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異世界転生?キャラメイクしたらゲームの世界でした  作者:
第2章 冒険者の始まり
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第2章 冒険者の街カリヴィア 9

お待たせしました。

楽しんで頂ければ幸いです。

 私はトルネオの道具屋で買い物を済ませ冒険者ギルドに到着し中へと入る。


 冒険者ギルドは昼過ぎという事もあり、中は人が全然おらず受付の人達も暇そうにしているようだ・・・。


 私は中途半端な時間なので、何か早めに終わりそうな依頼が無いかクエストボードを見ると、教会の孤児院の手伝いという報酬額が20ゴルドの、大分前から残っていると思われる依頼書を見つけたので、この依頼書を剥がし受付に向かう・・・。


 受付にいたメリッサさんに、

 私「すいませんメリッサさん、この依頼を受けたいんですけど・・・」

私はメリッサに依頼書を渡すと、

 メリッサ「おおっ、この依頼を受けてくれるのは助かるよロック君、この依頼、報酬が安すぎて誰も受けてくれないからずっと残ってたんだよね・・・」

 私「今からの時間でも大丈夫なんですかね?」

 メリッサ「多分大丈夫だと思うよ?確か大人の人じゃないと動かせない物を動かして欲しいとかそんな感じの依頼だったと思うからね」

 私「それじゃ今から行ってみますね、場所だけ教えて貰ってもいいですか?」

私がそう言うとメリッサは何かを取り出し、

 メリッサ「私お手製のこの街の地図を上げようじゃないか、それが低い報酬の代わりって訳じゃないんだけどね・・・、孤児院は教会の横にあるからよろしくね?」

私はメリッサお手製の地図を受け取り、孤児院に向かった・・・。


 私は地図を頼りに歩いていると教会が見えて来たので、そちらを目指して歩き・・・、教会に到着すると、教会の前を通り過ぎ、横にあるかなりボロボロの孤児院の前に到着した。


 孤児院の前には結構な数の子供が遊んでおり、老齢のシスターがそれを椅子に座りながら眺めていたので、シスターに近寄り、

 私「冒険者ギルドで依頼を受けて来たんですけど・・・」

そう言いながらシスターに依頼書を見せると、

 シスター「ああ、あの依頼を受けてくれたんですか?」

 私「ええ、何かを動かして欲しいと聞いたんですが?」

シスターは依頼書を見て、私の言葉聞くと椅子から立ち上がり、

 シスター「それではこちらにお願いします」

そう言って先を歩き始めたので付いて行くと、

 シスター「この扉を塞いでいる石をどかして欲しいのです」

私は隣の教会より大分こじんまりとした木造の教会の扉の前に、綺麗に四角にカットされた石が積み上げられ、教会の中に入れないようになっている状態を見て、

 私「なんでこんな事に?」

 シスター「お恥ずかしい話なんですが・・・、隣の教会と私の教会では崇めている神様が違いまして、隣は現在主流の光神様、私の教会は創造神様を崇めています、それで同じ神様を崇めているのですが・・・、隣の光神様の教会はうちの教会を壊して規模を大きくしたいみたいで・・・」

私はその話を聞き、嫌がらせを受けているのかと理解し、

 私「とりあえずこれをどければいいんですね?」

 シスター「お願いします、子供たちは横の窓から入ったり出来るんですが、私はこんな姿なので・・・」

私はシスターに離れるように伝え、一つ一つが50cm四方の石をどう動かすかと考え、とりあえず持てるか試すかと、縦に4つ横に3列で計12個の石の上に飛び乗り、持てるか試すと・・・普通に持てるな・・・、私も大分人間辞めてるなと思いながら、持ち上げた石をなるべく遠くに放る作業に入った・・・。


 石を放り投げていると、音を聞きつけた子供たちがシスターに近付かないよう言われ、ある程度の距離からこちらを見つめている中、上から2段全てどかしたので、地面におり後は普通にどかし、扉が開くようにすると、

 シスター「有難うございます」

そう言われ横を見るとシスターと子供たちが扉を開けて中に入って行ったので私も付いて行くと・・・。


 中は子供たちが出入りし掃除していたのか割と綺麗にしてあり、奥のステンドガラスの前にどこかで見た事在るような顔の神様の像が置かれており、その前でシスターが長い事祈れていなかったのであろう、熱心にお祈りをしているので黙って見ていた・・・、それにしても神様の顔に見覚えが・・・、どこで見たんだったか・・・、この感じは多分現世だと思うんだが・・・、PVで見たんだっけか・・・、私が唸っていると、

