第2章 冒険者の街カリヴィア 8
お待たせいたしました。
楽しんで頂ければ幸いです。
私は朝起きると、今日は抱き着いて来ていないアテナに、安心なような残念な様な気持ちを抱きながら起き上がると、アテナはちゃんと自分のベッドで寝ていた・・・、今日は寝相が良かったという事であろうか?それとも昨日の夜は、1階が凄い事になっており食器を返しにいったアテナが巻き込まれ、へとへとになりながら帰って来て先に寝たのが関係しているのだろうか?私はそんな事を考えていると、
アテナ「う~ん・・・、昨日は慣れない事をしたからか、ちょっと疲れが残ってる気がするよ・・・」
起きて来たアテナはそう言うと、
私「昨日は1階は戦場みたいだったみたいだしね?」
アテナ「凄かったよ・・・、お客さんが次から次へと入って来てね・・・、私はああいう仕事は出来ないね、手を出してくる酔っ払いにも手加減なんて出来ないし・・・ハンナさんは自業自得って言ってお店の外に放り捨ててたけど大丈夫だったかな?」
私はそれを聞き、アテナに手を出した不幸な男に黙祷を捧げた・・・、アテナは美人だけど内に秘めたる力は半端じゃないからね・・・、そんな事を考えたのがバレたのか、
アテナ「なんか起き抜けに運動したくなって来たかもね?」
私は慌てて考えを捨て、
私「それより朝食を食べに行こうか」
そう言って私は着替えて1階に降りていく、その背をアテナは半眼で見つめていた・・・。
私に遅れて1階にアテナが降りてくると、
ハンナ「アテナ昨日はすまないね!ちゃんと昨日働いてくれた分は出すからね!」
ハンナさんにそう言われアテナは、
アテナ「ちゃんと働いた分お金が貰えるならいいです、ただもうあんな事があっても手伝いませんからね?」
ハンナ「それはもう大丈夫だよ、昨日グレイが来てたからね、あいつに授業員募集の依頼を出すよう伝えといたからね」
私「それはそうとハンナさん、今日もアルキノコは必要ですよね?」
ハンナ「そうだね・・・昨日渡された分も宿の朝食用以外は残って無いからね・・・、悪いけど頼めるかい?」
私「今日はアテナも疲れているみたいなので、私一人で、
アテナ「私も行くからね」
私はアテナには休んでもらうかと思っていたが、本人が来ると言うならいいか、
私「アルキノコ狩りだけ行ってこようかと思いますので」
ハンナ「すまないね、助かるよ、それとちょっと待ってな」
そう言うと受付の奥に引っ込み・・・、戻ってくると、
ハンナ「昨日のアルキノコ2体分3000ゴルドと、こっちはアテナの分、迷惑料込みで300ゴルドだ」
そう言って、銀貨3枚と、アテナに100ゴルド銅貨3枚を渡した。
私は受け取った銀貨3枚のうち2枚をハンナさんに戻し、
私「宿泊代追加で20日お願いします」
私はアテナと決めていた宿泊日数追加の為に、お金を支払うと、
ハンナ「20日だね、了解したよ、部屋は当分開かないと思うから今のままで大丈夫かい?」
アテナ「もちろん大丈夫です!」
私はそう言うと思っていたので、
私「アテナがいいのであれば私は特に反対も無いので・・・」
ハンナ「了解したよ」
私達は宿の宿泊延長を申し込み朝食を食べると、部屋に戻った・・・。
部屋に戻った私達は、
私「疲れてるなら休んでていいけど?私も狩れるか試してみたかったしね」
アテナ「いや、大丈夫だ、アルキノコを狩るだけだよね?」
私「そうだね、ギルドで依頼は受けずにアルキノコを出来れば多めに狩りたいね」
アテナ「それなら大丈夫だよ、疲れたと言っても精神的にだからね、体力は平気さ」
私は精神的な疲れは結構取るのが大変なんだけどな?と思いながら、
私「もし疲れたら先に戻ってもいいからね?」
