でも、良い工合に、彼と隣あわせに座っていたので、彼に見られずにすんだ。彼にも、そのような余裕はなかったけれど。どぎまぎするのに忙しくて。ビッグ・シスターは、そこまで計算した上で、質問を放ったのであーる。案の定、ガールフレンドでも何でもなかった。卿の激しい弁明によれば、彼女はpromの相手で、今まで二回しか会ったことがなくて、promの当日に初て紹介されて、セント・モーズの人で、それまでは会ったこともなくて、だから話をしたこともなくて、promの相手がいないから友達に頼んだら紹介された人なだけで、本当にその日に初て会った人で、元町を歩いていたのはpromに来てくれたお礼に食事に誘っただけで、しかも友達と一緒の四人だったしで、その後一度も会っていなくて、電話も掛けていない。「由加里ちゃん、デザートは何にしましょうか。」うぶな卿も、何か様子がおかしいと感じなかったはずは。それにしても、シニアーでもないのに、promとは何事だろう。生意気な。ということは、もん君!あなたもprom!しまった、今まで考えてもみなかった。ちょっと、答えるのよ。夢でも何でも良いから出ていらっしゃい。初恋の方ってpromのお相手?激しく弁明して頂戴。
滋子の手書き原稿に忠実な翻字は以下で
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