 シスター「有難うございます冒険者さん、おかげで久しぶりにカンナリ様にお祈りが出来ました」

私はその名前を聞いた瞬間にどこで見たのかを思い出したのだった・・・。


 それはゲームの開発者インタビューの記事を見た時に写真に写っていた、開発者の神成(かみなり)さんの顔にそっくりだったのだ・・・、そういえば創造神を自分の姿にしたって記事が書いてあったな・・・、確か敵側の暗黒神を、横から口を出して来てうざかった営業の人にちなんで付けたとか書いてあったんだよね・・・、そんな事を考えていたら、

 シスター「どうかしましたか?」

創造神の像をじっと見ていたので不思議そうな顔をされながら聞かれたので、

 私「いえ、なんでもないですよ、それと名乗り忘れてましたが、最近この街に来た冒険者のロックと言います」

 シスター「そう言えば私も名乗っていませんでしたね、創造神教のシスターのマチルダと申します、今日は依頼を受けて下さって有難うございますロックさん」

 私「こういっては何ですが、偶々時間が余ってギルドに行ったら依頼書が目に入って時間を潰す為に受けただけですのでそんなに感謝しなくていいですよ」

 シスター「普通は時間が余っていてもこんな安い報酬の依頼なんて受けてくれませんから、あなたはいい人なんでしょう、改めて有難うございます」

私は本当に暇つぶしの為に受けたので気まずいなぁと思っていると、

 子供A「おじさんありがとな!」

と、孤児院の子供にお礼を言われたがおじさんか・・・、精神年齢的には合ってるからまぁいいかと思っていると・・・、

 マチルダ「こらっ!おじさんじゃなくてお兄さんですよ!すいませんロックさん」

 私「いえ、気にしていませんので、それよりも外の石はどうしますか?いらなければちょっと試したい事があるので邪魔にならない所で試したいのですが・・・」

 マチルダ「必要無いので自由にして貰って構いませんよ?」

私はそれを聞き外に出ると、石を教会の裏手に持っていき、

 子供A「兄ちゃんそれどうするんだ?」

 私「ちょっと試したい事があるんだ、危ないから離れてな」

私は近寄って来た子供達に離れるように言い、離れたのを確認すると、

 私「強打掌!」

私は置いた石に瓦割をするようにスキルを撃つと、石が掌が当たった所を中心に罅が入り砕けたのだった。


 子供A「兄ちゃんすげぇなっ!俺もやりてぇっ!」

子供は真似しようとしたので、

 私「これは特殊な訓練をした私だから出来るんだ、君がやったら怪我するだけだよ」

 子供A「特殊な訓練って何をやればいいんだ?」

私は特殊な訓練など受けていなく、ただジョブを選んだから出来るだけなので、なんて説明するか・・・、と少し考え、

 私「まずは創造神さまに毎日、私はモンクになりたいとお祈りするんだ、そして・・・」

私は見本を見せるように強打掌を見せ、

 私「この素振りを毎日100回し続けるんだ、そうすればいつか出来るようになるかもね」

と、私は教えると、

 子供A「分かったよ兄ちゃん!俺絶対兄ちゃんみたいになるからな!」

そういって早速教会の中に入って行ったので、お祈りをするのだろう・・・、神成さんあの子をどうかモンクにしてやってくれ、私はそう創造神である神成さんにお願いするのだった・・・。後にこの子供が拳聖として世界を救うPTの一員となる・・・かもしれない。


