第8話 西園寺 沙苗、西園寺家との絶縁を宣言する(1)
第8話目の投稿になります!
「私、西園寺 沙苗は───現時点を持って西園寺家とは絶縁し、瀬戸崎家に居候させていただきます!!!」
沙苗が言った、西園寺家との絶縁&瀬戸崎家への居候宣言で、僕を含め、この場に居た全員が無言になる。
それから暫くして、先に沈黙を破ったのは沙苗の父親だった。
「絶縁宣言だとーー!?そんなこと、儂が許すはずないだろうが!?」
この発言に対して、沙苗が口を開く。
「許すはずがない?仰ってる意味が分からないのですが?実の娘を道具としてしか見ていない───そんな貴方に絶縁を宣言するのは当然ではなくて?」
「なにが、当然ではなくて?だ!!道具如きが儂に刃向かうなど100年早いわ!!儂は認めぬぞ……そんな宣言なぞ、な。」
「そのようなことを仰る貴方から離れたい───そう思うのは当たり前のことですわ!!私は貴方の道具なんかじゃない!!」
「あくまでも、儂の言うことを聞くつもりはないと?お前はそういうのだな?」
「だから、先程からそう言ってるではありませんか。」
「そうかそうか。それなら儂にも考えがある。先ずは、城西学園の理事に言って、お前を強制退学にさせてもらうとしよう。城西学園の理事は儂の後輩故、儂の言うことは素直に聞いてくれるだろうて。」
「このっ………貴方って人は、どこまで腐り果ててるのですの!!」
「なんとでも言うがよいわ。素直に儂の言うことに従っておればよいものを……儂に逆らうからこうなるのだ!!」
「下衆がっ………!!」
そこまで黙って聞いていた僕が口を挟む。
「僕からもいいですか?」
「なんぞ言いたいことでもあるのか?」
「ええ。そもそもの話なんですが、貴方の一存で沙苗を強制退学にすることなんて出来ないと思いますけどねぇ。」
「若造、なにが言いたいんだ?ん?」
「ですから、貴方の一存で沙苗を強制退学にする権限なんてないって言っているんです。」
「それは一体、どういうことだ!?」
「それはそうでしょ。あの学園は、瀬戸崎財閥グループが運営してるんですから。」
「なん……だと…!?そんな話しは聞いたこともないぞ儂は!!」
「世間一般に公表してませんから、貴方が知らないのも当然の話なんですよ。これが、貴方の一存で沙苗を強制退学にすることが出来ないと言った理由です。ご理解いただけましたか?」
「私も知らなかったんだけど。城西学園が、瀬戸崎財閥グループによって運営されてたなんて話しはね。」
「うん。僕も、瀬戸崎財閥グループの会長に就任してから初めて知った事だからね。」
「だから、俊吾は余裕そうな表情をしてたのね。あの人が、私を強制退学にすると言い出した時も。」
「そういうことだね!」
そう──沙苗の父親が、沙苗を強制退学にすると言い始めた時にも僕の表情は変わっていなかった。何故なら、瀬戸崎財閥グループの会長に就任してから最初に僕が行ったのが、瀬戸崎財閥グループに所属してる企業等を全て把握し、頭に叩き込む事だったのだから。その過程で、私立城西学園が実は瀬戸崎財閥グループが運営してるという事実を知ったというわけだ。
その事実を知った沙苗の父親が、膝から崩れ落ちながら口を開く。
「私立城西学園が、瀬戸崎財閥グループによって運営されてたとは……これでは沙苗を強制退学にすることなぞ不可能ではないか!!」
「ご理解いただけたようでなによりです。それと僕から一言だけ申し上げます。瀬戸崎財閥グループを舐めるのも大概にして下さい!と。伊達に日本最大規模の財閥グループを名乗ってるわけではありませんので。」
「お父様。これで分かったんじゃありませんか?瀬戸崎財閥グループを敵に回すのは愚の骨頂であることをね。」
「うるさい!!儂の言うことは絶対だ!儂が……儂が1番なのだ……儂が1番偉いんだ!!」
瀬戸崎財閥グループの権力の強さを知って尚の発言に対して、沙苗は呆れながらも言う。
「これだけの力の差を見せつけられても尚のこの発言──呆れを通り越して哀れに思ってしまいますわ。」
それから続けて、沙苗は自分の父親に言う。
「西園寺財閥グループ現会長並びに、西園寺家当主の西園寺 誠二郎に対して再び宣言します!!私、西園寺沙苗は───現時点を持って西園寺家とは完全に絶縁するということを!!」
本日2度目の絶縁宣言を、沙苗が西園寺 誠二郎に対して宣言するのだった───
次話タイトル↓
第1章 学年一の美少女クラスメイトとの同居生活開始編
第9話 西園寺 沙苗、西園寺家との絶縁を宣言する(2)
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