3章最終話 永遠の誓いを君に
この投稿をもちまして、3章完結とさせて頂きますm(_ _)m
これ以降の流れについてですが、3章間章を数話程度投稿後に第4章の投稿を開始する予定でいます。
3章間章ではショートストーリーも投稿しようかと思っています。
ですので、投稿されるまで今暫くお待ちくださいm(_ _)m
尚、この話は7400文字を超える長文となってしまいました(本編では過去最高文字数だった気がします)
では、本編をどうぞ。
「ねぇ俊吾? 私達は何処に向かってるの?」
そう俺に聞いてくる沙苗。
現在の俺達……正確に言えば俺はある場所を目指して、夜の城西市の繁華街を沙苗と恋人繋ぎをしながら歩いていた。
だけど俺が何処に向かっているのかを明かしてないことを気にしているのか、しきりに俺の顔を見てくる。
なので俺は先程の沙苗の問に答える……向かってる場所はまだ明かさずにだが。
「それは着いてからのお楽しみってことで」
「そう、分かったわ。
俊吾がそう言うのなら、私も楽しみすることにするわ」
決して俺が向かっている場所を言わないことを気にしつつも、そう言った沙苗は俺の顔を見るのをやめて前を向く。
向かっている場所を明かさない俺に対して不満げな表情をしているが。
だって今明かしちゃったら、絶対に沙苗は勘づいちゃいそうだしね。
だから目的の場所に着くまでは絶対に言わない。
いや…言えない、が正しいかな。
言ってしまったら、俺の計画が全て水の泡となってしまうから…ね。
そう思っていると、周囲を見ていた沙苗がポツリと言う。
「夜の城西市の繁華街って、昼間とはまた違った景観ね。
こんなにも幻想的な感じだとは思ってもみなかったわ。
私、昼間の城西市の繁華街しか歩いたことがないから…余計にそう思うのかもね」
そう口にする沙苗。
確かに沙苗の言う通り、昼間は何処にでもあるような都市としての景観だけど…夜になると建物がライトアップされ、キラキラと輝く景観となる。
そして何より夜になると、繁華街を歩くカップル層の割合が飛躍的に多くなるんだよね。
「まぁ、確かに昼間とは比べ物にならないくらいにガラッと景観が変わるね。
繁華街を歩くカップル層の割合も増えるしね。
何せ城西市の夜の繁華街は【デートスポット100選】という雑誌に載るくらい有名なデートスポットだからね」
「そうなのっ!? …全然知らなかったわ。
でもまあ、この景観見た今となっては雑誌に載るのも納得よね。
こんなにもキラキラと輝いていて美しいんですもの!」
うっとりとした表情でそう言う沙苗。
……最後の口調が恋人になる前にしていたお嬢様口調になってるし。
沙苗本人は全く気付いていない感じだけど…。
それからも俺と沙苗は街並みを見ながら感想を言い合いながらゆっくりとした足取りで歩き続けた。
暫く歩いた後、とある建物を前にして俺は立ち止まる。
それに釣られるようにして俺と同じく立ち止まる沙苗。
そして俺はその建物を見上げながら沙苗に言う。
「沙苗、この建物が目指していた場所だよ」
俺の言葉を聞いて同じく見上げながら聞いてくる。
「この建物が俊吾が目指していた場所なの?」
「そうだよ?」
「でも此処って───」
その言葉の続きを引き継ぐように俺は言う。
「───そう、日本で一番有名な超高級ホテルの【サクラ・プリンスホテル】だよ。
その最上階にあるレストランが俺の最終目的地だね。
どう?驚いた?」
イタズラが成功した子供のような感じで沙苗に聞く俺。
「流石に驚くわよ……。
だから俊吾はギリギリまで言わなかったのね?