 ・・・私は全ての石を砕き終え、シスターに、

 私「とりあえず全部の石を砕いておきましたので、再利用は出来ないでしょう」

 シスター「すみません助かりました、依頼書に完了のサインをしますので・・・」

私はシスターにそう言われ、そういえばサインを貰わないといけないんだったと思い出し、

 私「そうだった・・・、依頼書にサインを貰わないと完了出来ないんでしたね」

シスターに依頼書を渡すと、サインをし、返してくれたので、

 私「有難うございます」

 シスター「いえいえ、お礼を言うのはこちらの方ですから」

私が依頼を終えたので帰ると思ったのだろう、

 子供B「兄ちゃん暇なら遊ぼうぜ~?」

 子供C「そうだよ、遊んでよ~」

そんな感じに子供に群がられた私は、

 私「普段は何して遊んでるんだ?」

子供たちはそれぞれに、

 子供B「追いかけっこ!」

 子供C「かくれんぼ!」

と言った後に、でも同じことばっかしてるから飽きたと言っているので、砕いた石を使ってケラテアの村で子供達に教えた奴をやらせるかと思い、

 私「そしたらリバーシって奴を教えるから、炭があったら持って来てくれ」

そう言うと子供達は調理場か何かに炭を取りに行ったので、手頃な大きさの石を集めていると、

 子供B「持って来たぜ!」

私は子供から炭を受け取ると、ケラテアの村と同じように、裏側を炭で黒く塗り、地面にマス目を描きリバーシを教えた。


 子供たちがみんなでリバーシをやっているのを眺めていると、

 シスター「あんな遊びまで教えて頂いて、本当に有難うございます」

と感謝されたので気になっている事を聞いてみる、

 私「隣の教会に比べると、こういっては何ですが、大分差があるのはやはり主流では無くなってしまったからですか?」

 シスター「ええ、昔は創造神教しか無く皆創造神様を崇めていたのですが、何時頃出来たかはわかりませんが、光神教は強力な神力魔法を使える聖女を擁し、民を癒し信者を増やし勢力を拡げると、神殿騎士等を教会にお布施の多い街に配置し魔物の脅威から民を守るといった行動をするので、街は光神教を優遇し始め、民も何もしてくれない創造神教より光神教に移って行ってしまったので・・・」

私はそれを聞き、信者が減ったからお布施が減り教会の維持がままならず、光神教はお布施が多いから立派な教会を建てているという事か・・・。


 ・・・私は少し考え、

 私「シスター、先程私が教えたような遊びは見た事は無いんでしたよね?」

 シスター「ええ、昔王都の教会に行った事も有りますが、王都でも見た事はなかったですね・・・今は分かりませんが」

私はそれを聞き、神成さんの為にも、もう一仕事するかと思い、

 私「有難うございます、それでは私はギルドに戻りますので」

 シスター「本当に今日は有難うございました」

私は俺を言うシスターに別れを告げ、トルネオの店に急いで向かう・・・。


 私「トルネオさんいますか?」

私はトルネオさんの店に着くが、どうやら店は開いて無いらしい・・・、もしやと思い・・・。


 アイリスのパン屋に着くとこちらも開店はしていないみたいだが、中から人の気配がするので、扉を開け、

 私「アイリスさん、トルネオさんこちらにいませんか?」

私の声に反応した作業をしていたアイリスさんは、

 アイリス「お父さん!ロックさんがお父さんを探しに来ましたよ!」

アイリスさんの呼びかけで奥からトルネオさんが出て来て、

 トルネオ「ロック君どうした?まさか!パスタの販売権を!」

と掴みかかってきたので、

 私「違いますから!パスタはトルネオさんが作って売ってください、それに絡んだ話ではありますが・・・」

トルネオはパスタの販売権は無くならないと安心し、

 トルネオ「ふむ・・・利益の1割ではなく2割でという事かな?」

 私「いえ、そうではなく貰う利益の1割を創造神教の教会にお布施として払ってもらえますか?」

 トルネオ「創造神教ですか・・・、そういえば最近は光神教が主流で、あまり名前も聞くことが少なくなってましたね・・・、何か理由でもあるんですか?」

 私「私は一応神官っぽく無いですけど他所の大陸の神官でしてね、創造神教は私の崇める神様なので・・・」

 トルネオ「なるほど、ロック君は神官様だったのか、そう言う事であれば何も問題は無い、今後の利益の1割を創造神教にお布施しておこう」

私はもう一つ、

 私「それともう一つ、リバーシという遊びをご存じですか?」

 トルネオ「リバーシ・・・、聞いた事無いですね、今度はそれをお探しで?」

 私「いえ、これは私の故郷の遊びでして、もし知らないようでしたらこれも売って貰えないかと」

 トルネオ「ほう・・・売り物になるのですか・・・」

私はリバーシに必要な物と遊び方を説明し、商品として売る場合はちゃんとした物を作って売ればいい事を伝えると、

 トルネオ「なるほど・・・表と裏を用意出来る物であればなんでもよく、マス目は地面に描けるから誰でも遊ぶことが出来、それなりの人達がやる場合は専用のボードと専用の石か木材等を用意すればいいという事ですね・・・」

