坊は、このごろ、一生懸命、英語を勉強している。バイロン君のことがあるからとばかりではないようだ。もともと、勉強が大好きで、そのうえ、翻訳小説を沢山読むので、特に、英語には興味があるらしい。中学で習ったあとは、ずっとほったらかしてあったということだけれど、簡単な文なら、少し、ヒントを与えれば読めるし書ける。ナオミと違って、Sally looking for broomstick. She will flying to Tokyo Disneyland with Yoshiko. とは書かない。そういえば、ナオミの英語に泣かされたのもジョージだった!夕食後は、Conversation Book One を使って楽しく英会話か、でなければ、一緒に、音楽を聴いたり、何でもない話をして過す。そういうときも、なるべく英語を使うようにする。"Do you love your big sister, Beau?" "Very much, Annie." "How very much?" "This very much." と言って抱付いてくるのが、寝る前の挨拶になった。存分に抱締めたあとは、くちづけして、鼻と鼻をこすりあう。癖で、唇を離す前に、少しだけ、舌の先を出して、坊の唇に触れていたのが、坊も、それが、普通の仕方のように思違をして、舌を突出したので、このあいだなんか、舌と舌がぶつかってびっくりした。私のすることなら、恥ずかしがったりすることなく、何でも、素直に受入れる。何て可愛い!舌の先に、別の舌先を感じたときは、さすがにはっとして、目を開けたけれど、坊は、かえって、いつものように目を閉じていた。私の方が、少し赤くなるような気がしたので、見られなくて良かった。でも癪だったから、"Don't you try that again on anyone, do you understand? except on your sister of course and, perhaps, on Lord Byron?" と言った。賢い子なので、見る見る赤くなった。
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