私を驚かす為だけに」
「まぁ、それも目的の1つだね」
「それも? ってことはまだ別の目的があるってことよね?」
その問いには答えずに俺は言う。
「さあ、中に入ろうか沙苗。
予約した時間が迫ってるしね」
そう言って俺は沙苗の手を引いて階段を登り、自動ドアを潜ってホテル内に入る。
自動ドアを潜った先に広がる高級感溢れるエントランスホール。
設置されたソファーを始めとしたインテリア家具の1つ1つですら、一目見ただけで値段が高そうだと分かる感じだ。
何よりエントランスホールの中心部分の天井から吊り下げられた美しいシャンデリアに目が奪われる。
まさに今、沙苗が目を輝かせながら見ているくらいだからね。
俺ですら入って直ぐに魅入ってしまったくらいだ。
そんな俺と沙苗に対し、キッチリと制服を着こなした壮年の男性が話し掛けてきた。
「いらっしゃいませ、お客様。
当ホテルへの宿泊でしょうか?」
そう聞かれたので俺は答える。
「最上階での食事を含めて予約した瀬戸崎です」
「瀬戸崎様ですね。
ご予約は承っております。
本日はサクラ・プリンスへお越しいただき誠にありがとうございます。
それでは先に最上階レストラン【エタニティ・ビ・タイド】へご案内致します」
そう言って歩き始めた男性の後に続く俺と沙苗。
そしてエントランスホール中央奥に設置されたエレベーターに乗り、最上階レストランへと向かった。
最上階で止まったエレベーターから降りた後、男性の案内でレストラン内へと入る。
「瀬戸崎様。此方のテーブル席にお座り下さい。
直ぐにお飲み物をお持ち致しますので、暫くお待ちください」
俺達を案内した男性はそう言ってから席を離れた……と思ったら飲み物が入った2つのグラスを持って直ぐに戻ってきた。
俺と沙苗が入店し、席に座ったタイミングを見計らって何時でも出せるよう事前に準備していたようだ。
暫くお待ちくださいって言っていたハズなのになぁ……。
「お待たせ致しました。
こちら、ノンアルコールのアップルシードに御座います。
それでは失礼致します」
男性が立ち去ったのを確認し、俺は口を開く。
「飲み物が直ぐに運ばれてきたことには驚いたけど、雰囲気がとてもいいレストランだね」
「それは私も驚いてしまったわ。
だけど俊吾の言う通り、本当に雰囲気が素晴らしいレストランね。
優雅に流れる音楽もこの雰囲気とマッチしているから、余計にそう思ってしまうわね」
そう言ったところで周囲を見て何かに気付いた様子の沙苗が言った。
「ところで……私達の周りのテーブル席なんだけど、何で空席なんだろうね」
沙苗のその言葉を聞いて一瞬だけドキッとしたが、素知らぬ顔で言う。
「俺達以外にも何組か予約してるんじゃないのかな?
このレストランを予約した時の電話で、完全予約制だって言っていたしね。
だから空席になってるんだと思うよ?」
果たして沙苗の返答は如何に!
「なるほど、だから空席なのね」
ホッ……どうやら上手く誤魔化せたようだ。
「さて、先ずは乾杯しようか」
そう言って俺はグラスを手に持つ。
沙苗も俺に習ってグラスを手に持つ。
「それじゃあ───」
「「乾杯!」」チンッ♪
同時にそう言ってグラスを軽く合わせ、一口飲む。
「これ、美味しいわね♪」
「だな。 思ったほど炭酸がキツくなくて飲みやすいしな」
飲んだ感想を言い終えたタイミングで、何故かメイドがフレンチコース料理の最初の料理を運んできた。
……何でメイドが? それにあのメイドの顔……まさか、ね。
「………えっ?」
本来なら居るはずのないメイドが料理を運んできたことに、沙苗も驚いたようである。
内心では沙苗と同じく俺も驚いている。