アテナ「そうだね、もし本当に無理そうだったら先に戻るよ」
私達は今日の行動を決めると宿を出て森へと向かった・・・。
私達は森に入るとひたすらアルキノコを探して歩き回り、浅い所の方がやはり多いのか既に5体狩る事に成功していた。
一体目を見つけた時は、
私「アテナ、私も挑戦してみるからこいつは狩らせてもらうね」
アテナ「ああ、ロックのお手並み拝見させてもらおう」
私は、アルキノコに気付かれないように近付き、アルキノコに気付かれると思われるギリギリの位置まで来ると・・・、一気に間合いを詰め、目に見える穴の中心目指して手の形を貫手にし、一突きすると、エリンギを裂くような感触と共に、手がアルキノコの体に入り、腕も埋まると何か抵抗を感じ、それを突き破ると腕を直ぐに抜き、距離を取る・・・。
アルキノコがパタリと倒れると、私は無事倒せたと安堵の溜息を吐き、倒れたアルキノコを回収する。
回収し終わると、
アテナ「また少し速くなったんじゃないか?」
私はそう言われ、そう言えば最近レベルチェックしてなかったなと思い、近いうちに一人になった時にでも確認しようと思いながら、
私「もしかしたらレベルが上がったのかもね?」
アテナ「私もうかうかしてられないな、次を探しにいくよ!」
アテナはそう言うと元気よく次のアルキノコを探しに行ってしまった・・・。
そんな感じで疲れなんかどっかに飛んでいったのか、アテナがやる気を出し午前中の早い時間にアルキノコ5体を狩り、私達はこの後どうするか話し合っていた。
私「もう5体か・・・、昨日の感じだと1日に2体消費するとして、出来ればそろそろ休みを入れて街の散策もしたいよね?」
私はアテナに聞くと、
アテナ「そうだね・・・、日用品なんかも買っておきたいし、休みは必要かな?」
私「そうしたら後5体は最低でも見つけようか・・・、それだけ狩れば5日は持つだろうし、スープの需要もある程度落ち着くだろうしね、そうしたら明日は休みにして自由行動にしようか」
アテナ「後5体だね、頑張って見つけるね」
そう言うとアテナは先を進み始めたので私も付いて行く・・・。
それから昼を挟み、まだ日が落ちるまで時間がある状態でアルキノコ10体を狩り終えると、
アテナ「10体狩ってしまったね?」
私「そうだね・・・どうしようか?」
私とアテナは悩み、
アテナ「来た道を戻ってもいる可能性は低そうだし・・・、ちょっと探して街に戻ろうか?」
私「了解」
私達は森をもう少し探索する事にした・・・。
しばらく歩いていると、
セシリア「魔法を撃つわよ!」
アルテミス「了解です!」
そんな声が歩く先から聞こえて来たので、
私「こういう時はどうするんだっけ?」
アテナ「近付いたらこちらを警戒をして邪魔しちゃうから、近付かない方がいいんじゃなかったかな?」
そんな事を話していると、
セシリア「早く街に持って帰るわよ!」
アルテミス「はいっ!」
そんな声と共に急いでいるのか、こちらにアルキノコを担いで凄い勢いで走ってくる、腰辺りまである銀髪ポニーテールの神官服を着た可愛い女の子と、錬金術師っぽい恰好をした茶色のフワフワとウェーブした肩辺りまでの髪の毛の、大人の女性と言った感じの美人の二人組が爆走してきた・・・。
私達は邪魔になるのもあれなので進路から外れた場所に移動すると、
セシリア「アルテミス時間との勝負よ!」
アルテミス「分かっています!」
そう言いながら目の前を通り過ぎて行った・・・。
私達は顔を見合わせ、
アテナ「あんなに急いでアルキノコを納品なんてどうしたんだろうね?」
私はなんとなく理由が分かったので、
私「多分アルキノコの特別な納品依頼が出たんだろうね」
アテナ「特別な納品依頼?」
