第1章 辺境の村ケラテア 1
お久しぶりです。またちょくちょく投稿予定です。
チュートリアルダンジョンの最後の部屋に戻った私は、ダンジョン内で一夜を明かし、硬い地面の上で寝た事で凝り固まった体をストレッチでほぐすと、ダンジョンの外に向かって歩き始める。
ダンジョンを出ると外は明るくなっており、昨日は暗くて確認出来なかった岩山と岩山の間にある、人一人が通れる幅の道があるのを発見する。
私はその狭い道を歩いていると、岩山が途切れている箇所が見えてきた・・・、岩山の途切れた先は高台みたいな場所になっているようで辺りが見渡せるようになっていた。
高台の頂に立つと正面には、まず草原が見え、その先に畑、そして木の柵に覆われた村と思わしき建物の集まりが見えた、村の周囲は畑になっており、左右には森が広がっている、森と畑の境目には腰までぐらいの高さの木の柵と思わしき物が見える、村の先に目を向けるとその先も森になっているようだ。
私は村を目指し高台を降り歩き始める、村までは目測で5キロといったところであろうか?
私は高台を降り草原へと足を踏み入れた、草の高さは30cmぐらいと歩くのにはそこまで支障はない高さだ、しかし、たまに草むらでガサリと揺れる音などがすることから何かしらの生物がいるようである、注意をして村を目指そう・・・。
たまに鳴るガサリとした音に警戒しながら進み、特に魔物と遭遇する事は無く、村の畑に到着することが出来た。
しかし視力1.0だった転生前の私の体と現在の体は視力が違っていたようで、ここに辿り着くまでに太陽が真上に近いとこに来ている、時計を出し時間を確認すると、11時半か・・・、確か9時ごろにダンジョンを出発したので、時速4キロで歩いてたとして10キロ近く歩いたのか・・・。
しばらく柵の周囲を歩き、畑を囲っている木の柵の切れ目を探し見つけると、そこからは畑の間を通る道があり、その道を歩き村まで向かう、畑の中では数名、いかにも農民ですという恰好の人たちが働いており、こちらに気づくと怪訝そうな顔で見ていた。
そんな視線を感じながら村の4メートルは有りそうな木の柵のゲートに辿り着くと、手練れの老兵ですという見た目の爺さんが
老兵「見かけん顔だが村に何の用だ?」
と聞いてきた。
私は転生者で気付いたら近くのダンジョンに居たんです、と言おうものなら頭おかしい奴と思われ村に入れてもらえないだろうと思い、
私「旅をしている途中で賊の群れの襲撃に遭い、多勢に無勢な状態だったので、横に広がっていた森に逃げ込んだはいいのですが、今度は迷ってしまい森を彷徨っていると、あの遠くに見える高台を発見したので、あそこで一晩を明かし、起きて周囲を確認したらこの村が見えたので、来させてもらったという感じです」
私は遠くに見える高台を指差し説明した。
老兵「ふむ、それは大変だったな、ここはユーラヴェン大陸の最南端に位置する村ケラテアと言う村だ、この先南に行っても何もない、自給自足が基本の村だ」
私「ご丁寧に教えて頂きありがとうございます、元々目的地を決めずに、修行の為に旅をしていたのでしばらくこの村に厄介になってもよろしいでしょうか?」
老兵「儂には決められんから村長に会ってもらうとしよう、案内するので付いてこい」
私は老兵に付いて行き村長の家に案内される。
老兵は村の中央付近にある家に案内すると、家の扉をノックし
老兵「村長入るぞ!」
と声をかけ入って行ったので、私も慌てて家の中に入る。返事も待たずに入っていいのだろうか・・・?
