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巫女、引退前年
「爺や、おはようー!」
「これはこれは……怜璃様。松の内も明けましたし、今日ばかりはごゆっくり、お休みになってもよろしいのではないですか? 今年は7日間連続で、筆頭巫女として立派におつとめを果たされたと伺っておりますし、まだ消化も完全にはお済みでないようにお見受け致しますが……」
「うーん。気持ちは嬉しいけど、来年が私にとって最後のお祭りだし、ちゃんと準備をして臨みたいからなぁー」
「『怜璃は無茶をするので心配だ……』と、権宮司も申しておりましたし……」
「大丈夫よ。私の器のことは、私が一番よく分かってるから。昨日は雨で参拝者が少なかったし、まだ一斗の白米くらいなら余裕で入るから……ほら、触ってみて……」
「こ、これっ……! 爺をっ……からかわれませぬようっ! ……………………怜璃様!?」
「な……なによ!?」
「恐れながら……今年は少し、減量の方もご検討いただいた方がよろしいかと……」