私「なるべく鮮度のいいアルキノコを納品って言う依頼だと思うよ」
アテナはそれを聞いて納得し、
アテナ「でも宿り木亭は私達が納品するんだよね?」
私「だからそれ以外のアルキノコスープを使ってた飲食店や宿が依頼を出したんじゃないかな?昨日のうちには私達が納品した分が、ギルドから依頼を出してた店舗に届けられたんだと思うよ」
アテナ「それであの味のスープが出来ちゃったから、同じ物が欲しくて鮮度のいいアルキノコの納品依頼が急遽出たって事?」
私「多分そういう事じゃないかな?」
私達がそんな話をしていると、
男A「おうおうおう!そっちにはいたかぁっ!?」
男B「アニキィッ、いやせんぜぇっ!」
男A「ッチ!別の場所をさがすぞっ!」
男B「へいっ!アニキィッ!」
そんな感じでこの辺りはアルキノコ狩りが多そうなので、
私「帰ろうか?」
アテナ「そうだね」
私達は街に帰る事にしたのだった・・・。
街に戻ると宿に戻るには早い時間だったので、街を二人で散策し明日の休みに行くべき場所なんかの目星を付けながら歩き、日が暮れると宿に戻った。
宿に戻ると他のお店でもアルキノコスープが出回り始めたのか、お客さんが昨日みたいにいなく受付にハンナさんがいたので、
私「ハンナさん戻りました」
ハンナ「ロックお帰り」
私「お客さんが昨日とは違いいないですね?」
ハンナ「うちは今アルキノコスープ切れだからね、他所の店が今日出してるみたいだからそっちに流れてくれたよ」
私「それじゃ今日は何体納品しますか?一応明日は私達は一日休むつもりなので」
ハンナ「そんなに狩って来たのかい?」
私「10体ほどですね、ギルドで今鮮度のいいアルキノコの納品依頼が出ているようで、森に冒険者が結構いたので・・・」
ハンナ「そんな状態で10体も狩ったのかい・・・」
私「多分ギルドに寄らずに森に直行したので多く狩れたんだと思いますよ」
ハンナ「なるほどね・・・、そうしたらとりあえず4体納品して貰ってもいいかい?」
私「分かりました、厨房に持っていけば?」
ハンナ「ああ、お願いするよ」
私「それじゃアテナ、ハンナさんから料金を受け取って貰っておいてくれ」
アテナ「分かったよ」
私「ハンナさんもアテナに支払いをお願いします」
ハンナ「あいよ」
料金のやり取りをアテナに任せて私は厨房に入っていく・・・。
私「ゴリアテさん、アルキノコを持ってきました」
ゴリアテ「おうロックか、助かるぜ、そこの台の上に出してくれ」
私はアルキノコをカバンから4体出すと、
私「ハンナさんに4体と言われましたので」
ゴリアテ「まだ何体かあるのか?」
私「後6体ありますね」
ゴリアテ「10体も狩って来たのか・・・、しばらくは安泰だな」
そう言うとアルキノコ検分に入り、
ゴリアテ「お?こいつは・・・」
ゴリアテは一体のアルキノコを見ると、険しい顔をしたので私は横から覗くと、
私「それは私が狩った奴ですね、何かまずい所がありますか?」
ゴリアテ「ああ、品質には問題ない、ただ傷口が見慣れない感じだったからな・・・、他は槍でやられてんだがこいつだけ穴がちょっと違うなと思ってな」
私「それは私が手で刺したからですね」
ゴリアテ「手だと?どういう事だ?」
私はゴリアテに貫手の形にした手を見せながら、
私「こうやって手を槍の穂先の様にして突き刺すんです、私はモンクという当方の神官でして、自分の体を武器に戦うんですよ」
ゴリアテは私の言葉を聞き貫手の形にした手を見て、
ゴリアテ「いつも武器を持ってないからそのカバンにでも仕舞ってるのかと思ったらそもそも武器何て持ってなかったのか・・・、それにしてもそんな珍しい戦い方もあるんだな」
そう言うと、
