幕間 アテナの心の変化
お待たせしました。アテナの変わりようを説明する回となります。
私はケラテアの村で生まれた現在16歳の、最近ちょっと筋肉が付きすぎたかもしれないと悩む女の子である。
家は畑をやっている農家になる、この村では村人の1人を除いて全員農家みたいなものだが・・・、家族は両親と3歳違いの弟が1人いる、家を継ぐ男がいるという事で弟が10歳になり、本格的に畑を手伝えるようになると、私は父に、お前は将来村長の孫のチャップ君かチャモロ君かゲドー君・・私と同年代の3人組だ・・の誰かの家に嫁いでもらう事になると言われ、畑仕事をあまり手伝わなくてもいいようになった・・・、なるべく綺麗なまま嫁いでほしいという願いからだそうだ・・・。
私は父に言われたその3人が好きではないというか嫌いだ・・・、会うたびに3人の目が、私の年の割に発育している胸などをジロジロ見て、不快な笑みをするからだ・・・、それ以外にも女だから畑仕事をやらなくていいだ、村の警備をしなくていいだ、と会うたびに嫌になる言葉ばかり喋ってくるので、どんどん嫌いになっていった。
そして村に他に同年代の子もいないとあって、私は村の誰も来なさそうな場所で1人でいる事が多くなり、ちょうど私が畑の仕事を手伝わなくて良くなった3年前に村に来た、元領主様の兵士をしていたという、村で唯一の、村長に頼まれた村を守ることを仕事にしているアーノルドさんに声をかけられる事で、私はこの村で嫌いな奴のお嫁さんになること以外の選択肢を与えて貰い、当初はアーノルドさんと同じ領主様の兵士になる事を目指していたが、アーノルドさんに女性は兵士になるのは厳しいと言われ、神殿騎士を勧められたので、神殿騎士を目指すことにした。
アーノルドさんに師事するようになってからの3年は、毎日が楽しく・・両親も無理やり嫁がせようとしていたわけでは無かったので応援してくれた・・時たま出会うというか待ち伏せしてるんじゃ?という3人組に嫌味を言われるぐらいで、午前は畑仕事を手伝い、午後からはアーノルドさんに稽古してもらう日々を過ごした。
私がアーノルドさんに師事してから3年経ち、その日は稽古が終わるとアーノルドさんに、基礎は教え終わったから後は実戦で実力を付けて行くだけと言われ、私は遂に実戦デビューが決まったのだった。
次の日、楽しみだった実戦デビューにウキウキしながらアーノルドさんの家に行くと・・・、そこには見慣れない服の上に変な形のガントレットとこれまた変な形のグリーブだけ着けた・・武器も何も持ってるように見えない・・男の人がアーノルドさんと一緒にいた。
アーノルドさんに紹介された男はロックというらしく、今日の午前中にこの村に迷いついたらしい、この村は周囲は森しかなく、男が来た南には村も何も無く崖があるだけで、その先は山しかないのでかなり怪しいのと、午後の実戦訓練が潰れた事も有り、私の第一印象はかなり良くなく、男というのもあって大分嫌っていたので、格闘家と稽古するのは初めてだったが、稽古ではあっさり倒せて内心ざまぁみろなんて思ったりしていた・・・。
それからしばらく実戦訓練はお預けとなり、元凶のロックを嫌っていたが、同年代の男の子とは違い落ち着いており、私の体も1度だけ見ていたがそれ以来は全然嫌な目で見てないし、稽古の時は毎回どうにか攻撃を入れようと、色々やってくるロックとの稽古も楽しくなってきており、最初の嫌っていたというのは無くなり普通に接していたと思う。
ロックとの稽古も楽しくなり、午後の稽古を楽しみにしながらアーノルドさんの所に行くと、その日から森の探索をする事になり、遂に私の初めての実戦となった。
いつもの練習用の槍ではなく、アーノルドさんが私用に、カリヴィアの街の知り合いの鍛冶師に作って貰っていたハルバードを装備し、初めての魔物との実戦に緊張とワクワクした心で森を探索していると、この時はゴブリンが村の近くに集落を作った事でゴブリンが増えていた為、私の初の魔物との戦闘はゴブリンとなった。
ゴブリンが2体いたので、私とロックで1体ずつ倒す事になり、訓練通り私はゴブリンを1体無事倒す事が出来たが、私はこの時初めて魔物を殺した事で、緊張から解放された事と達成感で気を抜いてしまっていた・・・。
