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第6話 西園寺財閥グループ会長来訪と、沙苗が家出した理由(1)

第6話目の投稿になります!

 自分の父親が来訪したと聞いた沙苗は、今も震えながら僕に抱き着いている。この震えは尋常じゃないなと感じながら、僕は沙苗の父親が応接室にやって来るのを待っていた。

 そして、メイドに案内される形で、沙苗の父親───すなわち、西園寺財閥グループの現会長が応接室内に入ってきた。そんでもって、入ってきて早々に彼は口を開く。


「このような時間に尋ねてきてすまない。私の一人娘の沙苗が、此方の屋敷に居ることを突き止めてやって来た次第だ。連れ帰る為にな。それでは帰るぞ、沙苗!!」


 その言葉を聞いて、更に震える沙苗を庇うようにしながら、僕は口を開く。


「いきなり尋ねてきて、そのものの言い方はないんじゃないでしょうか?いささか常識に欠けるのでは?ましてや、こんな非常識な時間…にね。」


 そう──沙苗の父親が尋ねてきた時間は、21時過ぎだ。常識的に考えても、尋ねてくるには遅い時間だ。

 そんな僕の発言が気に食わなかったのか、沙苗の父親が声を荒らげる。


「なんだ貴様は?沙苗が此処に居るから連れ戻しに来たんだ。黙って沙苗を此方に渡せ!!さもなくば、貴様を誘拐犯として警察に突き出すぞ?」


「誘拐犯……ですか。その前に、貴方は誰ですか?名乗りもせずに沙苗を引き渡せと言われましてもねぇ。名乗りもしない相手に、はいそうですかと沙苗を渡す訳にはいかないですね。」


「貴様っ……!!まぁいい、名乗ってやる。儂は、貴様の傍に居る沙苗の父親の、西園寺 誠二郎だ!西園寺財閥グループの会長をしている。儂が名乗ったのだから貴様も名乗れ!」


「子供相手になんですか?そのものの言い方は……まるで常識がなっていないですね。それは一先ず置いておくとして、そちらが名乗った以上は此方も名乗らないわけにはいかないので名乗りますね。この瀬戸崎家の現当主にして、瀬戸崎財閥グループの現会長をしている、瀬戸崎 俊吾と申します。また、沙苗と同じ、私立城西学園高校の1年生でクラスメイトでもあります。」


「瀬戸崎財閥……グループだと!?しかも、その会長だとー!?」


 僕の正体を知った沙苗の父親は驚きの声をあげる。だが、信じられなかったのか、僕の傍に控えてる執事の相良に確認をしてくる。


「瀬戸崎財閥グループの会長が、こんなガキの筈がない!!おい、そこの執事!このガキが言ったことは本当の話しか?」


「…俊吾様の言ったことに嘘偽りは御座いませんよ?全て真実で御座います。」


「そんな…バカな!?瀬戸崎財閥グループといえば、知らぬ者がいないと言われる程の、日本最大規模の財閥グループ。そこの会長宅に儂は……」


 僕が言ったことに嘘偽りがないことを確認した沙苗の父親は、膝から崩れ落ちる。

 そんな父親に僕は言う。


「……先程までの貴方のものの言い様は、聞いていて余りにも不愉快極まりないものでした。人様の家にやってきて早々のあの発言。とてもではないが、財閥のトップの発言としては有るまじきことです。普段から、そのような言動の発言をしてらっしゃるのでしょうか?」


「財閥の会長として、誰に対してもこの態度をとってきた。複数ある財閥の中でも、儂が1番偉いと思って、この態度を今までとってきた。無論、取り引き相手の瀬戸崎財閥グループに対してもだった。それを変えるつもりは今後もない。」


「…………………」


 その発言を聞いた僕は……いや、この場にいる全員が唖然とした。

 沙苗なんて、まるでゴミを見るかのように自分の父親を冷めた目で見ているくらいだ。相変わらず僕にベッタリと抱き着きながらだが。

 そして、僕は再び口を開く。


「……貴方の考えは良く分かりました。貴方は───人として終わってることがね。」


「貴様!その発言はどういうことだ!!」


「ん?そのままの意味ですが?僕の正体が、瀬戸崎財閥グループの会長──貴方と同じ立場であることを知った上でのその態度。貴方は人の上に立つ資格がない!!って、言ってるんですよ!!自分が1番偉い?自分が頂点に立ってるから、相手を見下してもいい?巫山戯たことを言ってんじゃねぇよ!!貴方は──瀬戸崎財閥グループを敵に回すつもりですか?」


「若造が……儂に対して舐めた態度をとりおってからに!!敵に回す?貴様を敵に回した所で、儂にも財閥にとっても痛くも痒くもないわい!!」


「………分かりました。それと、確認したいことがありますが、いいですか?」


「ふん。何を聞きたいんだ?」


「沙苗を連れ戻す理由をお聞きしたい。答えてくれますか?」


「沙苗を連れ戻す理由か?そんなの、政略結婚の道具にする為に決まってるだろう?瀬戸崎財閥グループのトップなのに、そんなこともわからんのか、貴様は。」


「えっ………そんな………お父……様…………」


「沙苗!?さなえーーーーっ!!」


 実の父親に言われた言葉が余程ショックだったのか、沙苗は崩れ落ちるように意識を失ってしまうのだった───






次話タイトル↓

第1章 学年一の美少女との同居生活開始編

第7話 西園寺財閥グループの会長来訪と、沙苗が家出した理由(2)

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