トルネオは少し考えると、

 トルネオ「これはっ!これは売れますっ!ロック君!いやっ!ロック様!こんな物まで売る権利を!有難うございます!」

私はトルネオに抱き着かれ、抱き着くなら後ろのアイリスにしてくれと思いながら、

 私「様はやめてください、それとこれの売り上げも創造神教にお願いしますね」

そう言ってトルネオを振りほどくと、

 トルネオ「ああ、すまない、取り乱してしまった・・・、了解したよ、知り合いに作成を頼んで売ってみよう」

 私「よろしくお願いします・・・」

私はそう言って店を出ようとすると、

 トルネオ「ロック君ちなみにうちの娘はいらんかね?少し歳は行ってしまっているが私に似ず美人だよ?ごはぁっ!」

トルネオさんはその言葉を最後に倒れた・・・、後ろにはフライパンを振り下ろしたアイリスさんがいた・・・、

 アイリス「ごめんなさいね?父の言葉は気にしないでくださいね?オホホホ」

と、トルネオの後ろ襟を掴んで引きずって奥に消えていくアイリス・・・、あの細腕のどこにあんな力が・・・。


 私はアイリスの店からギルドに向かい到着すると、

 セシリア「あら?今日は一人ですか?」

私はばったりギルドから出て来たセシリアとアルテミスに遭遇すると、

 私「今日は休みにして、それぞれ自分の買い物なんかをする為に別行動しててね、私は時間が余ったから街の依頼を受けた帰りなんですよ」

 セシリア「なるほど・・・、私たちも無事アルキノコの納品が終わった所でして、それでは失礼しますわ」

そう言うとセシリアさんとセシリアさんの陰に隠れるようにアルテミスは立ち去って行った・・・。


 私は依頼の完了の為列に並んで順番を待っていると、狙ってはいないがメリッサさんの前が空いた時に順番が回って来た・・・、

 メリッサ「おっ、ロック君無事終わったみたいだね?」

 私「ええ、教会の扉の前に石が積まれて入れなくなっていたのを、どかして割っておきましたよ」

 メリッサ「そっか・・・、ありがとうね、私もあそこの孤児院出身だからさ、もう少ししたら報酬を上乗せして、やってくれそうな冒険者にお願いするつもりだったんだけど、ロック君が受けてくれて助かったよ」

 私「メリッサさんはあそこの孤児院の出身でしたか・・・、それじゃぁ今も創造神教を?」

 メリッサ「そうだね、今も創造神様を崇めているよ」

 私「今の主流は光神教なんですよね?」

 メリッサ「今はそうだね・・・、創造神教の有能な神官もほとんど光神教に引き抜かれてるみたいだしね・・・、それに・・・」

 私「それに?」

 メリッサ「これ以上知りたければ時間のある時に、お茶でも奢って貰いながらになるかな?」

私はそう言われ、後ろに結構人が居る事に気付き慌てて依頼の処理をし、

 メリッサ「次は私の休みの日にでも誘ってね~」

と、それなりの大きさの声で言われ、メリッサファンの冒険者たちに睨まれながらギルドを逃げるように出たのだった・・・。


 日も暮れ始めた時間、私はギルドの裏手の公衆浴場に来てみたのだが思っているよりも建物が大きかった・・・、入口から中に入ると正面に受付が有り、受付の左側奥に男湯と書かれ、右側奥に女湯と書かれたマークがあった。左側の空いたスペースで鎧のメンテナンスをしており、右側で服の洗濯乾燥サービスをやっているようだ。


