表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
己 呂 武 反 而   作者: https://youtube.com/kusegao
148/197

                                      

   小学五年生のときだった。パパは、それまでは、滋子は可愛いな、本当に可愛い、ほかの、どの子と比べても、一番可愛い顔をしている、心が優しい、正直だ、滋子は良い子だと言って喜んでくれたのが、胸が膨みはじめると、パパは、お湯に漬りながら、優しいような、悲しいような目で見るようになった。それが、私は大好きだった。そのときから、パパは、別の言葉で褒めた。滋子は美人だ、すばらしい美人だ、ほかの、どの子と比べても、一番綺麗だ、滋子は優しい子だ、滋子は正直な子だ、滋子は良い子だと、一緒に漬りながら、ふた言目には、そんなことを言って、私を、良い気分にさせた。ママはそうでもないけれど、パパは、どんなときにでも褒めることしかしない。きっと、本当に、私を世界一だと信じて疑わないのだろう。私も、パパの言うことを、そのまま信じた。私は美人で、優しくて、正直で、良い女の子になったと。高慢にもなったかもしれないけれど。性教育も、学校で習うより先に、お風呂で、パパの膝上で、すっかり習ってしまった。

6/27(月)の記事は続きます。[編者]


滋子の手書き原稿に忠実な翻字は以下で

http://db.tt/M2nc69Pb


目次はこちら

http://db.tt/fsQ61YjO

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