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第7話 初デート(7)

 後2話程で初デート回完結を予定しています。

 洋食屋ミナトで食事代をお支払いしてから退店し、再びセトザキ・アミューズメント施設に向かって歩いていた。

 無論、沙苗に左腕をガッチリとホールドされながらね!

 だからなのか、周囲の男性達からの恨めしい視線が俺に突き刺さる。

 まるで「何であんな奴が!」って言っているみたいな感じで。

 だけどそんな視線なんてどうでもいいとばかりに俺と沙苗は、洋食屋ミナトの料理を食べた感想を言い合う。


「沙苗、洋食屋ミナトの料理の味はどうだった?

 俺は文句のつけようがないくらい美味しかった、という言葉しか出てこない。

 エビフライと白身魚フライの衣がサクサクで美味しかったし、白身魚フライにトッピングされていたタルタルソースがめっちゃ美味かった。

 巨大ハンバーグは食べた瞬間に溢れる肉汁と柔らかい食感が良かったし、掛かっていたデミグラスソースが美味すぎたよ。

 フライドポテトは外サクサク中ホクホクで美味しかったし、付いてきたバーベキューソースがこれまた美味しかったしね!

 メインの巨大オムハヤシは……もう何も言う事なし!

 デザートに関しては言葉すら必要ないくらいに……絶品だった」


「私も俊吾と同じね。

 オムハヤシは乗っている卵がフワトロ食感で美味しかったし、何より掛かっていたハヤシソースが絶品だったわ!

 それからナポリタンだけど、丁度いい茹で加減のスパゲッティ麺にケチャップベースのソースが絡みついていて美味しかったわ。

 ナポリタンに入っている具材が、玉ねぎ・ピーマン・ウインナーの3種類のみで、シンプル仕上げだったから文句無しよ。

 また食べに来たいって思ったわ♪」


「なるほど。ならさ、また食べに来るか?

 今度は瀬戸崎一家でね♪」


「ええ!絶対にまた食べに来ましょう!

 どうせなら瀬戸崎一家で全メニューの制覇を目指しましょう!」


 洋食屋ミナトで提供している全メニュー制覇を瀬戸崎一家でか?

 それは多分……何回か来店しないと無理じゃないかなぁ。

 だって瀬戸崎家で大食いなのは、俺と沙苗とお爺様だけだから…ね。

 そう心の中で思いつつも俺は言う。


「まぁ、制覇は出来たらってことで」


「そうね、皆の都合もあるだろうしね。

 調整しとかないと……制覇の為に」


 あ~……、これは絶対に何がなんでも絶対に制覇する気満々でいらっしゃる。

 お爺様・兄さん・相良・遥さん、ごめん……今のうちに心の中で謝っておくよ。

 沙苗の小さな野望に強制的に巻き込まれることに…ね。


 ……ていうかこれって、俺も巻き込まれるのは確定してね?

 そう思った俺は沙苗に恐る恐る聞く。


「沙苗、調整ってのはもしかしなくとも……俺のスケジュールもってことか?」


 そう聞くと、沙苗は間髪入れずに即答する。


「? そんなの当たり前でしょ?

 だって俊吾は私の恋人なんだから…ね♡」


 それを聞いた瞬間、顔からサーッと血の気が引いていくのを俺は感じる。

 そして何を思ったのか、俺はおもむろにポケットからスマホを取り出すとお爺様達宛のメールを作成し、送信する。

 メール送信内容は以下の通りである。


【件名】巻き込んでごめん!

【宛先】繁信(しげのぶ)俊介(しゅんすけ)・遥・相良・奏・瀬戸崎家使用人一同

【本文】俺には止められなかったです……沙苗の小さな野望を。

 だから今後、急なスケジュール変更がある可能性もあるので、覚悟しておいて下さい。

 尚、沙苗の小さな野望についてですが……とある料理店の全メニューを一家総出で制覇することです。

 なので申し訳ありませんが、何も言わずに沙苗の小さな野望に協力お願いします!

 何でそんな話になってるんだ?という疑問を抱かずにはいられないでしょうけど……


               野望犠牲者第1号の俊吾より



 上記のメール内容を送信してから間を置かずに返信が来る。


 お爺様からの返信〖……相分かった〗

 兄さんからの返信〖……了解した〗

 遥さんからの返信〖……了解致しました〗

 奏からの返信〖……分かりました〗

 使用人一同からの返信〖……委細承知致しました!〗


 まぁ、そんな反応になるよね……。

 どの返信も、何処か諦めた感じの返信内容だったからね。


 だけどよく考えてみてよ。

 全メニューを制覇したい!と言って目をキラキラと輝かせている恋人の願いを……彼氏として嫌だと面と向かって言える?

 俺には言えない……最愛の恋人が悲しむような言葉なんて。

 ましてや沙苗は……つい最近まで辛い人生を歩んでいた。

 沙苗の恋人として彼女が望むものを、なるべくなら叶えてやりたいと思っている。

 隣で俺に笑いかけてくる沙苗の全てを守りたいから。

 だから俺は公衆の面前だと分かった上で沙苗を正面から抱き締め、耳元で誓う。


「俺は何があっても沙苗をこの手で一生守り抜くから」と───











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