 私は受付に行き、

 私「一人なんだけどいくらですか?」

 おっちゃん「一人10ゴルドだよ、鎧のメンテナンスはあっちで、服の洗濯乾燥は向こうだ、料金はそれぞれそっちで聞いてくれ」

私は10ゴルドでやっていけるのかと思ったが、料金を払い男湯と書かれた方に入り、脱衣所に来ると結構な人が居た為、10ゴルドでもやっていけそうだと思った・・・。


 私は久しぶりのお湯に浸かり身も心もさっぱりすると、湯上りにあれが飲みたいなと思い、

 私「おっちゃんここは飲み物とかは置いて無いんですか?」

 おっちゃん「そんなもんここには無いぞ、なんか飲みたいならギルドの酒場に行きな」

私は湯上りの今が一番飲みたい状態だと言うのに・・・、

 私「湯上りで火照った体を冷ます為に冷えた飲み物があればいいのに・・・、本格的に飲む訳ではなく1杯だけ冷たいのを流し込みたいんですよね・・・、ちょっと高めでも置いたら皆飲むと思うんですけどね」

 おっちゃん「ふむ、売れるってんならギルドに相談してみといてやるよ」

それを言われてそういえばここはギルドの直営だった事を思い出し、そりゃ商売っ気が無いわけだと思いながら、

 私「出来ればエールと水、後はミルクなんかがいいと思いますよ」

 おっちゃん「分かった、それでギルドに相談してみるよ」

私はその言葉聞き、そのうち風呂上りに牛乳が飲める日が来るかもしれないと思いながら宿へと帰って行った・・・。


 宿に戻ると日は完全に暮れており、魔石で光る街灯があるので歩ける程度には明るいが、帰るのが遅くなったようだ・・・。


 宿に入ると、アルキノコスープが復活したからか今日はお客さんが結構来ているようだ・・・、私は受付に寄り、

 私「ただいま戻りました、アテナはもう戻っていますか?」

 ハンナ「ロックお帰り、アテナはもう戻ってて、あんたの帰りを飯も食わずに待ってるよ」

私はそれを聞き、

 私「遅くなるかもしれないから先に食べていいって言っとくべきだったか・・・」

ハンナはその言葉をニヤニヤしながら聞いており、

 ハンナ「そんな事言ってもあの子は待ってそうだけどね?」

何かに気付いているようでそんな事を言ってきた。


 私はとりあえず部屋に戻ろうと、

 私「夕飯はまだ食べれます?」

 ハンナ「時間もまだあるし大丈夫だよ?アルキノコスープも余裕があるから、今日は普通の20ゴルドの料理と、アルキノコスープを出汁に使った50ゴルドの料理を出してるよ」