気を抜いた私の耳に、普段と違う焦った声で私を呼ぶロックの声と、後ろという警告に反応出来た時にはもう遅く振り向いた私の目の前には、醜悪な顔をしたゴブリンが飛びつく寸前だった・・・。
この時はアーノルドさんに助けられた事もあり無傷で済んだが、私は正直少し漏らしてしまうほど怖かった・・・、そして私と違いゴブリンを倒しても警戒を緩めていなかったロックの事を、自分より弱いと思っていたがこの時から少し尊敬するようになった・・・。
その後は私も油断せず戦うようになり、森の歩き方にも慣れアーノルドさんはゴブリンの集落探しの為、森の探索には私たち2人でするようになり、それも問題無く出来るようになった。
そしてあのトロルとの戦いが起こり、私が交互に攻撃する単調なテンポに油断し、攻撃を喰らってしまい吹っ飛び痛みで動けなくなってしまった時、ロックはなんとかトロルの攻撃を避けながら私の元まで来て回復魔法を掛け、勝ち目がなく、どちらかが命を犠牲に時間を稼ぐ事になってしまったあの状況で、震えながらも私を逃がす為言ってくれた、アーノルドを呼びに行ってくれという言葉と、私に向かって投げられた丸太のこん棒を受け止め吹っ飛び、立ち上がったあの背中を見た時に、私はロックを尊敬する好敵手から、心が変化し好きになっていたのであろう・・・、その後は痛む体で、ロックを死なせない為に全力疾走しアーノルドさんを呼びに行き、ロックの元に向かったアーノルドさんを追いかけるように戻り、戻った時にはアーノルドさんがトロルと戦っている姿しか見えず、私は焦りながら周囲を見回すと、畑の中にロックがうつ伏せに倒れて動かないのを見た瞬間、心臓がキュッと縮まった気がした。
私はアーノルドさんとトロルの戦いなんか見向きもせずに駆け寄ると、ロックを仰向けにし息を確認すると弱いながらも息をしていた事にホッとし、ロックがカバンから出したと思われる瓶を握っている事に気付き、回復薬だと思った私は瓶を抜き取り蓋を開け、ロックの口に流し込むが飲んでくれない・・・、私は瓶の中身を自分の口に含むと、すごい癖のある味だな!、それを口移しで飲ます、これは今思い出しても赤面してしまうな・・・、とにかく私は口移しでロックに回復薬と思われる物を飲ませ、少しでも楽になるよう頭を脚の上に乗っけてロックが目覚めるのを待った・・・。
その後ロックが無事目覚めると、私は内心ホッとしながらロックの頭を脚に乗せ続け幸せな時間を過ごし、その日以降ロックの世話を焼きながら日々を過ごした。
ロックの体も良くなり、本格的に神殿騎士になる為の訓練に入り森の中層を探索するようになり、ベアハッグも一人で倒せるようになった頃に、遂に神殿騎士になる為に旅立ちの時が来て・・・正直私はロックと居れるのであれば村に残ろうと思っていたが、アーノルドさんがロックも一緒に行くと言った事で旅立ち、今ロックと2人でカリヴィアの街を目指している。
私はロックの作ってくれていたお茶を飲みながら、焚火の向かいで眠っているロックの姿を見て、街に着いて冒険者になって、しばらくはロックも冒険者になって付き合ってくれるらしいが、その後の事は聞けていない・・・。
もしどっかに行くと言った時にどうやって付いて行くか考えておかないとね・・・。
村に居たら嫌な相手と結婚しないといけなかったから神殿騎士を目指していたが、もう結婚してもいい相手は見つけたのだから神殿騎士になる必要もないわけだし?とりあえず神殿騎士になる為に冒険者として活動するのをロックは手伝ってくれるので、手伝ってくれてるうちにロックの目的を聞き出しそれを手伝う方向にシフトしていってロックにくっついていけばいいんじゃないか?うん、そうしよう、もし何か言われても神殿騎士になるのは村の3人組と結婚しないといけなかったからって言って、もう村を出たから神殿騎士になる必要は無いんだって言えばいい・・・、それでロックに付いて行くって言えばいいんだ・・・、出来ればロックから言ってほしいが、最悪勢いに任せてロックの事が好きだからって言っちゃえばいいしね!うん、これでいこう!色々今後の事も決まったしやる気も出て来た!今日も頑張って街を目指すぞ!
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