そんな俺達の様子など知ったこっちゃない、とばかりに運んできた料理について説明し始めるメイド。
「お待たせ致しました。
こちら前菜の【角切り野菜のスモークサーモン包み】にございます。
きゅうり・トマト・玉ねぎを角切りにし、赤ワインビネガーとオリーブオイルを混ぜたオリジナルドレッシングで和え、スモークサーモンで包み込んだ料理となります。
桜チップで燻したサーモンの香りと風味を、どうぞごゆっくりとご賞味下さいませ。
それでは失礼致します」
そう説明してから洗練された動作で一礼した後、足音を立てずに席から立ち去って行った。
「……とりあえず、食べるか」
「……ええ、そうね」
そう言ってから互いに一口食べる。
「美味しい……」
「きゅうり・玉ねぎのシャキシャキとした歯ごたえにトマトの酸味がドレッシングとマッチしていて、とても美味しいわね♪」
あまりの美味しさに、沙苗の表情も綻んでいた。
前菜でこの美味しさなら、次の料理にも期待出来るだろう。
あっという間に完食する俺達。
するとまたしても丁度いいタイミングでメイドが次の料理を運んでくる。
……先程のメイドとはまた別のメイドが、だけどね。
「お待たせ致しましたぁ~♪ こちら【ベーコンと玉ねぎのコンソメスープ】にございま~す♪ じっくりときつね色になるまで炒めた玉ねぎに、ベーコンを加えて更に炒めてから塩・コンソメで味を整えたスープになりますぅ~♪ 玉ねぎの甘さとベーコンの旨味が染み込んだスープを、どうぞごゆっくりとご賞味下さいです♪ それでは失礼致しま~す♪」
「「…………………」」
早口説明をして立ち去って行ったメイド。
俺達は唖然とする以外の反応が出来なかった。
その後、無言で飲み無言で飲み干したのは言うまでもないことである。
あ、玉ねぎの甘さとベーコンの旨味が効いていてとても美味しいスープでした、とだけ付け加えておく。
それからまたしてもタイミングよく、また別のメイドが料理を運んでくる。
一体、このレストランには何人のメイドがいるのやら……。
「お待たせいたしました!
こちら【たらのポワレ】にございます!
新鮮なたらの白身の上にスナップえんどうと細長く切ったジャガイモをのせ、蒸し焼きにした料理にございます。
レモンを添えていますので、お好みで振りかけてお召し上がり下さいませ!
では、失礼致します……キャッ!!」バタンッ!
料理の説明は素晴らしかったが、立ち去る際に派手にズッコケるメイド。
うん、完全なドジっ娘メイドだ。
「お客様の前で大変失礼致しましたぁぁぁぁぁっ!!」
そう言ってペコペコと俺達に頭を下げた後、顔を真っ赤にさせながら全力疾走で去って行ったよ。
「……なんて言うか、最後の最後で派手にズッコケたな。
……うん、食べようか沙苗」
「……ええ、そうね俊吾」
先程の光景を見なかったことにして食べ始める俺と沙苗。
運んできている最中にズッコケなかっただけでも良しとしよう、うん。
たらのポワレを食べ終えたタイミングで、次の料理を運んでくるメイドの姿が視界に入る。
だけどそのメイドの姿を見た俺は叫びそうになったのを、なんとか堪える。
沙苗は気付いていないようだが、俺は流石に気付いた。
だって料理を運んできてるのは……瀬戸崎家メイド長の遥さんなのだから。
一応、バレないように変装? してるつもりのようだが、俺の目は誤魔化せませんよ遥さん……。
俺と目があった遥さんは目だけで謝ってきた後、テーブルの上に料理が乗った皿を置き、説明を始める前に謝罪してきた。
「お待たせ致しました。
それと料理の説明を始める前に、先程のスタッフが失礼致しました。
この場にて深く謝罪致します」
「謝罪を受取ります。
ですので頭を上げてください」
「ありがとうございます!
