第一話
強くなるにはどうしたらいいだろう。
思えば俺の人生はこの一言から始まったのだろう。
一般よりも貧乏で虐められた。唯それだけだというのに。
その後、親が自殺した。しかし引き取ってくれる場所などなく施設に送られた。
高校生になっても虐められた。施設に居るからというだけで虐められた。
それから俺は体を鍛えはじめた。どうやら俺は体の自然治癒が凄まじいらしい。
鍛えて、鍛えて、鍛え尽くした。
しかし体は筋肉が余りつかない。どうやら飯をあまり食べていなかったのが今になって来たのか成長を余りしないらしい。
かと言って全くしない訳でもないので鍛えた。
三年間鍛えたお陰か俺の体はもう殆ど鍛えられている気がしない。
その時に昔、自らの体を壊して強く強靭にしていくという話を思い出した。
だから実践してみることにした。
さらに三年後
俺の体で壊れなかった所はなくなった。
やっている途中で危ないと止められたので施設はもう出て行ってしまった。
その後はひたすら働きまくって、家を買いそこで鍛えている。
話を戻そう。
確かに俺の体は昔よりも遥かに強靭になった。
脳のリミッターを外し、人外レベルでの動きもできるようになった。
しかし迫り来る老いには勝てない。だから仙道というものを学ぼうと中国に行った。
結果的には私は仙道をマスターした。しかしその頃にはもう体は限界を迎えていた。
その三十五年後、私は死んだ。
九十一年の長い生涯だった。