私は昼間の事を思い出し、

 私「もしよかったらこれを、ゴリアテさんに使って料理を作ってくれるよう頼んでもいいですか?」

私は今後のトルネオの売りだすパスタの宣伝も兼ねて、少量貰ってカバンに仕舞っておいた、昼の残りの麺をハンナに渡し、

 私「沸かしたお湯に塩をちょっと入れて2、3分茹でて、ソースを絡めたりスープに入れて食べたりする物なんですけど・・・」

ハンナは受け取った麺を一本摘まみ色んな角度で眺めると、

 ハンナ「旦那に渡してみるけど・・・客に出す前に試食したりはして構わないね?」

 私「ええ、どんな物か食べないと分からないでしょうし・・・、一応私の故郷ではパンと同じ主食の一つでしたね」

私はそれだけ伝え部屋に戻っていく・・・。


 私は自分の部屋の前に来ると扉をノックし、

 私「アテナ、戻ったから開けてくれるか?」

そう言うと、部屋の奥から扉の前に移動してくる気配が有り、

 アテナ「合言葉は?」

 私「そんな物決めてないよ」

そう言うとガチャッと鍵が開き、扉が開きアテナが顔を出して、

 アテナ「一度言ってみたかったんだよ」

と言いながら、私を確認し中に入れてくれた。


 私は部屋に入ると、

 私「遅くなるかもしれないから、先に夕食は食べてていいって言っておけば良かったね」

 アテナ「そんなに待ってた訳じゃないから気にしなくていいよ?買って来たものの整理なんかもしてたしね」

アテナはそう言ってくれたがハンナさんの口ぶりから結構前に帰って来てたっぽいからなぁ・・・、今度からは気を付けようと思い、

 私「さっき試して欲しい食材を渡して来たから、夕食までもう少し時間が掛かりそうなんだけど・・・大丈夫かい?もしあれなら先に食べてしまってもいいけど?」

 アテナ「その食材が気になるから待つよ、ロックは今日は何をしていたんだ?」

私は今日あった事をアテナに話し・・・、

 アテナ「なるほどねぇ・・・、パスタっていう保存食をアイリスさんと作ってたのかぁ・・・」

何かアテナから負のオーラを感じるが・・・、

 私「トルネオさんとアイリスさんね、トルネオさんと作る予定が偶々アイリスさんの所に材料やら道具が揃ってたっていうだけだよ?」

 アテナ「まぁそういう事にしとこうか・・・、次の休みは二人で行動だね・・・」

アテナが小さく何か言ったが、突っ込むと怖いので、

 私「後は試しておきたい事があってね」

 アテナ「試しておきたい事?」

私はカバンから今日買ったポーションと以前使って空になったポーションの瓶を取り出すと、

 私「どうも私が持ってたポーションは使用期限が無かったから、もしかするとこの瓶が特殊なんじゃなかと思ってね」

私はそう言いながら買って来たポーションを空の瓶に入れて確認をすると、

 私「やっぱり使用期限が無いね・・・」

私は入れ替えた瓶をカバンに仕舞い確認すると、

 アテナ「そのカバンに入れるとそんな事も分かるの?」

 私「あ~・・・、言って無かったね、このカバンの中に入れると、その道具の効果が頭の中に浮かんでくるんだよね、この買って来た低級回復ポーションは使用期限が6日後ってなってるね、入れ替えた方は特に期限が書いて無いんだよ・・・、カバンに入れてる限り保存はされてるから使用期限は関係ないんだけど、アテナに持たせる分は私が持ってた方にすれば、保存期間の高い方を買わなくて済むから経費節約になるなって」

 アテナ「なるほど・・・、それじゃ使い終わったのはちゃんと取っとかないとね」

 私「そうしてくれ、その瓶が残ってる限り私達はかなり節約できるからね」

 アテナ「ロックの故郷は大分進んでる場所だったんだね?カバンと言い瓶といい」

 私「このカバンに元々入ってたものだからね?師匠のお古だからね・・・、元々は凄い冒険者だったのかもね?」

 アテナ「ダンジョンで出たのかもしれないね?ダンジョンは時々そういうレアなお宝が手に入るって言うからね」

私は話が別な方向にいった事に安堵し、いつかはちゃんと話さないとなぁと思いながら、

 私「そろそろいい時間だし1階に降りてみよう」

 アテナ「さすがにお腹が空いたね、そのパスタっていうのが楽しみだよ」

そんな事を話ながら1階に降りていく・・・。


 私達が1階に降りると、

 ハンナ「ちょうどいい所に来たね、さっき渡されたパスタって麺を使った料理も出来たから、空いてる席に座って待ってな」

私達が降りるとちょうど良く試作品が出来たみたいなので、私達は空いている席を探していると・・・、

 グレイ「ロックここが空いてるぞ」

そう言って声を掛けて来たのは冒険者ギルドのギルドマスターのグレイだった・・・。

 

 私達はグレイの居たテーブルの空いている席に座ると、

 私「なんでここにギルドマスターがいるんですか?」

 グレイ「アルキノコスープが一番うまいのはここだからだ、昨日他の店のも飲んだがここのが一番うまい」 

私は他の店のを飲んでいないから分からないが、

 私「そうなんですね?他の店のは飲んでいないので分かりませんが、ここのはトリュフみたいな味がしましたね」

 グレイ「そのトリュフとやらは知らないが・・・ふむ、ちょうどいい今後はここのアルキノコスープはトリュフスープと呼ぶか・・・、鮮度の違いでこんだけ味が変わると全部アルキノコスープじゃ困るからな」

余計なことを言ったようだが、実際味が違うのに全部アルキノコスープじゃ分かりくいのでまぁいいかと思った。


 グレイ「お前がここに泊まっている時点で、ここのがうまいのは分かっていたが・・・、実際の所数時間鮮度が落ちるだけで、こんなに味が変わるとはな・・・」

 私「今までも直ぐに納品した人はいたんじゃないんですか?」

 グレイ「納品しても直ぐにギルドから店に持っていくわけじゃないからな、大体次の日の午前中に運んでたんだが、あの日ここに持って行かせたアルキノコで作ったスープの味は、今までに味わったことの無い極上のスープだったからな、ライバル店も直ぐに納品された物を使って作ったが、こことは味が全然違ったからな、次の日は大変だったぜ・・・、少しでも早く納品しろとうるさくてなぁ・・・」