では改めまして、こちら口直しの【桃のソルベ】にございます。
産地直送の新鮮な桃を瞬間冷凍させたものをシャーベット状にすりおろしてから器に盛り付け、彩りとしてミントを添えた料理にございます。
お好みでこちらの自家製練乳と蜂蜜をかけてお召し上がり下さいませ。
それでは失礼致します」
謝罪してから料理の説明をした後、一礼してから静かに立ち去って行く遥さんを見送った俺と沙苗は、桃のソルベをスプーンで掬って口に入れる。
「ん~っ!冷たくて甘くて美味しい~♪
そして蜂蜜をかけると更に甘くなって美味しい♪」
体全体を使って美味しさを表現する沙苗。
桃のソルベをじっくりと味わい、少しまったりとしていると次の料理が運ばれてくる。
もう俺はツッコまないぞ……瀬戸崎家執事長の相良が料理を運んできてることについて、なんてな。
これは流石の沙苗でも気付いただろうと思ってチラッと見たが、全く気付いていない様子だった。
「お待たせ致しました。
こちらメイン料理の【牛フィレステーキの赤ワイン仕立て(大盛りサイズ)】にございます」
ん?大盛りサイズ? 俺、そんなの聞いてないんだが……。
「500g分の牛フィレ肉をじっくりと火が通るまで焼き上げてから皿に乗せ、エタニティ・ビ・タイド特製のオリジナルブレンドソースを贅沢にたっぷりとかけ、その上に彩りとしてベビーリーフ・星型に型どった人参を添えた料理にございます。
赤ワインを使用しておりますが、アルコール分はしっかりと飛ばしていますので、安心してお召し上がり下さい。
そして最後にこちら、締めのデザートの【エタニティ・ビ・タイドオリジナルティラミス】にございます。
こちらのティラミスにはコーヒーが一切使われていませんので、コーヒーが苦手な方でも安心してお召し上がりいただけると思います。
それではごゆっくりとお食事をお楽しみ下さい」
最後にそう言った後、優雅な一礼をして去って行く相良。
にしても、フレンチコースのメイン料理を大盛りにしちゃダメでしょ……。
本来、コース料理に大盛りなんて存在しないんだから。
暫くして俺と沙苗はメイン料理とデザートを十分堪能した後、まったりと食後の会話を楽しんでいた。
「どの料理も美味しかったわね、俊吾」
「確かに美味かったな。
沙苗、次も機会があったらまた来ような」
「ええ、俊吾。また来ましょう!
此処の料理の味と雰囲気が気に入ったしね♪」
「ふっ、そう言って貰えると予約した甲斐があったなって思うよ」
そう俺が言った時、厨房から顔を覗かせてこちらの様子を見ていたスタッフと目があった。
なので俺はそろそろ頃合かなと思い、沙苗に気付かれないようにそっとスタッフに頷く。
その瞬間、レストランの明かりが一斉に消灯する。
明かりが突然消えたことに対し、沙苗がパニックを起こす。
「えっ!?何で急に明かりが消えるのよっ!?
これじゃ俊吾の姿が見えないじゃないのっ!」
そう沙苗が言っている間に俺は懐から豪華な仕上がりの箱を1つ取り出し、手に持つ。
そして手に持ったタイミングで俺と沙苗が座っている席にスポットライトが当てられる。
「えっ?なに…?何が起こってるの…?」
スポットライトが当てられたことにより、何が起こっているのか分からずに混乱している沙苗に俺は言う。
「沙苗、突然の事で驚いたと思うけど…俺の話を聞いて欲しい」
「う、うん」
俺の言葉に戸惑いながらも返事をする沙苗。
「何で俺が今日、このレストランに連れてきたんだろうって沙苗は思っているんじゃないかなって思う。
それにはちゃんとした理由があったからなんだ」
そこで一旦区切り、一呼吸してから再び口を開く。
「それはね、このレストラン名が持つ意味が有名だからなんだ。
レストラン【エタニティ・ビ・タイド】───直訳すると【永遠に結ばれる】という意味がね。
このレストランで将来を誓い合ったカップルは"永遠に結ばれる"ってことで、カップル客に人気のレストランなんだよね。
現にこのレストランで誓い合ったカップルは、一度も別れたことがない……という事実があるんだ。
だから今日この日、沙苗に伝えたいことがあったからこのレストランを選んだ」
ここまで俺が言ったところで、沙苗の表情が変化する。
多分、俺がこの後に言おうとしていることに気づいたんじゃないかなって思う。
だから俺は席を立ってから沙苗の隣に移動し、片膝をついて沙苗を見上げる。
そして手に持つ箱を開け、中身を見せながら沙苗の目を見ながら言う。
「西園寺 沙苗さん、貴女のことを愛しています。
絶対に貴女のことを幸せにしますし悲しませませないことを誓います。
人生のパートナーとして俺の傍にいて欲しいと思っています。
ですので俺と……俺と結婚して下さい!
