ。騙して考えないようにしている。滋子には、本当のことしか教えない。滋子は賢い。自分の頭で考えるのだ。滋子は、此処から出てきて、それから、ママのおなかの中に入った。十箇月間、朝も昼も夜も大切に大切にされて、ママの中から出てきた。滋子が出てきたときの、わしの気持が分るか、なあ、滋子。滋子は、パパとママの、何よりの宝物だ。滋子の為になら何だってできる、滋子の為に生きていると言っても良い位だ。分るか、なあ、滋子と言ってうしろから抱っこして、涙を流しながら、背中一面に、髭のちくちくする口でくちづけした。鏡に向って脚を開かせて、しっかりと見えるようにして、中に指を入れるようにさせて、将来、滋子の旦那さんは、滋子を抱締めて、ちんちんを使って、此処に、赤ん坊の種を植えてくれる、滋子の旦那さんだけがしてくれる、最高に尊い行為だ、何しろ、おなかに、滋子の分身を作ってくれるのだ。十箇月したら、赤ん坊は、又、此処から出てくるのだ。だから楽しみにしていなさい。そして、滋子は、旦那さんに沢山抱締めてもらって、沢山赤ん坊を産むことだ。滋子は賢いから、男の人が、此処に、ちんちんを入れることが、どういうことかは分ったな。自分の頭で考えれば分るな。ちょっとも厭らしくはない。ちょっとも恥ずかしいことではない。でも、厭らしい厭らしいと、変なふうに言って笑う人がいるかもしれない。おしっことうんちが汚い汚いと言う人だっているかもしれないなと、ありのままに、分易く教えてくれた。
6/27(月)の記事は続きます。[編者]
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