6/12(日)雨
別行動a。今日は、坊も、部屋で勉強だし、私も、ピアノはよして、溜っている事を、思付くままに書いていこう。
まずは、いずれも様最大の関心事、坊の恋は。ひと言で、進展なし。でも、口に出しては言わないけれど、本人は思詰めている。相変らず、朝食後に、テテを連れて出掛ける。というより、私が、「テテの散歩をお願ね。」と言って、月曜から金曜は、毎日出掛けさせる。何処に行くのか、確なことは分らないけれど、きっと、元町公園をうろうろするのだろう。三十分位したら戻って、再び、自転車で出掛けることもあるし、部屋に上って読書することもある。最近では、ラジオの英語番組を、よく聴いているようだ。天気の良い日は、別行動の時間でも、二人一緒に庭に出て、読書することがある。先週の金曜日だったかしら、木曜日だったかしら、椅子を並べて、本を読んだ。坊は、図書館で見つけてきた、高橋健二訳のファウストを読んでいた。読比べてごらんと、義孝訳を持ってきてやったら、そっちが気に入ったと言って、今も借りているから、まだ読んでいるのだろう。坊が部屋にいるときは、なるべく、ピアノを鳴さないようにして、出掛けているあいだだけ弾いていた。坊は気が付いて、「あの、もしかして、私のことを考えてくれて弾かないのでしたら、私は、全然気になりません。お姉ちゃんのピアノを聴きながら勉強するのは楽しいので、もっと弾いて下さい。」と言ってからは、断ってから練習することにした。ジョージのことを聞いて以来、坊には、テテの散歩を、日に二度させている。二度目は二時四十五分から。セント・ジョセフの下校時間が二時五十五分だと分ったので。だもので、お茶の時間が三時半になった。かわいそうに、最近、見掛けないと言う。初恋ではないだろうけれど、かなり悄気ている。私に打明けた所為で、一層、思が募出したのかもしれない。
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