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第5話 初デート(5)

 俊吾と沙苗の初デザート回は、後数話程度続きます。

 昼食を食べる為に洋食屋ミナトにやってきた俺と沙苗だったが、店の前には100人を超える入店待ちのお客さんが並んでいて1時間待ちとなっていたので、小説投稿サイトで俺がいま読んでいる投稿小説の内容を沙苗と話しながら呼ばれるのを待っていた。

 そして俺と沙苗を呼びに来た女性店員の後に続いて洋食屋ミナトの店内に入店した。


 洋食屋ミナトの店内は家族連れやカップル客で賑わっていた。

 そうやって店内の様子を見ていると、俺達を案内してくれていた女性店員が言った。


「こちらのお席にお座り下さい。

 お冷とおしぼりをお持ち致します」


 女性店員はそう言ってペコりと一礼してから立ち去って行った。

 なので俺と沙苗は対面で席に座り、席に設置されたメニュー表を手に取り、料理内容を見ながらどの料理を食べるかについて話し合う。


「さて、注文する料理を決めよう」


「そうね。このメニュー表を見ると、料理の種類が充実してるわね!

 料理名と共に載ってるどの写真を見ても美味しそうね♪」


「ホントそれな。

 だけど俺はもう注文する料理は決まったよ」


「えっ?もう決まったの!?

 決めるの早過ぎない?

 入店してからまだ3分くらいしか経ってないわよ?」


 俺がもう注文する料理は決まったと言ったら、腕時計を見ながらそう言う沙苗。

 それから続けて俺に聞いてくる。


「俊吾が注文予定の料理名を教えて?」


「ん?俺が注文する予定の料理は、洋食屋ミナトスペシャル・裏 1500円(税込み)とチョコレートパフェ580円(税込み)、それからリンゴジュース150円(税込み)だね」


 そう沙苗に言いながら俺はメニュー表の一番下を指さす。

 指し示した場所にはこう書かれている。


【洋食屋ミナトスペシャル・裏 1500円(税込み)】洋食屋ミナトの店主が開発した対デカ盛りハンター用のデカ盛り料理です。

 総重量非公開で制限時間60分以内に完食でお代無料+賞金1万円+洋食屋ミナトスペシャルデザート付きとなります。

 どんな料理がデカ盛り化するのかも非公開な上、日替わりで料理内容が変わります。

 尚、残された場合のお持ち帰りは不可とさせて頂きます。

 因みにこれまでの完食者は0人です。


 というシークレットデカ盛り料理だ。


「総重量非公開の料理内容不明って……俊吾はよく挑戦しよう、なんて思ったわね」


「完食者0人ってなってたから、最初の完食者になってやろうかと思ってね」


 俺がそう言うと、沙苗はニヤリと笑ってから聞いてきた。


「それで俊吾は挑戦しようと思ったのね。

 でも、俊吾の本音は?」


 あ~、これは完全に見透かされてるな……。

 と思いながら答える。


「……デカ盛りメニューの割に値段が安かったから」


「だと思ったわw」


 俺の本音を聞いた沙苗はクスクスと笑う。

 と、そこへ俺達を席まで案内してくれた女性店員がお冷とおしぼりを2人分運んできた。


「お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。

 こちら、お冷とおしぼりになります。

 ご注文が決まりましたら、テーブルの上に設置されている呼び出しボタンを押して下さい。

 では、失礼致します」


 お冷とおしぼりをテーブルの上に置いてからそう言った後、女性店員は一礼してから去って行った。

 女性店員が去ってから沙苗が言った。


「店員さん、忙しそうね。

 立ち去る時、若干だけど小走り気味になってたわ」


「まぁ、だろうな……どの席も空席が無い状態だしな。

 それで沙苗は注文する料理は決まったのか?」


「ええ、決まったわよ?

 大盛りオムハヤシ600円(税込み)と大盛りナポリタン560円(税込み)、それから洋食屋ミナトスペシャルパフェ700円(税込み)と烏龍茶150円(税込み)ね♪」


「……俺が言うのも何だが、そんなに注文して食べ切れるのか?」


「ええ、勿論よ♪

 それだけ私は空腹なのっ!」


「お、おう……」


 幾ら空腹だからといってもねぇ……。

 大盛り2つは食べ過ぎじゃね?

 とは思ったが、言ったら絶対に機嫌を損ねるだろうから口には出さないけどね…!


「さて注文する料理も決まったことだし、呼び出しボタンを押すぞ?」


「いいよ~♪」


 ピンポーンッ♪


 沙苗に確認してから呼び出しボタンを押すと、直ぐに先程の女性店員が俺達の席にやって来て、制服のポケットからハンディターミナルを出してから聞いてくる。


「ご注文内容をお伺い致します」


 それに対し俺が注文する料理名を言っていく。


「オムハヤシの大盛りを1つとナポリタンの大盛りを1つ、洋食屋ミナトスペシャル・裏を1つ、洋食屋ミナトスペシャルパフェを1つとチョコレートパフェを1つ、烏龍茶とリンゴジュース、それから最後に大盛りフライドポテトが1つ。

 飲み物は食前で、デザートは食後でお願いします。注文は以上です」


「注文内容を確認致します。

 オムハヤシの大盛りが1つ、ナポリタンの大盛りが1つ、洋食屋ミナトスペシャル・裏が1つ、洋食屋ミナトスペシャルパフェが1つ、チョコレートパフェが1つ、烏龍茶とリンゴジュース、大盛りフライドポテトが1つ。

 お飲み物は食前にお持ちし、デザートは食後にお持ちする。

 以上でお間違いなかったでしょうか?」


「はい、間違いないです」


「畏まりました。

 それでは先にお飲み物の準備に入りますので、これで失礼致します」


 注文内容の確認・復唱を行った後、最後にそう言って一礼してから女性店員は去って行った。

 それから少しして女性店員が俺達の席にやって来る。


「お待たせ致しました。

 ご注文の烏龍茶とリンゴジュースをお持ち致しました。

 グラスが滑りやすくなっていますので、持つ際はご注意下さい」


「「ありがとうございます」」


「では失礼致します」


 女性店員が立ち去った後、俺と沙苗は先に運ばれてきた烏龍茶とリンゴジュースを一口飲んで喉を潤す。

 それからしばらくの間談笑していると、特大のお皿にこれでもかと盛られた料理を店員が2人掛りで俺達のテーブルに運んでくる。


「お待たせ致しました。

 ご注文の洋食屋ミナトスペシャル・裏をお持ち致しました……」


「「……………」」


 そう言ってテーブルの上に置かれた洋食屋ミナトスペシャル・裏を見た俺と沙苗は、想像していた量以上に盛られた料理に絶句するのだった───










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