私はそれを聞き昨日あんなに森に人が居た理由が予想通りだったことを知り、

 私「今アルキノコは、状態がいいといくらで買取なんですか?」

 グレイ「今の所1500ゴルドだな、直ぐに納品されたやつも飲んだがここのほど美味くは無かったからな、他の店はここが特殊な調理法方法を編み出したと思って依頼料を下げるだろうから、今後は少しずつ買取金額が下がっていくだろうな、他の店との違いは多分・・・、宿り木亭から納品依頼が出てないのに飲めるって事は、お前が直接納品してるからだろ?」

やはりギルドマスターにはバレているようだ、

 私「そうですね、私がこの街からいなくなった時の事を考えて、ギルドに納品はしないで事情を説明した上で使ってくれる宿り木亭にだけ直接納品しようかと思いまして・・・、まずいですかね?」

 グレイ「いや、こちらとしては有難いな、ギルドに納品しているとアルキノコの討伐は基本的にお前専用になっちまう可能性があったからな、そうすると駆け出しの仕事が減っちまう」

私の予想通り直接納品で良かったようだ。


 そんな話をしていると、

 ハンナ「はいよっ、ロックの持って来たパスタってやつを使った料理だよ」

ハンナが持って来たものは、見た目は完全にカルボナーラ的な物だったので、

 私「ミルクかチーズで作ったソースですかね?」

 ハンナ「おっ、良く分かったねっ、旦那が言うには卵黄とチーズを絡めてアルキノコスープを足したらしいよ?試食した感じではかなり美味かったね」

私は完全にカルボナーラだと思いながら食べると、

 私「めちゃくちゃ美味しいですね・・・、これなら今後も使って貰えそうかな?」

私は隣で食べたそうにしていたアテナにお皿を渡し、

 アテナ「なんだこれはっ!昨日飲んだアルキノコスープも美味しかったが、あれを使うと他の料理はこんなに美味しくなるのかっ!」

そう言うと、凄い勢いで食べ始めた・・・。


 グレイはそんなアテナの食べている物に興味津々で、

 グレイ「ハンナさん、俺もあれ食べたいんだが・・・」

 ハンナ「もう無いよ?私と旦那で試食してあれが客に出せると思って作った最後の一皿さ」

 グレイ「そんなっ!アテナ君私にもっ!」

 アテナ「は~、美味しかったぁ」

グレイがアテナに頼むと同時にアテナはお腹が空いていたのもあったのだろう、あっという間に完食していまっていた・・・、私も一口しか食べないんだけどね・・・。


 固まってしまったグレイを無視して、

 ハンナ「旦那が聞いて来いって言ってたんだけど、さっきの麺は同じ物がすぐ手に入るのかい?」

 私「いえ、先程と同じ物なら言えば直ぐ手に入るかもしれませんけど、商品として売るのは多分乾燥した物になりますね、生のままだと日持ちしないので・・・、それでもいいのでしたらトルネオさんって言う、この街の道具屋さんに販売をお願いしたので、そちらに直接頼んでみて下さい」

 ハンナ「トルネオに頼んだのかい?あいつの事なら知ってるから、明日直接頼んでみるよ」

 私「今後も使えそうなら是非とも買ってあげて下さい」

 ハンナ「旦那は料理の幅が広がったって喜んでたからね」

 私「ハンナさん申し訳ないですけど夕食をお願いします、ちゃんと食べれてないのでお腹が・・・」

 ハンナ「ああ、もう用意はして貰ってるからすぐ持ってくるよ」

そう言ってハンナさんは厨房に戻っていき、

 グレイ「ロックよ、さっきのが今後も食べれるってのは本当か?」

 私「生の麺でしたら直ぐに作れるので、当日消化するなら分として売るのは問題無いから、後はトルネオさん次第ですね」

 グレイ「分かった、明日俺からも直ぐ売るように言っておく、じゃぁ俺はやることが出来たから帰るぜ」

そう言ってグレイは帰り、私達はアルキノコスープ改めトリュフスープを使った料理を楽しんで一部屋に戻った・・・。


 今日はめちゃくちゃ疲れたと思いながら就寝したのだった・・・。

 





 



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