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巫女、デビュー翌日
怜璃の巫女デビューは、どうだったのでしょうか?
「……おはよう……ございます……」
「おお怜璃ちゃん! 昨日は初めてのおつとめ、おつかれさま。今日くらい、ゆっくり休んでいていいんだよ……」
「……いえ……ちょっと動かないとっ……明日までに消化してくれないんで……。それに昨日は、お昼前に気を失っちゃいましたし……」
「お昼前、っていっても、11時半までは頬張ってたらしいじゃない? デビュー年なんだから、上出来だよ。それに、熱心な参拝者の多い、元旦だし……」
「……でも……私が気を失っちゃったから……先輩たちが私の分も食べなくちゃいけなくなって……」
「除夜の鐘が鳴ってる間から、いちばんハイペースで食べてたって聞いたよ。だから怜璃ちゃんは十分、器の役目は果たしたと思うなぁ……」
「わたし……正直、明日のシフト……怖いです。なんでこんなお祭り、あるんですかね……?」
「うーん……なんでかは分からないけど、ずっと昔からの伝統だからねぇ……」