ゴリアテ「まぁ品質には問題ない、ありがとな」
私「いえ、仕事ですから」
そう言って私は厨房を出ると、
アテナ「ロック、ちゃんと6000ゴルド受け取ったよ」
私「有難う、こっちも問題なく納品出来たから」
ハンナ「それじゃご苦労さん、明日は休むって言ったけど宿にいるのかい?」
私「いえ、それぞれ日用品を買いに出ようかと」
ハンナ「早めに戻る場合は前にも言ったけど12時以降でお願いするよ?」
私「大丈夫です、覚えてますよ」
ハンナ「それならいいよ、今日も夕飯はうちで食べるだろ?」
私「ええ、今日も楽しみにしてます」
ハンナ「分かってるよ、ちゃんとあんた達は無料だ、お代わりは有料だけどね?」
私達はそれを聞きながら部屋に戻り、装備を外すと、
私「それじゃぁ明日は休みという事で・・・、別行動でいいよね?」
ハンナ「私の日用品を買うのに付き合わせるのもあれだしね」
私「とりあえず今まで稼いだ資金を半分ずつにしよう」
私はそう言うと先程アテナが受け取った分と、今までのお金をカバンから取り出し、
私「銀貨10枚に銅貨で450ゴルドだね」
アテナはそれを見て
アテナ「もう10450ゴルドも稼いでいたのか・・・順調だね?」
私「アルキノコなんかは運が良かったからね、普通に稼いだ分は全然だからね」
アテナ「それもそうか・・・、まだ2回しか依頼も受けてないしね・・・」
私「明日休んだら、三日働いて一日休んでまた三日働いたら、カルマンさんの所に行ってみるよ、それで2週間になるから様子を見て来るよ」
ちなみにこの世界は、時間は1日24時間、月が30日で、1年が360日、1週間は6日で火の曜日、水の曜日、土の曜日、風の曜、雷の曜日、光の曜日となっている。
アテナ「その時は私も行くよ、カルマンさんに装備のメンテナンスを頼みたいしね」
私達は明日以降の予定を組むと、昨日と違い空いている為1階で夕食を食べると、部屋に戻り就寝しようとし・・・、今朝の考察を試す為アテナが寝るまで起きていようと思っていたら・・・、
アテナ「ロック寝ないのかな?」
私「うん、ちょっと考え事をしていてね、アテナこそ寝ないのか?」
アテナ「私もちょっと考え事をね・・・」
そして二人とも沈黙し静かな時間が流れていると、
アテナ「そういえばロックは森で見た二人組は覚えているかな?」
私はそう言われ、アルキノコを担いで走って行ったセシリアとアルテミスの事だろうと思い、
私「昨日話しかけて来た二人組だね、名前はアルキノコを担いでいたのがアルテミスで後ろを走っていたのがセシリアだね」
アテナ「アルテミスって子は神官服を着ていたから、神官職でセシリアって人はあの服装の感じだと魔術師かな?」
私は名前は聞いたが特にそこまでは聞いてなかったので、
私「それは聞いて無いから分からないな・・・」
アテナ「まぁそれはいいんだ・・・、ロックは・・・」
アテナが何か聞くのを溜めているので、
私「私がなんだろう?」
アテナ「ロックはどっちの子が好みなんだい?」
アテナは溜めた後そんな修学旅行の女子の恋バナみたいな事を言い出した・・・。
私は少し考え・・・、アルテミスの顔と、今日目の前を通り過ぎた時の容姿を思い出し・・・、銀髪の腰まであるポニーテールが走る勢いでキラキラと光を反射しながら、名前の通り馬の尻尾の様に靡き、勝気そうな表情は、時間との勝負の為か鬼気迫る表情となっており・・・体は160cmぐらいの身長に普通サイズの胸に細い腰、ちょうどいい感じのお尻に、なぜかスリットの入っていた神官服から見えた健康的な感じの太ももに白いオーバーニーソックス、鬼気迫る表情がマイナスだったが現世なら間違いなくトップアイドルが狙えるぐらい可愛い子だったな。
