巫女、最年少で筆頭巫女に就任する
筆頭巫女は、一番大きな器を持つ巫女のことです。
「怜璃さまー!」
「わっ!? ……ふすまを開けるときは一呼吸あけてくれないか? すぐには襦袢を直せないから……」
「……あ、すみません……」
「……それで、どうした?」
「そろそろ、撮影のお時間です……」
「撮影!?」
「……筆頭巫女の就任記念撮影です。昨夜もご就寝前に、明日は撮影だと申し上げましたよね?」
「……ああ……そういえばそんなことを言われたような気もするが……何しろ寝る前はお腹が痛くて意識が曖昧だからなぁ……」
「……一昨日の昼にも申し上げておりますが……」
「……そうかもしれない……けれど昼は朝の詰め込みを終えたばかりで、お腹が苦しいからなぁ……」
「……撮影の決定を申し上げたのは朝でしたが……」
「……そうだったかな……でも朝は詰め込みでむせないように、集中しているからなぁ……」
「では、いつ申し上げればいいのでしょうか? とにかく! もうカメラマンさんがいらっしゃいますので、お清めに向かい、巫女服に袖をお通しいただけませんでしょうか?」
「……そうなのか? ただ、まだ満腹になっていなくて……困ったな……せめてあと、握り飯を50ほど食べる間、待っていてくれないか?」
「……なりません!」
「……今のまま写真を撮ったら、先輩の器の方が大きく見える気がするが……」
「……でしたら、お清めの滝で、水行がてら、お水を流し込まれるのがよろしいかと……」