5/23(月)曇
今は、丁度、別行動aの時間、八時半。坊は、テテマロを連れて出掛けた。気ままに歩いて、この辺の地理を究めるのだと言う。スカートを穿くと、まったく、あどけない少女だ。昨日、元町で買った。初ての麦藁帽子には戸惑っていた。
私は、又、ピアノを怠けそうだ。本当は、こんな物を書いている時間ではないのだ。今朝は、ちゃんと六時半に起床した。坊の部屋に行ってみると、もう着替えていて、窓から庭を見おろしていた。テテマロに、何か合図しているらしかった。おはようと言って、腕を広げたら、自分から飛込んできて、待受けるように見上げた。もう、口にされるのに慣れてしまった。ちゃんと、目を瞑る癖も付いた。これなら、ボーイフレンドが出来ても、うまくゆくだろう。彼女は、熟睡できるらしい。かえって、私の方が、不眠が治らなくて困ってしまう。ゆうべは、少し眠れたけれど。でも、相変らず、我の頭は泳いでいるところだ。
さっき、お小遣を上げると言ったら、いいえ、飛んでもないと、初は拒否した。服を買ってもらう、レッスンしてもらう、此処に居候させてもらう、それでも、十分心苦しいのに、その上お小遣までと、びっくりした顔をして手を振った。少しなら、貯金があるそうだ。暫く押問答、結局、受取らせたけれど。週に五千円と決めて、じゃ、それ以上のかかりは、坊が、自分の貯金から出しなさいということで。お姉ちゃんは大丈夫、坊がレイディーになって、新しい仕事に就いたら返してもらうからとも。
滋子の手書き原稿に忠実な翻字は以下で
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