もう一人のセシリアは毛先でカールしたロングの茶色の髪で、顔は走るのは得意ではないのかしんどそうな顔をしていたが、話しかけられた時は大人なお姉さんって感じで、右目の泣きほくろがさらにいい感じだったな、身長は165cmぐらいで、胸はアテナよりデカそうだったけど、太っているわけではなく、腰はちゃんと括れてたし、尻もデカいって感じじゃなかったな・・・、それにしても今日目の前を走って行った時の胸の揺れは・・・なんて事を考えた瞬間、
アテナ「何を考えてるん、だっ!」
私「ぐふぉっ!」
私はアテナの寝巻のショートパンツから伸びた、素晴らしい脚に腹部をギロチンされ、闘気を纏っていなかった為、気絶するように眠った・・・。
アテナは気絶するように眠ったロックを見ながら、やはり胸かと思い、セシリアという魔術師みたいな女の胸を思い出し、強敵だなと思いながらロックに抱き付き眠ったのだった。
私は朝起きると、腹部に若干の痛みを感じながら、腕と足に今日も至福の感触がある事からアテナに抱き枕にされている事に気付いた。
やはり私が先に寝るとアテナが抱き着いている事から、アテナは私が寝た後に何かをしている可能性が有るなと考え、なるべく腕と足の感触を考えないようにしていると、
アテナ「んんっ、ん~っ、ロックおはよう」
と、私を放し起き上がると目の前で伸びをし、挨拶をしてきたので、
私「あぁ、おはようアテナ」
昨日の夜の事は特に何も聞かず、
私「それじゃ今日は自由行動という事で」
アテナ「分かった、朝食ぐらいは一緒に食べるよね?」
私「そうだね、朝食を食べたら後は自由行動で」
アテナ「それじゃ着替えて朝食を食べに行こうか」
そう言って私達は着替えて朝食を食べ部屋に戻ると、
私「アテナは直ぐに出るのかい?」
アテナ「いや、服屋はそんな朝早くからやってないだろうからね、10時ギリギリぐらいに出ようかな?」
私「それじゃ私は早めに出てしまうから先に行くね?」
アテナ「わかった、気を付けていってらっしゃい」
私「行ってくる」
私はアテナにそう言うと部屋を出て1階に降りていき、
私「ハンナさんちょっといいですか?」
受付にいるハンナに話しかけると、
ハンナ「どうしたんだいロック?」
私「ちょっと聞きたいんですけど、この街に公衆浴場ってありますか?」
ハンナはそれを聞き、知らなかったのかという顔で、
ハンナ「それなら冒険者ギルドの裏にあるよ?冒険者は汚れる事が多いからね、仕事を終えた後汚いままうろつかれても困るからって、ギルドの近くに建ってるんだよ、ギルドで教えてくなかったのかい?」
私はそれを聞き、初日は色々ゴダゴダしてたから教えて貰えなかったのかと思いながら
私「登録した日は色々あったので、教えて貰って無かったですね・・・」
ハンナ「そうかい・・・、そっちは鎧なんかのメンテナンスや、専門の魔術師が洗った服を乾燥してくれるから、風呂に入ってる間にクリーニングをしてくれるサービスもあるよ?有料だけどね」
私はそれを聞き、一般の冒険者は仕事終わりに汗を流し、汚れた服は風呂に入ってる間にキレイにしてもらい、風呂から出たらキレイになった服と体で酒場なんかに行くって事かと思った。
私「教えてくれて有難うございます」
ハンナ「ギルドで教えてくれる事だからね、お礼を言われる事じゃないさ」
私はハンナさんにそう言われたが、
私「当たり前のことは聞かないと誰も教えてくれない可能性が有りますから、聞いといて良かったですよ、それじゃ出かけてきます、情報有難うございました」
改めて礼を言い、受付を離れ出口へ向かっていると、
ハンナ「気を付けていってらっしゃい!」
その声を背中に聞きながら宿を出るのだった・・・。