家の中に入るとそこは、昔の日本の古民家のような作りの家で土間があり、そこに料理用の竈などがあり、左側のスペースが居住スペースで、一段上がっており靴を脱いで上がるようだ。
居住スペースにいるのが、かなり高齢だと思われるお爺さんで
爺さん「返事を言う前に入ってくるなと言うとるだろうがアーノルドッ!」
案内してくれた老兵はアーノルドという名前のようだ、
アーノルド「すまんすまん今度から気を付けるわ、それより客人を連れてきたぞ」
村長「前に注意した時も同じことを言うておったぞまったく、客人とはその青年かね?」
村長は私の方を向きながらアーノルドに聞く。
アーノルド「そうだ、どうも修行の旅をしているらしくてな、しばらくこの村に厄介になりたいそうだ」
村長「滞在してもらうのは構わんのじゃが・・・この村には宿屋なんて物はないからのぉ・・・村人も面識のない人間を泊めてくれるのは難しいじゃろう、儂も1泊ぐらいであれば良いのじゃがしばらくとなるとのぉ・・・」
当たり前であるが、急にどこから来たかも分からない余所者を泊めてくれるほど、うまくは出来ていないらしい、すると、
アーノルド「そしたら儂が面倒みよう、儂は一人暮らしで、余裕もあるしな」
村長「そうしてくれると助かるのぉ、したらば後はアーノルドに任せるぞ、お主・・・名前を聞いておらんかったな?名は何というのじゃ?」
私はそう聞かれ、転生前の日本の名前では違和感しかない為、急いで名前を考える。
色々考えたが・・・岩山の岩を思い出しロックとした、
私「ロックと言います」
村長「ロック殿ですな、何もない辺鄙なところにある村ですがよろしくお願いするのぉ」
アーノルド「そういや名前聞いて無かったな!儂はアーノルドだ!よろしくなっ!」
そういってバシバシッと背中を叩かれた。
私「村長もアーノルドさんもよろしくお願いします」
アーノルドはやはり相当な実力者なのか、叩かれた背中が痛む。
アーノルド「そうしたら早速儂の家に向かうか!」
そう言うと村長の家を出て行ってしまうので、私は慌てて村長に
私「しばらくの間お願いします」
と一礼し、出て行ってしまったアーノルドを追いかける。
村長「くれぐれも問題事は起こさぬようにのぉ」
と言い書類仕事の様なものに戻っていった。こんな小さな辺鄙な村でも収支の報告をしないといけないような事があるのだろうか?
外に出ると、アーノルドはちょっと離れたところで待っていてくれた、
アーノルド「おう、こっちだ!」
そう私に声をかけると、振り返りまたスタスタと行ってしまうので、私は駆け足で追いつき、付いて行く。
アーノルドはちらりと追いついた私を見、前を向き歩きながら、
アーノルド「儂は昔は、この地方を納める領主の下で兵士をしていてな、見た目で分かると思うがもういい歳でな、体力的に兵士の仕事をするのが厳しくなったんで、兵士を辞め、仕事一筋で嫁さんもいなかったから、街の家を売り払い、この村で余生を過ごそうと思って引っ越してきたんだ」
私は、雰囲気から強そうな感じを受けていたので、その言葉でやはり戦闘職の人だったかと納得する。
アーノルド「引っ越して来てみたら、冒険者ギルドが無い為か冒険者もおらず、たまに森から出てくる魔物に苦労してるって聞いたんでな、本当は畑でもやってのんびり余生を過ごすつもりだったんだが、魔物から畑を守る仕事を引き受けて、その代わりに野菜やらを貰って生活してんだよ」
と教えてくれた。
そんな話を聞きながら歩いていると、村の一番南にある家に到着した。南にある出入口の傍の家である。
アーノルド「ここが儂の家だ」
家自体は先程の村長の家と大して変わりはなく違う事は、木製の練習用と思われる3メートルぐらいの槍と、ラウンドシールドと呼ばれる木の丸い盾が家に立てかけてあるのと、家の横の空間に鍛錬するところと思われる、木人みたいなのが刺さった場所があるという所だろうか?
私の視線に気づいたのか
アーノルド「そいつらはな、儂が戦い方を教えてる・・・」
と話しをしていると遠くから
女の子「アーノルドさ~ん!!」
という声が聞こえてきた・・・。
人物等も出始めて物語が始まるって感じですかね?書け次第次話投稿いたします。




