親友の死
「明日香ちゃん!!」
朝一番登校して早々美影が走り寄って来た。
ただならぬ様子のその表情は悪い知らせがあると語っている。
「…ど、どうしたの?」
「鈴ちゃんが!鈴ちゃんが!!」
三神 鈴 小学校の頃からここ四町で一緒に過ごしてきた、
親友そう呼べるほど仲が良かった。
そんな鈴がどうしたというのだろう…?確かにまだ教室には来てないけど…。
「鈴ちゃんが…今朝山で亡くなっているのが発見されたって…。」
「は?」
これ以上言葉が出ない…。
聞き間違い?死んだ?鈴が?昨日一緒に下校したんだよ?また明日ねって言ったんだよ?
「ちょっと美影…何言ってんの?朝からそんな嘘言わないでよ…?面白くないよ?鈴が死んだとか…そんなわけ無いじゃん、昨日一緒に帰ったんだよ!?」
「ほんとなんだよ!…山で胸にナイフが刺さった状態で見つかったって…。」
目の前が真っ暗になった…、悲しみで胸が張り裂けそうだった…、頬をひとすじ涙が伝う。
「…だれが……誰がやったの!?なんで!?なんで殺されなきゃいけないの!!!」
気が付けば美影の襟を掴み詰め寄っていた、怒りと悲しみで溢れ返った衝動を止められるはずもなかった。
顔をあげると美影の顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
「わかんないよ…私も……嘘だって思った、でも朝警察が家に聞き込みに来てたの…、女子高生が殺害されてたって…聞いた容姿が鈴ちゃんぽくて…名前を聞いたら殺害されたのは三神鈴さんだって、警察が…。」
「…そん…な」
襟から手を放しその場で崩れ落ちた…
脳裏に過る鈴の笑顔が涙腺を崩壊させた。
何故?‥‥なぜ?‥‥どうして?
疑問が思考を覆った。
鈴は人当たりも良く人望もあった。
誰とも壁を作らず皆から好かれていた。
人から恨みを買うようなそんな性格ではなかった。
「一体誰が‥‥」
思考を張り巡らせて見ても該当するような人物は見つからない。
「明日香ちゃん…」
両肩に手を置かれ前を見ると美影がぐしゃぐしゃになった顔で小さな笑みを浮かべ見つめていた。
「犯人…捜そ?」
それは美影の精一杯の私への励ましだった、その笑顔に答えるように笑みを浮かべ返答とした。