私は朝の早い時間を散歩しながら目的地に向かって歩いてブラブラと歩いて行き、目的のお店に到着すると、
私「トルネオさん腰は大丈夫ですか?」
トルネオ「おおっ、ロック君じゃないか?今日は一人か?」
私は最初の依頼で倉庫の整理をした、ぎっくり腰の商人のトルネオのお店に来ていた。
私「今日は冒険者は休みで、明日からの準備の為に買い物ですよ」
トルネオ「なるほどな、それでうちに来たのか・・・」
私「ええ、私が知ってる冒険者用の商品を売ってるお店がここだけなので」
トルネオ「なるほどな、ロック君はまだ街に来て浅いんだったか?」
私「今日で6日目ですね」
トルネオ「ちょうど1週間か、それじゃぁまだ街の事は全然分からない事だらけだな」
私「そうですね、なので街の散策も兼ねて今日は休みなんですよ」
トルネオ「それで今日うちの店に来た目的は何かあるのか?」
私はトルネオに聞かれ、前回の倉庫整理の時に見た物を買いに来たので、
私「回復ポーションって置いてますか?」
トルネオをそれを聞き、
トルネオ「おお、置いてるよ!うちは中級までしか取り扱って無いが、保存の魔法瓶に入ったのと、普通の瓶の2種類あるがどっちが必要だい?」
私は違いが分からなかったので、
私「違いと値段を教えて貰ってもいいですか?」
トルネオ「違いは魔法瓶だとひと月持つが、普通のだと1週間しか持たないって違いと、値段が低級だと魔本瓶が1400ゴルドで、普通のが200だな、中級は魔法瓶14000の普通2000だな」
私は魔法瓶は高いなと思いながら、試したい事もあるのでもう一つの魔力回復薬もあるか聞いてみる、
私「魔力回復薬も置いてますか?」
トルネオ「勿論あるぞ?こっちも全部値段を言うか?」
私はとりあえず中級は買うつもりは無いが、値段は知っといて損は無いので、
私「お願いします」
トルネオ「そうしたら、低級が魔法瓶2800の普通400、中級が魔法瓶21000の普通3000だな」
私はそれを聞き、
私「それぞれ低級の普通の瓶の物を、回復ポーションは5本と魔力ポーションは1本下さい」
トルネオ「1週間しか持たないが大丈夫か?」
私「大丈夫です」
トルネオ「ならいいんだが、全部で1400ゴルドだな」
私は背嚢の中のカバンから銀貨1枚と100ゴルド銅貨4枚をトルネオに渡し、
私「1400ゴルドです」
トルネオは渡されたお金を確かめ、
トルネオ「間違いないね毎度あり!」
私はポーションを受け取り背嚢に仕舞うと、もう一つ聞きたい事があったので、
私「保存食なんかも取り扱ってますか?」
トルネオ「おお?一応取り扱っているが何が欲しいんだ?」
私は店を少し覗いたが無さそうだなと思いながら、
私「小麦粉で作った麺という物を乾燥させた物を探してるんですけど・・・置いてるか、見た事在りませんか?」
トルネオは私の言葉を聞き、店には置いて無いのであろう、思い出すように考えるが、
トルネオ「すまんが置いて無いし見た事もないな・・・、ちなみにどんな物か実物かなんか分かる物はあるか?」
私はどう説明するかと思い、
私「ちなみにパスタとかスパゲッティって料理を聞いた覚えはない・・・ですよね」
私は名前を言っても?と顔に出ていたので聞かなくても分かり小麦粉があれば作るの自体はそんなに掛からないしなぁと思い、
私「小麦粉があれば作れるんですけど、あったりします?」
トルネオ「あるぞ?物を見れば分かるかもしれんから作ってくれ、場所はあれなら娘のパン屋でもいいぞ?あっちなら小麦粉も道具もあるしな」
私はそう言われ、そう言えばトルネオの娘さんはパン屋だったなと思い、
私「じゃぁ、そちらで作らせて貰いますか」
