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あなたの為だけに  作者: 夜猫
4/7

その三

「物の化は、自虐趣味でもあるの?」


 あれから、庭に物の化からの贈り物を植えさせてから数日。朝と言わず、夜と言わず。物の化が隣にいることが日常となるだけの日数が過ぎた、よく晴れた日。唐突に。それこそ、何の脈絡もなく、(しゅ)をかけて下さい、と言われた。呪とは、呪い、というわけで。

「私は陰陽師じゃないわ」

「ええ、存じています。ですが、これは姫君にも簡単に出来る事ですし、姫君も、私を縛っておいた方が何かと安心でしょう?私も、物の化だの桜の化身だのと言い合うのも飽きましたし、ですから、名を付けて頂きたいな、と」

「名前……ああ、なんだ。私はてっきり、呪ってくれと頼まれたのかと」

「その通りですよ。名前は、一番簡単な呪いです。相手の名を知ることにより、その相手を縛ることが出来る。私側の視点ですと、陰陽師に知られてしまうと式神とされて、こき使われてしまったりするんでしょうねえ」

「私がつけて良いの?」

「姫君だからこそ、付けて頂きたいのですよ。そして、私に縛られても良いとお思いになられる日が来たら、私にもどうか姫君の名前を」

「ありえないわ」

「気長に待ちますよ」

ありがとうございました。

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