5/24(火)曇
別行動a、八時十五分。庭に出て書く。由加里、テテマロと外出。最近、鍵盤に触れず。弾きかたさえ忘れそう。でも、規則的な生活はしている。まだましか。以前の、夜中に、雨の音を聞きながら、鉛のように重たい頭で書いていた夜を思えば。今朝は、鶏の声とともに目覚めた。ぐっすり眠れた。本当に久しぶ り。
一昨日は暑かった。坊が、自分から、古い服を持って下りてきた。アパートから持ってきた、私を苦しめたシャツや何かだ。このうちのどれがいけませんかと言って聞きにきた。四枚あるが、全部、同じように問題外なので、今度の誕生日に、ワンピースをプレゼントするから物々交換ねと言って没収した。その前に、一番ひらひらした白いのを着せて、庭に出てみた。丁度、真上に、太陽があって、胸元を調べるには好都合だった。テテマロを放して、坊と遊ばせながら、ずっと観察したが、気がかりだったことも解消した。何度も、猫背になって胸をはだけた。オレンジ・リボンのベティ・クレアズ製を着けていた。どんな姿勢をとっても緩むことがないと分って、これで、すっかり安心した。あの、忌わしい夢を見てから、又、不安が募ってきていたところだったので。やっぱり、坊のことでは、世話を焼かずにはいられない。誰かに見られたかもしれないと思うと、坊を、不憫に思う反面はありながら、私自身悔しくもあり、見せた坊を、憎く思う気持さえ涌いてくる。冗談ではなく、私は、手が付けられないほど嫉妬深いようだ。だのに、彼に対して、どんな思をさせたことだろう。まったく、人のことが言えた義理ではない。
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