私はパスタ麺入手の為に、パスタ麺を作る事になったのである。
私はトルネオの娘さん、トルネオに似ず美人の若奥さんみたいな感じのアイリスのパン屋にお邪魔し、パンを作る為に強力粉を使っていたので、そちらを使いオリーブオイルも卵も塩もあったので、材料を用意し混ぜる所からと思っていると、
アイリス「これを混ぜればいいんですか?」
そう言って後ろで何をするのか見ていたアイリスが声を掛けて来たので、
私「そうです、混ぜてパンの様に塊にするんです」
私がそう言うと、
アイリス「それでは私がやりましょうか?風の魔法を使えばすぐに出来ますよ?」
と、そう言えばこの世界は魔法があるんだったなと思い、
私「出来るのでしたらお願いします」
アイリス「大丈夫ですよ、毎日パンを作っていますからね」
そう言って材料をボウルの中に入れると、両手をボウルに翳し何事か呟くと、ボウルの中の材料が見る見るうちに混ざり塊になっていく・・・。
みるみるうちに塊になると、
アイリス「こんな物ですかね?」
私はキレイに丸くなった塊を確認し、
私「大丈夫です、何かに包んでしばらく置いたら、本当は製麺機を使って作りたいんですけど・・・挽肉を作る機器ってあったりしますかね?上にお肉を入れてハンドルを回すと穴から潰されたお肉が出てくるような奴なんですけど・・・」
トルネオ「それならあるぞ?持ってくるか?」
私「お願いします」
私はソーセージがあったからあるかな?と思っていたら、ミートチョッパーはどうやらあるようだ・・・、これも魔法でやってたらどうしようかと思ったよ・・・。
トルネオがしばらくするとミートチョッパーと思われる物を持って来たので、保存に使われるという葉っぱで包んだ小麦粉の塊を取り出すと、ミートチョッパーの上に入るサイズにカットし、ミンチにする刃を外して押し出すだけにしハンドルをグルグルと回すと、かなり抵抗が強いが冒険者の私なら余裕で回せたので、本来なら挽肉が出てくる所からちょっと太めだが麺になって出て来た・・・。
私はアイリスさんに作って貰った元を全て麺にすると、
私「これがパスタ麺です」
私が出来た麺を見せると、
トルネオ「これは見た事無いな、お前は見た事あるか?」
トルネオはアイリスに聞くと、
アイリス「私も見た事無いですね・・・、この街の色んなお店にパンの調査の為に行きましたけど・・・他の店でも見た事無いですね」
という事はとりあえずこの街には無さそうという事が分かったので、
私「とりあえず食べてみます?」
私がそう言うと、
トルネオ「そうだな、味を確認しないと売り物になるか分からんからな」
アイリス「私も興味があるので頂きたいです」
と、言ってもこのまま食べても味はほとんど無いからな・・・、
私「この麺はアイリスさんなら分かると思うんですけど、塩が入ってるだけなので、ソースか何かを作ってそれに絡めて食べるんですよ・・・」
アイリス「そうですね、油と卵と塩と小麦粉だけですもんね・・・、ピッツァという料理をパンで作る為に作ってあるソースならありますけど?」
私はそれなら、食べれると思い、
私「それで食べてみましょう、お湯を沸かすことは出来ますか?」
アイリス「ええ、こちらにどうぞ」
私はアイリスに案内され、竈に火を点け鍋に水を入れお湯を沸かすと、
私「お湯が沸いたら塩を適量入れて、さっき作ったパスタを入れて、多分2分か3分ぐらいでいい硬さになると思うので・・・、そろそろかな?」
私は麺を1本掬い食べると、アルデンテな硬さだったので、隣に用意していたフライパンに麺を移していき、ピザパン用のソースを絡めて、
私「これで完成です」
