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己 呂 武 反 而   作者: https://youtube.com/kusegao
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5/29(日)雨

   別行動b、二時、自室。坊は、下で、レコードを聴いている。上野の博物館に行く予定が、天気が悪いので取りやめ。

   昨日の続。即、一昨日二十七日、キクヤの坊。いざ、坊や、いかにとかせん、あわれあわれ。

   坊は、テーブルに蹲るように小さくなって、災難が、早く、頭の上を通りすぎてくれるのを待つ態で、私をも見上げようとしない。

   バイロン君は、度々、私に、横目を使った。私も、そういうときに、彼の目を捉えようと、彼を見た。目と目が会うと、その都度に、微笑みかけたので、彼は、尚気になって、ちらちら見た。

   かわいそうに、背中を丸め、首根っ子まで、赤く染っている坊にも注意しだした。でも、バイロン君に、その意味が分るものか。

   私は、もう少し楽しんでいたかったので残念だったけれど、坊にとっては神様のお助、私達のテーブルに、ウエーターが、メニューを持ってくるのと入違に、一団は、間もなく、どやどやと立っていった。

   最後に、私は、バイロン君に、深々とお辞儀したので、向うがわの何人かの見咎めるところとなった。口髭の紳士が、低い声で、"Do you know the young lady, George?" と言った。ジョージ?吹出してしまった。"A lady's boy, are you eh, George?" と、のっぽのメフィストフェレスに小突かれつつ退場した。あなかしましや、喜久家の二階。


滋子の手書き原稿に忠実な翻字は以下で

http://db.tt/wiixYXDN


目次はこちら

http://db.tt/fsQ61YjO

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