お願いします!!」
そう言って頭を下げる俺。
それからどれくらいの時間が経っただろうか……。
握りしめた手に汗が滲んできた頃、箱を持つ手が沙苗の両手によって包まれる。
そして未だに頭を下げ続ける俺に向けて沙苗が言葉を紡ぐ。
「はいっ…!私も俊吾を愛しています。
だから私こそ人生のパートナーとして貴方の隣にいさせて下さい。
こんな私ですが、末永くよろしくお願いします……旦那様!」
沙苗の返事を聞いて、正式なプロポーズが受け入れられたことを実感した俺は『よっしゃぁぁぁぁぁぁっ!!』と心の中でガッツポーズをした。
そして俺は頭を上げ、箱から婚約指輪(内側に俊吾と沙苗のフルネーム入り)を取り出し、沙苗の左手薬指にそっと嵌める。
俺が婚約指輪を嵌めた左手を、沙苗は涙を浮かべながらも嬉しそうな表情で眺めていた。
そのタイミングでレストランの明かりが一斉に点灯し、拍手の嵐が起こると同時に方々から俺と沙苗を祝福する言葉が投げかけられる。
パチパチパチパチパチパチッ!!
繁信「2人共、おめでとう!!
今日は良き日だのぅ!!」
俊介「俊吾、沙苗さん!おめでとう!!
男を見せたな、俊吾!
立派だったぞ!」
俊吾「お爺様、兄貴……ありがとう!!」
遥「俊吾様、沙苗様、おめでとうございます!!
これで瀬戸崎家も安泰でございますね」
相良「俊吾様、沙苗様、本日は誠におめでとうございます!!」
沙苗「相良さん、遥さん、ありがとうございます!」
奏「おめでとうございます!!
沙苗さん、俊吾にぃのことをよろしくお願いします!」
奏「奏ちゃん……うん、任されました!」
透也「会長、沙苗様、おめでとうございます!
先代……見ておられますか?
貴方様のご子息はご立派に成長されましたよ」
厳正「両人とも、おめでとう!!
ふっ、アイツの息子も立派になったもんだな」
詩織「俊吾君、沙苗、おめでとうございます!」
沙苗「詩織、ありがとう!」
司「俊吾、沙苗さん、おめでとう!
絶対に幸せになれよ!!
俊吾!沙苗さんを不幸なしたらぶん殴りに行くからな!」
俊吾「ありがとう、司。
そうはならないから心配無用だ!」
沙苗「俊吾は絶対に私を幸せにしてくれるって信じてるわ。
だから司君、俊吾を殴ったら承知しないからね!」
司「お、おう……」
桜子「俊吾、沙苗、おめでとう!」
俊吾「桜子もありがとな!」
瀬戸崎家使用人一同「「「「「おめでとうございます!!」」」」」
ひとしきり祝福の言葉にお礼を返していき、俺と沙苗は頷きあった後、集まってくれた全員を見据えながら言う。
「「本日は私達を祝福して下さり、ありがとうございました!!」」
祝福してくれことへの感謝の言葉と共に僕と沙苗は頭を下げる。
パチパチパチパチパチパチパチパチパチッ!
そして再び拍手の嵐が巻き起こる。
俺にとっても、沙苗にとっても今日という日は最高の思い出となる。
既に沙苗が俺の婚約者であることは瀬戸崎財閥グループ内には知れ渡っているが、実は各メディアにはまだ公表していない。
だからこれで、ようやく満を持して沙苗を俺の正式な婚約者だと公表することが出来そうだ。
皆から祝福の言葉をかけられ、嬉しそうな表情をしながら会話している沙苗を見て改めて誓う。
不遇な人生を歩んできた分以上に俺が沙苗を幸せにしてみせる、と────
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