私は用意してくれた木皿によそい、まずは私が食べると・・・、うん、普通にトマトソースのパスタだね、味はアイリスさんのトマトソースが美味しいので普通に美味しいね、そんな感じで黙々と食べてると、
トルネオ「これはっ!うまいっ!うまいぞぉっ!」
アイリス「そうね父さん!美味しいわこれ!」
そんな感じで盛り上がってる親子達は、
トルネオ「ロック君!是非ともこれをうちで売らせてくれ!」
アイリス「私もこれでサンドイッチを!」
二人に詰め寄られた私は、
私「落ち着いてください二人とも!」
トルネオ「これは絶対売れるんだよ!ロック君!だから是非とも私に!」
トルネオは私にキスをするんじゃないかというぐらい顔を近付けながら言ってくるので、私は全力でトルネオさんの顔を遠ざけながら、
私「元々私はこれを買いに来たんですから!作ってくれるならお任せしたいですよ!」
私がそう言うと、
トルネオ「おおっ!本当かね!」
と、また顔を近付けようとするので、抑えながら、
私「本当ですから!離れて下さい!」
そう言うとやっと離れてくれた・・・、迫られるなら美人のアイリスに迫られたかった・・・。
私は落ち着いたトルネオ親子と話をし、
トルネオ「それじゃ、本当に街にいる間だけ、売り上げの10%を貰うという事でいいのかい?ギルドにお金を預けておいて受け取る事も出来るが?」
私「それでいいですよ、預けて置くといっても、受け取る為にはこの街に来る必要があるんですよね?」
トルネオ「それはそうだね」
私「であれば、この街にいる間だけでいいですよ、トルネオさんが大陸全土を股にかける大商会とかだったら別ですけど」
トルネオ「私はしがないカリヴィアの街の道具屋の店主ってだけだね」
私「なら先程の条件で問題無いです」
トルネオ「ちなみにいつかそんな大商会から、作り方を売って欲しいと言われたら?」
私「その時はもうトルネオさんに任せますよ、別段難しい作り方でも無いですし・・・、別の街ではもうあるかもしれないですしね」
トルネオは難しい顔をしながら、
トルネオ「多分今まで見た事無いから無いと思うんだけどね?」
私「パンがあるならありそうなんですけどね・・・麺にしてないだけで同じ物はあると思うんですけど・・・」
トルネオ「その麺というのにする発想が無いんだよロック君」
私はそう言われればそうかもと思い、こんなわざわざミートチョッパーに掛けないだろうし、するとしたら刀削麺みたいに削る感じかな?と思った。
私「それと先程も伝えましたが、このままだと保存は出来ないので・・・」
トルネオ「乾燥させるんだね?それは娘に考えがあるみたいだから・・・」
アイリス「ええ、公衆浴場で働いてる知り合いが、服の乾燥サービスをやってるけどそんなに仕事が多くないって言ってたから、その知り合いに頼んでみるわ」
私はなるほどと思い、服の乾燥の代わりに麺の乾燥を頼むのか・・・、魔法って便利だなぁ・・・。
私「それじゃ後は頼みます、アイリスさんも先程教えた方法でパスタのサンドイッチを作ってみて下さい」
アイリス「ええ、コッペパンというパンを作って、割らないように切り込みを入れて、そこに挟むサンドイッチね」
私「そうです、挟むパスタは好きな物を作って試してください、ソーセージなんかを挟んでもいいですよ」
アイリス「なるほど!細長いからそう言う物も挟めるのね・・・、分かったわ!有難う!」
私はアイリスのパン屋を出ると、もうお昼を過ぎており、パスタを食べたからお腹は減っていないが・・・、ちょっと回復薬と保存食を買おうと思ったのが大事になったなと思いながら、とりあえず冒険者ギルドに向かうかと歩き始めた・・・。
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